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どっちゃの、先生?

新作レンタル「インヒアレント・ヴァイス」を鑑賞
しましたので、本日はこの作品のレビューをば!

カリフォルニアで私立探偵を営むラリーの元へ、
ある日突然かつての恋人・シャスタが現れる。
彼女は現在不動産王・ミッキーと愛人関係にあり、
そのことが原因で彼や自らの命をも危ういトラブルに
巻き込まれたためラリーへ助言を求めに来たという。
ラリーは状況を洗い出すため早速調査に乗り出すが、
それは個人が手を出すにはあまりに大きすぎる
ヤマだった…というのがおおまかなあらすじ。

既に巨匠の領域に入っていると言っても差し支えない
であろう映画監督、ポール・トーマス・アンダーソンが
前回の「ザ・マスター」に引き続きホアキン・フェニックスを
主演に据えて製作された本作は、70年代の西海岸で
ヒッピーくずれの探偵が底の見えない闇を垣間見、
そして引きずり込まれていくサスペンス・スリラー。

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド以降、人間の作り出した
あまりに深すぎる闇や業にテーマを絞り、そしてまた
ザ・マスター同様に巨大なカルト組織への興味を
表面化させたような内容の本作では、あまりに肥大化した
コミュの中でお互いがお互いに噛み合い利用することで
回転する歯車のような奇妙な共生関係が築かれており、
際限なく風呂敷が広がり続けながらも、誰かが誰かを
利用する傍ら、その誰かもまた誰かに利用されている
という性質のために、話としての全ての罪を背負って
くれるような都合のいい「真の黒幕」は存在しません。
そんなんだから、滅茶苦茶わかりにくい話なんですけどね!

タイトルの「インヒアレント・ヴァイス」とは直訳すると
「生来備えた悪」であり、そんな人間性悪説を前提として、
終盤で明かされるダブルミーニングと共に救われない
破滅の未来へ突き進むのかと思いきや、ここでまた
ザ・マスター同様に闇の中でもがく人間の一筋の光、
個人が個人を思いやることができればいつかは世界も
よりよくなるという性善説を説いたことこそが、監督の
最も描きたかったメッセージなのではないでしょうか。

麻薬絡みのコネクションや全容の見えない巨悪という
構図、作品全体から溢れる質感は「ノーカントリー」や
「悪の法則」のコーマック・マッカーシーが原作や脚本に
関わった作品を思わせ、両作品に共通する「全ては
神の意思かはたまた単なる偶然に過ぎない」という観念に
対し、「そんなわきゃあねぇよ人間だってきっと世界を
変えられるに決まってる」というアンチテーゼを示したい
のかなという雰囲気も感じられたように思えます。

まぁ~とにかく難解だしキャラの相関さえ掴むのが
一苦労なら自分が話をきちんと理解できているのか
どうかも怪しい本作ですが、ホアキン・フェニックスを
はじめとしてジョシュ・ブローリンやオーウェン・
ウィルソン、ベニシオ・デル・トロといった通好みな
面子が顔を揃えたアンサンブル作品としての趣も
あって、豪華な面子が自然な立ち振る舞いで次々と
スクリーンにスッと割り込んで来るのは素直に楽しい。

でも、まあ、その…元々難解な作品に定評のある
監督の作品で、「ゼア・ウィル~」「ザ・マスター」の
時点で結構ギリギリだったのに、今回はもうかなり
ブッチ切っちゃった感じで、ファン以外の人が観たら
「意味わかんねーなこれ!」とクソ認定されても
ちょっとしょうがない部分あるんじゃないかな!
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プロフィール

マイケル・チバ

Author:マイケル・チバ
シルバーレイン
マイケル・チバ(b30277)
薬師寺・米(b41960)
を経て、
現在はエンドブレイカー!
マーヴィン・ジェント(c06527)
にて稼動中。

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