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"確実"など存在しない

新作ソフト「ドラフト・デイ」を鑑賞しましたので、
本日はこの作品のレビューをしたいと思います!

父親でもある監督を追い出し、女幹部であるアリを
妊娠させたサニーは、クリーヴランドを本拠地に置く
NFLチーム「ブラウンズ」GMであり、その破茶滅茶な
公私を反映するかのようにチームの成績は混迷を極め、
彼の評価は名実共に最低の烙印を押されていた。
そんな中、年に一度行われる、前途有望な若者を
奪い合う「ドラフト・デイ」開始までついに12時間を切る。
一発逆転を目論むサニーは、上位チームである
シーホークスのGM・トムの甘言に乗せられ、
とんでもなく相手に有利な条件と引き換えに
今年度一番の注目株であるQB・ボーの指名権を
得ることに成功するが、しかしその後の綿密な
調査によって、ボーが「事故物件」かもしれない
という疑惑も浮上しはじめる…というあらすじ。

「ゴーストバスターズ」や「エボリューション」が
代表作ながら、製作サイドとしては様々な作品に
参加し、マルチな才能を発揮するアイヴァン・ライトマンが
監督を手がけた最新作にあたる本作品は、華やかな
NFLの舞台裏にして前哨戦とも言えるドラフトに
焦点を当て、そこで繰り広げられる男たちの熱い
衝突や高度な心理戦を描いたドラマとなっています。
主演男優はケビン・コスナーで、昔ながらの頑固親父を
装いながらも内心では虚勢を張っておたつく情けない
中年というキャラは、彼以上の適任もいないでしょう。

本作はドラフトの駆け引きと家族や男女のドラマが混在し、
作品としてはそれぞれをきちんとカテゴリ分けしてテーマ毎に
キッチリ描き分けておきながらも、本来はあくまでデータに
基づき冷静に処理されるべきドラフトが、それに関わる人間の
心身のコンディションや状況で決断へ大きく影響を与える
という様まで描写されているのに大変唸らされ、こういった
頭に血が昇った人間同士のやりとりは実に勉強になります。

話の展開や作中の人物の血気にはやった行動は結構
自分にも身に覚えのあることが多くて、追い詰められた人
というのは兎角逆転ホームランを狙いがちになり、一度
思い込んだら周囲の助言など耳に入らず暴走してしまい、
深呼吸して一拍置けば誰が見ても無謀だとわかる賭けに
乗った挙句、思わぬ物件を高値掴みするハメに陥る…。
第三者視点では「うわーコイツバッカだなあ」って思っても、
当人からしたらそれが全く見えていないという、主観と
俯瞰の視点の描き分けが上手くて、観客はそれぞれの
立場に立って複雑な気分が味わえるのが良いポイント。

一方でピンチはチャンスという奴で、一旦自分の波を
取り戻すことが出来れば不良債権すら強力なカードに変わり、
何をやっても上手く行くようになるというのは現実でも
起こり得る面白い事象で、全ての歯車がかっちりと噛み合い
一つの勝利へと突き進む逆転劇には手に汗握らされます。

ドラフトが舞台ながらもスポーツの一部には変わりない
ということで話全体は実にスポ根ドラマしていて、お互いの
本音を突き合わせて議論を重ね、決断をすり合わせることの
大切さを説いていることに始まり、本当の勝利を手繰り寄せる
鍵はチームを重んじる調和、嘘を吐かない健全で愚直な精神、
そして何よりも無謀とは違う冷静かつ熱いハートなんてのもいい。

チームを編成する上で本当に大事なのは、例えば全員
四番打者を揃えるということではなく、お互いの欠点を
補い合える最適解を探すことだという話を前提に、GMや
監督が頭を捻って「ぼくのかんがえたさいきょうのチーム」を
編成していく過程も、男の子なら誰もがワクワクするはず。

というわけで、舞台が舞台なので絵面そのものは大変
地味~に展開されていくにしても、話が美しさすら感じる
くらい綺麗にキッチリ整頓されているので、驚くほど
スッキリ呑み込んでいける大変素晴らしい逸品でした。
スポーツ界の舞台裏や楽屋を描いた作品というと
最近なら「マネーボール」を連想しますが、あのノリを
楽しむことができたという人ならば本作もオススメしたい。

もっと長いと思ってた

新作ソフト「6才のボクが、大人になるまで。」を
鑑賞しましたので、本日はこの作品のレビューをば!

