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まだおとぎ話を信じているのか

マカロニ探訪はまだまだ続きますよ!
本日のレビューは「ミスター・ノーボディ」!

一発の銃声が鳴り響けば三人が死んでいる―――
西部でその名を知らぬ者はいない早撃ちの達人、
ジャック・ボレガードは年齢による衰えと共に
引退を控えていたが、その彼がとある理由で
最後に追う相手として選んだのが、違法な金の
横流しをする悪徳商人・サリヴァンだった。
その過程の中で突然間に割って入ってくる、
「何者でもない者(ノーボディ)」と名乗る男。
裏から様々な仕掛けでボレガードを戦いの
渦中へと引きずり込もうとする「ノーボディ」の
目的とは果たして…?というあらすじ。

セルジオ・レオーネ原案・監修、「怒りの荒野」の
トニーノ・ヴァレリ監督、そして「ウェスタン」の
ヘンリー・フォンダ主演という鉄壁の布陣で臨んだ、
コメディ色の濃いマカロニ・ウェスタンが本作品。

しかし、フォンダ演ずる主人公・ボレガードに
対し、本作のタイトルにもある「ノーボディ」
演ずるテレンス・ヒルこそが思わぬ伏兵で、
ミステリアスな彼の存在こそが本作を味わい
深い内容に仕立てあげているのは明らか。

「名無しの権兵衛」なんて設定はそもそも
レオーネがクリント・イーストウッドと共に創作
したマカロニで最も有名なキャラクターの一人で、
そんなノーボディは「決して背中からは撃たない」と
豪語するジョン・ウェインのような高潔さも持ち、
そして「ジャンゴ」のフランコ・ネロにも似た
その外見からは彼と同じ匂いのする愛嬌もまた
滲み出ているといった具合に、西部劇のアイコンを
全部乗せたような人物に仕立て上げられており、
そしてテレンス・ヒルその人が重圧に屈すること
なく飄々とキャラを演じきっていることがすごい!

ここから更に、まるで幽鬼のようにボレガードの
行く先に現れる超自然的な存在感や、酒を飲むと
笑い上戸になるが、酔ってもその早撃ちの腕前は
少しも衰えないという設定からは、先日レビューした
「情け無用のジャンゴ」へのオマージュも思わせ、
一体どんだけ盛ってんだよという狂気の作り込み。

そのオマージュに関しては作品全体に言える
ことで、「西部劇にトドメを刺してしまった」と
まで言われた「ワイルド・バンチ」と、レオーネの
マカロニ集大成と言える「ウェスタン」を中心に、
どっかで見たような展開やシーンが目白押し。
ヘンリー・フォンダ主演な以上、セルフ・パロ的な
色合いも強くなっているのですが、「マン・オブ・
ハーモニカ」風のBGMに吹かされたりしつつも、
本作目玉のシーンである「ワイルドバンチVS
ヘンリーフォンダ」という無茶な構図を、クレーン
撮影でズームアウトで映す、いかにもレオーネな
ショットは思わず涙が溢れるほどに美しい。

で、単純に剽窃で塗り固められた同窓会的作品に
終始しているかと言ったら全然そういうことでは
なくて、重要なのは「西部劇とは何か」ということに、
マカロニである本作が深く切り込んでいること。

西部劇と関連して語られる、切っても切れない
テーマ、それは「移民であるアメリカ人は神話を
持たない民族」であり、それに取って代わるのが
「西部劇」であるという説で、本作においては
ノーボディがボレガードをその「神話の領域」まで
押し上げる過程が描かれていくことになります。

平穏な引退を望む男・ボレガードを、理不尽な
までに闘いへと駆り立てようとする、「逃れ
られない運命」を擬人化したような男・ノーボディ。
いくらかの小銭を持って遠くへ逃げれば
悠々自適な老後を暮らせるだろう、だが
どんなに早撃ちが上手く何人殺してようが
今のあんたは…そう言いたげなノーボディの
姿から浮き彫りにされる、「本当のノーボディは
誰か」という構図まで融合する様が素晴らしい!

神話の世界という大理不尽の枠組みを超えると、
大ドンデン返しの晴れ晴れとしたオチを通じて、
「かつてあった男の世界」が終わり「ガンマンの消えゆく
世界」が始まるという時代の移り変わりまで描き切り、
大風呂敷広げておいてここまで綺麗に畳めたのは、
大作好きなレオーネとキッチリとした性格なヴァレリの
タッグだったからこそ成せた業という他ありません。

コメディ色の強い本作は、血みどろのマカロニや
「ワイルドバンチ」に対する皮肉として受け取れる
趣もあるのかもしれませんが、しかしあくまで
「不殺」を貫くノーボディ、「ガンマンとしての死」を
遂げたボレガードの姿から映るものは、まごう
かたなき人間賛歌であり、マカロニや西部劇に
対する溢れんばかりの愛であり、それはまた
言い換えるならば、一度はトドメを刺された
はずの「西部劇」が再び息を吹き返したという
メッセージとして私は受け取りました。

「ワイルドバンチ」後のマカロニで、なおかつ
いかにも異端児な内容から、あまりタイトルを
耳にしないのも納得できてしまうのが非常に
惜しまれますが、とにかく隠れた名作です!
オススメ!
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マイケル・チバ

Author:マイケル・チバ
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薬師寺・米(b41960)
を経て、
現在はエンドブレイカー!
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