世界のサニー

なんかマトモな映画ばっか観て
偉そうなことばっか言ってんじゃねーよおめー
とか言う声が聞こえてきたので…
いや、誰も言ってないんですけど。
たまには超がつくほどおバカな映画の紹介を。

「直撃!地獄拳・大逆転」は長い間
DVDソフト化していなかったのですが、
最近になってようやく
ファン待望のリリースがされました。
こう言っちゃなんですが、こんな作品まで
ソフトになるとは本当に良い時代になりました。

前作の「直撃!地獄拳」は、監督の石井輝男が
当時東映側から「最近はカンフー映画が流行ってる
みたいだし、一本何か撮ってよ」という催促が
本人の乗り気でないのにひっきりなしに
かかってくるものだから、半ばヤケクソ気味に
「二度と東映にそんな気を起こさせない」ようにと
思いっきりテキトーに、好き勝手に作ったら
かえって反響を呼び、ヒット作になってしまった
という逸話を持っています。

そんなわけで、本作は前作に輪をかけて
狂った内容になっております。
前作はアクションとギャグの比率が五分五分程度
だったのに対し、今回はギャグが7割、アクション3割。
下手すると8割がギャグなのですが、
しかしだからと言って面白くないかというとそうでもない!

さて、あらすじについてですが、大体こんな感じ。
甲賀忍法継承者の甲賀(千葉真一)と
合気道師範代である桜の二人は、
元警察官の隼と元警視総監の嵐山の口車に乗せられて、
麻薬シンジゲートの一角を潰すことになる。
その後は散り散りになっていた面子だが、
犯罪組織に強奪された、時価6億と言われる
宝石「ファラオの涙」を取り戻すため、
嵐山の鶴の一声で再び三人が召集されることに…

うん、でもね、あらすじっていうか、
ストーリーなんてあってないような話です。この作品。

三人が仕事前に景気付けとして酒を一杯やるシーンが
あるのですが、ここが作品のノリや三人の関係を最も
わかりやすく表しています。
お互いに人が目を離した隙を見て、頭をガリガリ掻いて
グラスにフケを落としたり、鼻をほじって鼻クソを
丸めて入れたりとやりたい放題。
そして素知らぬフリをして、笑顔で「乾杯!」と同時に
グラスの中身を一気に飲み干します。
…ホントに、終始こんなくっだらないやりとりが続きます。

アクションシーンは前作に比べて少なくなったとはいえ、
JACとの息の合った千葉ちゃんのアクションのキレは
最高に素晴らしいです。
特に終盤のヤマ場、万札が舞い散る中での
残虐ファイトは見所満点。
ブン殴って目ン玉飛び出させたり、
手刀で内臓引きずり出したりするんですが、
マンガ的表現そのままなので滑稽で
全然怖くないのが愉快です。

見所と言えば、桜こと通称「トンチキ」が
ことある毎に酷い目に遭わされるのが笑えます。
下水に落とされる、接着剤で手とテーブルをくっつけられる、
背中に火がついてカチカチ山状態になる、
消火に手近な水がないからと小便をBUKKAKEられる等々。
かなり悲惨な状況に陥れられるにも関わらず
観客がアハハと笑って済ませられるのは、
ひとえに役者の郷治のコミカルな演技
あってのことでしょう。

なかなか一般人が触れる機会はないと思いますが、
レンタルビデオ屋で見かけたら
前作ともども観ておいても損はない作品です。
…いや、うん、「バカな作品を観て時間を無駄にする
ことのバカらしさをも享受する」ことのできない人には
オススメできないんですが…
そんなこと言ったらバカ映画なんて
全部オススメできないんですけど。

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