夫に愛想を尽かし離婚を申し出たオリヴィア。
その彼女に引き取られた息子・メイソンの成長を
6才から18才までの12年に亘り描写する…
という本作の最たる特徴は、主人公である
メイソンくん演じるエラー・コルトレーンを実際に
リアルタイムで12年追い、即ち映画製作にも
同じだけの年月をかけたところにあります。

まだ物心もおぼつかない6才の少年が、一丁前に
無精髭を伸ばし始める18才の青年へと成長する
までの過程において、実は本作のメインになり得る
要素というのは彼と同様に移り変わっていく二人の
両親の存在にあり、自立した精神と自己実現に
対する野心を持ちながら、どういうわけか本能的に
ダメ男を抱えてしまう傾向もある、息子と娘の
養育に奮闘する母・オリヴィアと、良き友人では
あっても必ずしも良き父親とは限らない放蕩な父・
メイソンパパそれぞれの姿は、恐らく子供を持つ
までに至った父または母の観客ならば自らの
ダメな面を重ね合わせた上で、「それでも子供は
立派に育つ」という結果に心を狙い撃ちされること
間違いなしだと思うのですが、残念ながら今これ
書いてる中の人はその…共感できる立場にない
というか…そういう経験が一切ないから…ね?

なので、ひがみ根性と言いますか、「こんな
素晴らしい話に共感できなくてかわいそう!」
みたいに思われるかもしれないんですけど、
リアルタイムで12年の製作日数をかけて一つの
作品を完成させたというのは偉業に間違いなく、
その上でこれだけのクオリティを保ったことも
十分な賞賛に値すると思いますが、それは
あくまで執念にも似た不断の努力への評価で
あって、この実験的なメソッドが果たして作品
全体における出来や完成度に寄与しているか
どうかというのは、また別の話だと思うのです。

少年の成長を追った作品というと「ニュー・シネマ・
パラダイス」や「アンジェラの灰」があって、それらを
前例とした場合、本作で取った手法がその手間暇に
対し十分なリターンが得られたかどうかということを
考えると、年代別で役者変えても特に困るこたねぇん
じゃねえの!?とか個人的には思ってしまって…
当然、このメソッドだからいいんだ!このメソッド
じゃなかったらダメなんだ!という意見もあるでしょうし、
それについて面と向かって反論するつもりは一切
ないんですが、でもやっぱりリアルタイムで追うなら
もっとドキュメンタリーに寄った方が良くない…?
なんかどっちつかずじゃない…?みたいに、妙に
ボソボソとお小言を呟いてしまう感想が残りました。

話としては十分面白かったんですけど、なんか、
多分、根っこのところで、俺が観客になるべき
作品ではなかったんじゃないかなという気が
してきて…すまん…俺には言葉が見つからない…

あ、それと、それぞれダメな父と母役が元から
プロのハリウッド俳優で、しかもそれがイーサン・
ホークとパトリシア・アークエットっていう、
どうしようもないくらいドハマリなキャスティング
してるのも二人の方が目立つ要因になってて、
主人公のコルトレーンくんがなんだかぼんやりした
立ち位置になってるのもちょっと可哀想だと
思いました!というのも追記しておきます。

入るのは二人!出られるのはただ一人!

長い時を経てようやく日本国内でソフト化した
日本劇場未公開作品「ウォーリアー」を鑑賞
しましたので、本日はこの作品のレビューをば!

父・パディのアルコールが原因で離散したコンロン一家。
その父の元へ音信不通だった息子のトミーが突然訪ねてくる。
元超高校級アマレスラーだった彼は、名トレーナーの関係にも
あった父からもう一度指導を受けたいという話を打ち明ける。
一方トミーの兄であるブレンダンは、娘の病気を治療するため
こさえた借金が、高校教師の給料では賄えないほど膨れ
上がり、残り三ヶ月で家を差し押さえられる事態に陥っていた。
かつてUFCファイターであった経験を活かし、場末のクラブで
小遣い稼ぎを始めた彼は、偶然から優勝賞金500万ドルの
総合格闘技大会「スパルタ」出場の切符を手に入れる。
だが万に一つ彼が決勝まで駒を進められる奇跡が起きたと
したなれば、それは袂を分かった親子とのファイトも絶対に
避けられない道であった…というのがおおまかなあらすじ。

