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ルーシーインザスカイウィズダイアモンド

新作レンタル「LUCY/ルーシー」を鑑賞しましたので、
本日はこの作品のレビューを行いたいと思います!

ルーシーは一週間前に知り合ったばかりの男・
リチャードから謎のアタッシュケースを押し付けられる。
実は男は運び屋であり、中には新型麻薬がギッシリ、
おまけに韓国マフィアに捕まった彼女は自らも運び屋に
仕立てられた挙句、それを大量摂取するハメに陥る。
オーバードーズにより本来ならば致死量のはずが、
彼女の身体に劇的な変化が訪れ…というあらすじ。

ミラ・ジョボヴィッチに代わる新世代のスタイリッシュ
アクションヒロインと言っても恐らく過言ではない
スカーレット・ヨハンセンが主演し、スピード感溢れる
バイオレンスアクションに定評のあるリュック・ベッソンが
監督・脚本という二人のタッグで提供される本作品。

種の起源、脳の働きといった「進化論」にテーマを置き、
46億年という時の流れや脳の変質による進化の過程を
最新のVFXで視覚化する試みは大変面白いです。

…が、やっぱり危ないお薬が人類の進化を早めて
しまうっていう基本設定はどうなの!?っていう、
根本的にやっちゃいけない倫理的な問題があって!
それとは別に、元は娼婦のような場末の女がお薬
キめて最も神に近い存在になり、水面の上を歩くことも
石をパンに変えることも厭わない全知全能の力を得て
おきながら、作品の発端であり展開の中心となる
韓国マフィアだけはどうにもできずひたすらドンパチ
繰り返していくだけになるので、お話のバランスが
全く取れていない結果、破綻や乖離を起こしている!

人類の命運を賭けた戦いが物凄くローカルな場所で
行われるって話自体は「ゴッド・アーミー」とか「レギオン」が
あって、逆を言えば本作ももっとふわふわした抽象的な
話に留めておくべきだったということにもなるだろうし、
スタイリッシュアクションの出来そのものはリュック・
ベッソンの力量がよく表れている、無駄に貶めるよりか
むしろ評価できる内容だと思うので、やっぱり彼の
脚本のアレさ加減がとりわけ目立ってる気がします…

「ゼロ・グラヴィティ」や「her」のように、近代社会に
おいて「人類の次のステップ」を意識した作品が多く
ハリウッドで見受けられるようになりましたが、その
過程の中で本作や「トランセンデンス」のような駄作の
烙印を捺されてしまう物も数多く世に輩出されてしまう
ところに、人類はまだ幼く、進化の入り口で足踏みを
しているのだという実感を覚えてしまうのでした。
いや、本作もトランセンデンスも、その「あと一歩」が
惜しい、いたずらにクソと貶めるだけなのも勿体ない、
妙な愛着が湧く作品なのも確かではあるんですが!
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くだらない理想論

新作レンタル「チョコレートドーナツ」を鑑賞しましたので、
本日はこの作品をレビューしたいと思います!

ゲイバーで働くルディは、隣人であるダウン症の少年・マルコが
母親からネグレクトされている上、彼女が麻薬で逮捕されたことで
施設へ入れられそうになっていることを不憫に思い、自宅へ匿う。
ルディは最近恋人になったばかりの地方検察官・ポールへ
助言を求め、親権を勝ち取るために奔走しているうち、
三人の間には本当の家族のような暖かい情が芽生えていく…
というのがおおまかなあらすじ。

同性愛者への偏見が根強い7~80年代を舞台に、
ゲイカップルが世間の荒波と真っ向から対立し
障害児の保護を訴えるヒューマン・ドラマの本作品。
妙なエネルギーやオーラをまとった生々しい内容は何故かと
思えば、当時実際にあった話から着想を得たそうで…

最初は捨て犬を拾うような同情から少年を拾ったゲイが、
しかし自らもまた世間から見れば捨て犬同然の存在で、
例え傷の舐め合いだとしてもやがては本物の愛情へと
変わっていく…という感情の移り変わりを描いていく過程で
浮き彫りになっていく本作のテーマが、「偏見」と「無関心」。

自分には到底受け入れられないという性癖の不一致から
生じる、同性愛者を不快だと思う感情や、神の悪戯で
たまたま満足に生きることができない障害者に対し、
どうなろうが知ったことではないという考えを持つ人々の
姿がやや露悪的にも描写されていくわけですが、では
我々が果たして彼らと重なる部分が全くないと言ったらそれは
恐らく嘘になるだろうし、或いは線引きをした場合、自らが
偏見や無関心に晒される側になる可能性もあるわけです。

