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アメリカのために!

新作レンタル「フォックスキャッチャー」を鑑賞
しましたので、本日はこの作品をレビューします!

シュルツ兄弟は二人揃って金メダリストとして
かつては一世を風靡した存在だったが、実力・
コーチング能力・人気全てにおいて兄のデヴィッドに
頭一つ落ちるマークの生活は底辺を極めていた。
そんなある時、彼は大富豪のジョン・デュポンが
設立したというチーム「フォックスキャッチャー」に
招致され、これこそがチャンスだとばかりに
飛びついたマークは、ジョンの期待に応えるように
メキメキと頭角を現し、再びメダルを手にする。
しかしたった一つの成功が彼に堕落をもたらし、
そしてまたデュポンの精神にはとある問題が
秘められていたこともあって、二人の歯車は
徐々に狂い始めていき…というのがあらすじ。

「事実は小説よりも奇なり」とは言ったものですが、
センセーショナルな実在の人物にスポットを当て
「カポーティ」や「マネーボール」といった佳作を世に
送り出してきたベネット・ミラーが今回描いたのは、
大富豪と兄弟が一つのレスリングチームを巡る
上での衝突と、三者三様の栄光と挫折の様でした。
その熱きスポーツドラマと冷徹なスリラー&クライム
ムービーの両面を演出するにあたり、チャニング・
テイタムとマーク・ラファロ、スティーブ・カレルの
三人がスクリーン上で激しく火花を飛ばします!

「メダルだけでは食べていけない」という悲惨な
懐事情は実は日本だけではなくアメリカも同じで、
だったら富豪が例え道楽だとしてもきちんとした
サポーターになってあげるのはいいことじゃないか、
なんて話もほどほどに、本作では「チーム」が一つに
結束することの難しさをありありと描いています。

登場人物であるマークには「葛藤」、ジョンには
「狂気」、デヴィッドには「家族愛」のテーマが
それぞれ割り当てられていて、全員が「メダルを
獲りに行く」という目的こそ一致してはいても、
その先にある利害がてんでバラバラなために、
得られたパイをどういう理屈で、そしてどういう
切り分け方をするかを各人が頭の中で計算した
結果、本来はシンプルなはずの一つの勝利が
どういうわけか複雑な様相を示していきます。

マークはコーチを兼ねている兄のデヴィッドに
手柄を独り占めされたくなく、一人でも勝てると
証明したくて躍起になり、ジョンは自らが成し得
なかったレスリング金メダリストの夢をチームの
選手に投影し、まるで自分が一人で栄誉を勝ち
取ったかのようにして世間に権威を誇示したい。
そんな自己顕示欲と名声の奪い合いが邪念と
なってメンタルの障害となり、囚人のジレンマか
はたまた強欲は袋を破ると言うべきか、二人は
あるべきポジションを見失うことでかえって勝利への
道が益々遠のいてしまうわけですが、こういうことは
程度の差こそあれ現実にあるあるすぎる問題すぎて
おつらぁい話ならば、ただ一人「妻と子に安定した
暮らしをさせてあげたい」「弟を勝たせてあげたい」
という純粋な一念の下、二人の間に立って苦労する
デヴィッドお兄ちゃんが一番の犠牲者となるのも、
皮肉が効きすぎてやるせない気持ちになります…。

基本的には「かつてこんな凄惨を極めた事件が
実在した」という伝記映画なのですが、別の視点では
「個人を色眼鏡で評価してはいけない」「能力以上の
ことはしない、必要以上のものは求めない」といった、
本来の人間としての立ち居振る舞いに関して、
改めて襟元を正すための教訓を含んだ話として
観ることもできるありがたい映画だと思うのですよ。
冷淡な事実を語りながら、一方では人間の持つ
可能性やその暖かみを提示するという意味では、
「カポーティ」や「マネーボール」に正しく続く作品に
間違いないし、監督のファンのみならずスポ根
映画好きならば是非オススメしたい逸品でした。
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プロフィール

マイケル・チバ

Author:マイケル・チバ
シルバーレイン
マイケル・チバ(b30277)
薬師寺・米(b41960)
を経て、
現在はエンドブレイカー!
マーヴィン・ジェント(c06527)
にて稼動中。

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