親子や兄弟の確執を巡り、総合格闘技のヘキサゴンを
舞台に繰り広げられる熱きスポ根ドラマを描いた本作品。
オーストラリア出身ということもあってそれぞれ日本では
あまり耳慣れない二人の俳優、ジョエル・エドガードンと
トム・ハーディがブレンダンとトミーの兄弟を熱演し、
その身体を張ったマッチョなアクションと確かな演技が
きっかけで世界に二人の名を知らしめた出世作とも言え、
ジョエルは「ゼロ・ダーク・サーティ」や「エクソダス」等で
助演男優の座を勝ち取り、トムは言わずもがな「マッド
マックス」でメル・ギブソンに代わる新たなマックス役
として抜擢され、自らのキャリアを更に高めました。

話を本作に戻すとして、アルコールで家庭を壊して
しまった父と、その煽りを食って負け犬の人生を余儀なく
された二人の兄弟、それぞれが再起を懸けて一つの
リングへと上がるってな様相はまるで「二人のロッキー
夢の対決」とも言え、そんな展開になったら燃えないわけが
ないのですが、そこで満足しない脚本の強固な作り込み
こそが本作最大の強みであり見どころかもしれません。

ブレンダンには守るべき新たな「家族」が、トミーにもまた
支えてあげたい新たな「兄弟」の存在があり、それぞれの
血筋や過去のしがらみとは別に譲れない物を持っている
というバックボーンの用意は、即ち一対一で闘う以上勝者が
敗者の夢を打ち壊さなければならないこともある必要性をも
生じさせ、物語が簡単で一方的な理屈では説明できない、
より複雑で味わい深いドラマへと昇華させているのです。

たかが酒、されど酒、ほんの些細なきっかけはダムに空いた
蟻の穴のように後に尾を引く大惨事を引き起こし、本来は
互いを愛し、許し、信頼してあげたいのに、心の傷とつまらない
意地でいがみあってしまう親兄弟の姿を見るのもつらい!
でも、だからこそリングで裸になって、言葉ではなく拳で会話
すれば、全てを理解し合えるという男の子の味がいい…!

この「プロレスならではの醍醐味」的な見せ方や手順をキッチリ
踏まえているのもすごく楽しくて、猪突猛進でありながらその
確かな実力はアマレスの経験に基づいている弟・トミーの爽快
かつ圧倒的なパフォーマンスと、どんなに殴られても根性で
立ち上がり最後のチャンスに懸け、偶然を手繰り寄せた必然の
勝利を掴み取る兄・ブレンダンの堅実で地味なファイトスタイルの
対照的な差異がよく描けているし、そんな全く無名だった二人の
ダークホースが、展開上トーナメントを勝ち進んで行くのが
当たり前であっても、ほぼ無傷で順当に勝ち進んでいく弟と、
ボロボロになりながら歩を進め、なおかつ最強の優勝候補と
闘わなければ弟まで辿りつけない兄という、どんどん先が
見たくなる煽り方が本当に上手いし、あくまで読めるブックが
組まれているのは準決勝までで、その先には観客でもどんな
展開と結末が待っているのか予測できない、最強のドラマティック
ガチンコ兄弟ゲンカが待っているというのも盛り上がります。

バトルが終わって家族の心がひとつになった!というところで
余計なエピソードを加えずあっさり風味に終わる幕切れも
かえって余韻に浸るには良い余裕を与えてくれるし、
ドラマで語るべきところは語り、バトルではひたすら肉体言語に
徹するという脚本からテンポから何まで計算され尽くした傑作。

本当、一体どうしてこんなにも素晴らしい作品が日本劇場未公開で、
なおかつソフト化にも数年の時を要したのか理解に苦しみますね!
「レスラー」や「ザ・ファイター」に並んで、スポ根バトル映画として
間違いなく名作の一つに数えられる、文句なしにオススメの一本!

長の心と竜の魂

観よう観ようと思いながら積んでおいて
ここまで時間かかってしまった!
「ヒックとドラゴン2」を鑑賞しましたので、
本日はこの作品をレビューします!