一人一人の些細な悪意が折り重なり、やがては取り返しの
つかない重い結末が待っているという展開も確かに極端だと
言えば極端なのですが、「世界はこんなにも広いのに、
悩める人間の居場所を作ってあげられないのなら、人間
が住める場所など等しくこの世の何処にも存在しない」
というメッセージについては、強く受け止める必要があります。

本来は弱い人間の受け皿を作ってあげるため、社会という
システムを構築したのが人間自身であり、あれやこれやと
理屈をつけて逃げの姿勢を打つために利用するべきではなく、
かと言ってジェンダーフリーやバリアフリーを逆手に取って、
いたずらに権利を主張するのもまた違い、「人間が人間らしく
生きるためには」という「基本的人権」とは一体何なのかを
改めて考え直すのにうってつけの作品のように思います。

人として生きられないことを悲観する様をただ描くだけでなく、
自分だけでは足りない部分を、他人の力を借りて埋め合わせ
ようとする行為が、転じて相手の穴をも埋めることにもなり、
何よりも強固で堅牢な絆へと成長していくという教えや、
「ハンデがある方が強い」という逞しさまでキッチリ
見せてくれるので、素直に感動できる構成も実に良し。

こう言ってはなんですが、ハリウッドでよく見かけるような
花形スターで構成されていないキャストと、そんな彼らが
体当たりで迫真の演技を見せているのも作品に奇妙な
エネルギーを賦与するのに貢献していて、ゲイのシンガー・
ルディを演じるアラン・カミングの堂々たる態度もなかなかの
ものですが、ダウン症のマルコ役、アイザック・レイヴァの
一体どこまで演技なのかそれとも本当にある程度障害の
入ってる子引っ張ってきてるのかわかんない具合が
強烈なインパクトを叩き込んできて、名実共に本作の
真の主人公として八面六臂の活躍を見せているのは明白。
ほんといやらしくて下世話でクソみたいな検事や弁護士役の
ねっちりした演技も見所がありますが、こくじんアフロで
葉巻を咥えた正義の荒くれ弁護士がチョイ役のくせに
異様な強キャラ臭発散してるのもなんか吹かされます。

テーマや展開自体は多少月並みで、突き抜けた物がないと
切り捨ててしまうこともできるかもしれませんが、しかし我々が
普段意識してかしないでか敬遠しがちな、「心身の障害」という
テーマについて真摯かつ屈託のない態度で臨み、深く切り込んだ
本作はそれだけで評価できる部分も多く、他者を通じ自分自身と
向き合えるという意味でも、大いにオススメしたい良作でした。

Watch me.

新作レンタル「サード・パーソン」を鑑賞しましたので、
本日はこの作品のレビューをしたいと思います!

タイプが進まない老齢の作家、とある仕事で
イタリアへ滞在しているビジネスマン、息子を
殺害しかけた容疑で離婚を余儀なくされた女性。
男と女、或いは親子の愛を巡り、人と人の糸が
絡み合い、交錯し、様々なドラマを奏でていく…
というのがおおまかなあらすじ。

「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本や「クラッシュ」の
監督・脚本で知られるポール・ハギスの最新作は、
上記二作品でもわかる通り、彼の得意分野である
「贖罪」というテーマや群像劇要素をふんだんに
盛り込んだヒューマンドラマとなっています。

登場人物たちは時として他人の「世界」に干渉し、
それぞれに転機を作り出したりするのですが、基本的には
オムニバスのように独立した物語として展開していくため、
序盤はどう鑑賞しようかと多少戸惑いを覚えます。

しかし「愛」を原動力として動く登場人物とそれを
軸に回っていく物語、「白」「水」「窒息」「私を見て」と
いった、作中に散りばめられた様々なキーワードによって、
各ストーリーの真相と、タイトルである「サード・パーソン」とは
一体誰で、何を意味しているのかという過程が徐々に
暴かれていく様は、実に巧みに練られていて面白い!

ポール・ハギス監督は元々「傷ついてしまった自分の心から
流れ出る血を止めようと奔走する人々の姿」を描いた上で、
「しかしその願いは決して完全には叶わない」とでも形容
できそうな作風を持っていて、本作でも代償行動や、
自分自身や他人を「許す」ことにより、どうにかして心の
スキマを埋めようと努力する人間で溢れかえっています。
それらを通じて無償の愛やその衝動の素晴らしさ、または
許すという行為の優しさや強さを説く姿勢には感動を
覚えるし、素直に賞賛の声を惜しみなく投げたいと思うの
ですが、その一方では人物やストーリーに極力作為的な
部分を排し、想像の余地のある「含み」を持たせすぎた結果、
作品として抽象的で曖昧なふわふわした印象も結構あるし、
それに加えて本作の構造が持つ複雑なギミックも手伝って、
かなりとっつきにくい掴みどころのない映画になってしまった
という側面も、決して看過することはできません。

