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全力で行くか?

今更黒澤作品にドハマリダブルピースしてる
ってことで、本日紹介するのは「天国と地獄」!

戦後の経済成長過渡期にさしかかった頃、
ナショナルシューズ社も時代と流行に
合わせた方向転換を迫られていたが、
昔ながらの職人気質の男・権藤は機能より
デザインを重視しようとする他の重役の考えを
よしとせず、密かに自ら私財を投じ自社株の
半数を所有する手に打って出ようとする。
ついに一世一代の賭けに踏み切ろうという
前日、なんの偶然か誘拐犯がよりにもよって
運転手の青木の一人息子を権藤の実子と
勘違いして連れ去り、彼に三千万を要求する。
自分の仕事と人生を取るか、他人の子供の
命を取るかの二択に権藤は深く悩むが…
というのがおおまかなあらすじ。

海外の警察小説「キングの身代金」をたまたま
読んだ黒澤明がいたく気に入り、原作に敷き
映画化に踏み切ったという逸話があるらしい本作。
三船敏郎が主人公としてクレジットされていますが、
警察小説が下地ということで実質的な中心人物
として描かれるのは、「用心棒」の卯之介や
「椿三十郎」の室戸といった、黒澤作品の中でも
特に印象の残すキャラを演じきり、順当にキャリアを
積み上げて来た仲代達矢演ずる戸倉警部。

序盤、これはどうも原作小説絡みで引きずって
いるようなのですが、いささか説明台詞と芝居
がかった各登場人物の自己紹介には黒澤映画
らしからぬ違和感を覚えるものの、しかし
現場からの叩き上げで、重役のポストには
場違いな印象を覚える「権藤」という役どころに、
三船をはめこんだ時点ですでに作品の良し悪しの
大半は決定されていたと言っていいと思います。

ヒト・モノ・カネ…瓦礫の中から高度経済成長を
遂げ、人が単純に生きることから娯楽への
欲求段階を引き上げた時、一体何が本当に大事で
何がいらないのかがわからなくなってしまう。
現代におけるあまりに肥大化し人間を飲み込んで
しまった金融システムと、人間の抱える病的な心理に
対し「まだ人間がそれらを理解し、引き返せる範疇に
あった時代」を記す同時に、それらの一切が
絶たれてしまった悲哀を本作は描いています。

企業が取捨選択を迫られている一方で、刑事たちは
彼らの言うところの「犬」となり、見事なチームワークで
一丸となって凶悪犯罪に挑むという驚くべきほど
華麗な美事も見せており、本作からは「人間賛歌」の
はっきりとした鼓動も感じ取ることができます。

人間社会全体から産み出された一人の人間の
病巣を切って取り出して見せるという構図や、
社会派ドラマとサスペンス・ミステリーの二つを
織り交ぜた大胆かつ贅沢な構成からは、
たまたま同じタイミングで鑑賞することになった、
先日レビューした「M」と同じものを感じます。
「ノーカントリー」や「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」の
ように、近代の人間の抱える病理や欲望は
どんどんヒトの理解の範疇を越えています。
今がエントロピーの頂点でこれからはただ
静かに死んでいくだけなのか、それとも最早
現代人には理解という言葉を使うのも
おこがましい先が待っているのか、それは
常人の想像の及ぶところではありません…
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マイケル・チバ

Author:マイケル・チバ
シルバーレイン
マイケル・チバ(b30277)
薬師寺・米(b41960)
を経て、
現在はエンドブレイカー!
マーヴィン・ジェント(c06527)
にて稼動中。

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