岩で形作られた絶海の孤島・バーク。
かつてはバイキングとドラゴンが壮絶な戦いを
繰り広げていたこの島は、一人の変わり者の少年・
ヒックにより両者の間で絆が結ばれ、今やドラゴンは
島になくてはならないペットとして重宝されていた。
それから五年、成長した彼は島の長である父から
その座を譲り渡されようとしていたが、彼自身は
その責から逃げるように自分探しの旅をしていた。
そんなある時、彼は奇妙な氷漬けの島で無理矢理
ドラゴンを捕えようとするハンターと遭遇する。
ハンターの口から出たドラゴという親玉の名は、
ヒックの父にとって因縁浅からぬ過去の仇敵だった…
というのがおおまかなあらすじ。

全世界で公開されるなり絶賛の嵐を受け、それに
後押しされる形で続編の製作が決定された
3D長編アニメーション映画の「ヒックとドラゴン」。
今回レビューする本作がその続編にあたり、これもまた
世界で非常に高い評価を受け数々の賞を受賞したにも
関わらず日本劇場未公開ってなんかおかしくねえか?

さておき、片尾翼を失った、かつては史上最凶と呼ばれた
ドラゴン「ナイト・フューリー」と、事故で片足を失いながら
尚もドラゴンに乗り続けるヒックという、互いのハンデを
庇い合うからこそ最強のコンビという名を欲しいままにする
一人と一匹が、強敵を前にしてより強く結びつき、真の
リーダーとして覚醒していくというのが本作のストーリー。

「人間とドラゴンの共存」という斬新なテーマ性は前回で
クリアしてしまったので、今回はヒックに関する過去や
家族の絆という方向に舵を切り、いささか凡庸かつ
紋切り型な印象も否めなかったりはするのですが、
力によってドラゴンを支配するドラゴという今回のボスを
前面に押し出すことにより、横からひょっこり現れる
とあるキャラクターの意外性とミスリードに始まり、
「あれっここまで主人公サイドが強まっちゃったら敵側に
勝てる要素なくね?」というところで一発逆転されて
一気に絶望感に包まれる等々、相変わらず実に
細かいところまで気を配った脚本の展開やテンポの
良さには感心させられ、がっつり作品に入り込めます。

今回でヒックのルーツを更に追求するという展開に
関しては、何故彼は頑固者で人望があるのか、しかも
変わり者でドラゴンにも好かれるのかの謎を徐々に
明かしていく段階を踏むことで、キャラの魅力をより
深く掘り下げるという意味で大きく成功しているし、
同時にドラゴンの生態もより鮮明にされていくのが
ビジュアル的にも楽しく、ぶっちゃけドラゴンを憎む
敵とかアクションとかなくてずっと家族や友達と一緒に
イチャイチャしてる方が面白いんじゃね?と思えるほど。

まあ、その、悲しい過去(笑)とか言ったら駄目なのかも
しれないんですけど、今回のラスボス枠・ドラゴさんが
話の通じる余地がない系の人のせいで蚊帳の外から
かなり置いてきぼり喰らってる感は否めないんですが、
無理に改心イベントとか挟まなかったのは個人的には好感。
己の立場や意見の違いからぶつかり合うのは必然で、
そこで結論を急ぐ必要がなければ、時間をかけていつかは
分かり合える日が来るのを待つしかないということで、
この辺は更に製作が決定されているという「3」に期待。
ドラゴさん全く絡んでこない可能性も捨てきれないけど!

イケメンの青年になったヒック、お茶目なトゥース、
エロかわいいゴリウーのアスティ、根っこのところは
何も変わってないバーク島の皆と再開できて良かった!
あと島の女性供給量が少ないせいで馬面のくせに矢鱈
モテてしまうラフが二の腕フェチのビッチキャラという
よくわからないテコ入れされてるのが妙に面白かった。

これだけの十分なクオリティを有していながら、どうして
日本劇場公開されなかったのかが本当わからない、
わからないんだ…。

ライリーのためなら死ねる!

新作映画「インサイド・ヘッド」を鑑賞してきましたので、
本日はこの作品のレビューをしたいと思います!