ポール・ハギス作品で個人的に一番好きな作品が
「クラッシュ」で、その中でも「透明マント」のエピソードが
最も気に入っている自分としては、本作でも「神の存在」が
確信できる「奇跡」、言い換えるのならば偶然の巻き起こした
「救い」が少しはあっても良いと思ったし、人間の世界で起こる
出来事を全て人間の行いとその感情だけで処理しようと
してしまうと、あまりに暗くて重すぎると思うのですよね…

なので、作品としてのギミックやテーマは面白いけれど、
要素や側面としてもう一歩踏み込んだ部分も欲しかったという、
評価できる・できないの場所がはっきり分かれた本作品。
ポール・ハギス好きならば「こう来たかぁ~!」って感じで
それなりに楽しめるところもあると思うんですけど、何の
予備知識も前情報もなしに観た場合「なんじゃこりゃ!」って
ダメ映画の烙印を押されてしまうこともあるんじゃないかな…

黒い奴が岸で踊る

遅ればせながら新年あけましておめでとうございます!
年が明けたら一番に観ようと思っていたのが、
今回ご紹介する「第七の封印」でございます!

ペストが蔓延し魔女狩りが横行する中世は、
さながら黙示録が実現したかのように荒廃していた。
従者を引き連れあてもなく彷徨う騎士はある時、
常に自分につきまとっていた黒い影、「死」
そのものの存在を幻視する…というあらすじ。

世界的にも評価の高い本作もようやくレンタルDVDとして
リリースされ、気軽に視聴できるようになったわけですが、
本作は巨匠と名高いスウェーデンの映画監督、
イングマール・ベルイマンが1957年に撮り上げた物で、
一人の悩める騎士が神々を相手に苦悩し、ある種の
闘いを繰り広げる奇妙な冒険譚が語られていきます。

映画史でも屈指の名シーンと言われる「死神とのチェス」に
始まり、主人公である騎士は常に死の影におびえ、
すがりつくべき神の姿を追い、そしてまた「自分にも何か
人生の中で成し遂げられることが一つはあるはずだ」と
漠然とした使命感に突き動かされ、放浪を繰り返します。
しかしこれは主人公だけではなく、作中のほぼ全ての
登場人物にもあてはまることで、疫病に発狂した人々は
時に狂信的に神へ赦しを請い、時に誰かを魔女に
仕立てあげ火炙りにかけ、さもなくば人生を投げ出した
かのように刹那の快楽に身を寄せて堕落していきます。

その一方で、絶望した世界の中にありながら、美しい妻と
可愛らしい一人息子と共に、楽器や野いちご、搾りたての
ミルクに囲まれ、ささやかな幸せを謳歌する夫のみが
「神の存在」に触れることができるという対比が非常に
興味深く、いたずらに神の影を追うことや、そのために
重い十字架を背負い自らを鞭打つ苦行は全くの無意味で、
「いついかなる時も人間らしく健全であること」のみが
神の国へ近づける唯一の道であるという教えは、
これこそが宇宙で最も尊い真理であるように思えます。

ついには己の真の使命に目覚めた騎士が、覚悟を
決めて「死」と対峙するクライマックスも、いみじくも
あがくことにより活路を見出すことのカッコ良さと共に
感動に満ちあふれているのですが、神の国へ近づく
一歩を踏み出しておきながらも結局は自分自身が
その存在を信じきれておらず、或いは世界の全ては
人間が勝手にこねた理屈だけで構築されていて、
真っ暗な宇宙の闇の中で蠢いているだけではないか
という、苦悩の余韻を残した意地悪なラストも良し。

どのようにして生きようが人は誰しも死の運命からは
逃れられないし、その「暗闇」の先にあるものは
案外明るく楽しいものだったりもするかもしれない
わけで、全ては気の持ちよう一つにあるというのが
本作の肝要であり救いのような気もするんですよね…
それに、死神や悪魔を視ることができるのに、どうして
神の存在を信じられず、その姿に触れたがるのかという
擬人化や偶像に対する皮肉が込められているのも
面白く、真に欲するものはなかなか現れないのに、
それを阻害するための誘惑はあまりにも多いという
構図を寓話的に表現する演出も非常によくできています。

中世を舞台にした、ファンタジックかつスタイリッシュな
世界観がビジュアル的にもまず楽しめるし、深淵な
テーマを味わうこともできるという、娯楽と哲学を見事に
両立させた、評判に聞いた通りのまごうかたなき名作でした!
新年の始めにこれを選んだのは大正解だったと思うし、
レンタルで手軽に観れる今だからこそオススメしたい!
プロフィール

マイケル・チバ

Author:マイケル・チバ
シルバーレイン
マイケル・チバ(b30277)
薬師寺・米(b41960)
を経て、
現在はエンドブレイカー!
マーヴィン・ジェント(c06527)
にて稼動中。

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