人間の頭の中には五人の小人―――ヨロコビ、
カナシミ、ムカムカ、イカリ、ビビリが住んでいるという。
この世に生を受けたライリーは家族や友人に恵まれ、
ヨロコビ主導の下に脳内は幸せな思い出で溢れていた。
ところが彼女が11歳を迎えた頃、父親の仕事の都合
引っ越しを余儀なくされ、友人と離れ離れになり
狭くカビ臭い家の中で家族の仲がギスギスし始めると、
途端に彼女の脳内はネガティブな感情で一杯になる。
ついにはかつての幸せな記憶までもが原因不明の
カナシミ色に染まり始め、パニックを起こした五人が
慌てふためいているうち、ヨロコビとカナシミの二人は
脳内の奥深くにまで飛ばされてしまい…というあらすじ。

ディズニーピクサー20周年記念作品にあたる本作は、
多感な少女の感情を擬人化し、そのメカニズムを可視化
したとも言うべき内容になっており、言ってしまえば
かつてのヒットメイカーから凋落が激しい昨今、果たして
巻き返しを図ることができるかという点においてもスタッフ・
観客それぞれ気の抜けない作品だったと思います。

先に結論から言ってしまえばその意味では成功していて、
所謂「脳内の天使と悪魔」のように、感情を擬人化する
という古典的手法を用いていながら、人間の「記憶あるある」
ネタに端を発し、恐らくは生理学や心理学に基づいた
入念すぎるほどのリサーチを重ね、人間の感情が豊かに
なっていく、或いは感情の「死」に至るプロセスを丁寧かつ
ファンタジックに描いた全く斬新な映画に仕上がっています。
実際問題、作品の性質上かなり抽象的な表現が含まれるので、
作品の内容を言語化して伝えることがかなり難しかったり、
鑑賞中はまるで白昼夢を観ているかのような浮遊感が常に
付きまとうという、今までにない不思議体験ができたりします。

三つ子の魂百までとは言ったもので、本作から得られる
教訓も多く、幼少の環境が一個人の将来の人格形成に
如何に大きな影響を与えるかというのが各段階を踏んで
これでもかと解説されており、まず一番最初に喜びと
悲しみが失われると、恐怖や怒り、苛立ちだけが表層に
残り、その地点さえも過ぎてしまうと氷ついた完全な
「無感情」だけが待っているという話を延々と見せられ、
しかもその最中常に心の奥底ではヨロコビがもしかしたら
無駄に終わるかもしれない一縷の望みを懸けて必死に
もがいているってんだから痛々しくてたまったもんじゃない!
ビジュアル的には子供が喜びそうな左脳的に作られている
一方で、親御さんには耳が痛くなるような考えさせられる
右脳的な作りになっているのも本作の面白い特徴です。

その他、「楽しい」の「楽」は必ずしも良い意味だけとは
限らず、楽な方向に流れようとした結果誰かを犠牲に
してしまうかもしれないというリスクや、そうでなくとも
人間は大なり小なり過去の記憶を取捨選択して成長
していくものなんだという話も盛られていたりするのですが、
本作がきっかけで記憶の扉が開いたのは意外や意外、
マッドマックス的世界観のハードコアヒューマンドラマ
「ザ・ロード」だったりして、そこでは主人公である父親が
「悪夢を見るのはまだ心が現実に抗おうとしている
証拠だ、過去の良い思い出にすがり始めた時こそ
命の危険が訪れる」といった話を息子に聞かせます。
泣いたり怒ったりして涙が出るのはまだ感情が
残っているからに他ならず、それは心や身体がまだ
戦おうとしている、必死に生きようとしているんだと
全てがポジティブに捉えられるように出来ているのも
また、本作を名作たらしめる由縁だと思います。

自分が今までその道を辿ってきた親の世代、
今まさにその道を辿っている子の世代、そして
いつかはその道を辿ることになる孫の世代と、
あらゆる年代を越えて全ての「子供」たちに贈りたい
ピクサーの劇的な復活を見せた素晴らしい作品!
今レビューしてるおじさんには配偶者すらいないけどね!
プロフィール

マイケル・チバ

Author:マイケル・チバ
シルバーレイン
マイケル・チバ(b30277)
薬師寺・米(b41960)
を経て、
現在はエンドブレイカー!
マーヴィン・ジェント(c06527)
にて稼動中。

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