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俺が見えるか悪党ども!

新作レンタル、実写映画「ガッチャマン」を
鑑賞しましたので本日はこの作品のレビューをば。

21世紀初頭に現れた謎の侵略者「ギャラクター」へ
対抗できるのは、「G粒子」を扱うことのできる、
数百万人に一人と言われる「適合者」のみだった。
ギャラクターが全人類を滅ぼすために発動したという
最終作戦、コードネーム「ラスト・スーサイド」を
阻止するべく、適合者五人で結成された特殊部隊
「ガッチャマン」の出動号令がついに下された…
というのがおおまかなあらすじ。

タツノコアニメ作品「ガッチャマン」を実写化した
本作品、序盤の見せ所であるガッチャマン出動シーンは
あくまで「出来の良い特撮」というレベルではあるものの、
なかなか見応えのあるVFXアクションを展開させていて
視覚的に楽しませてくれます…が、スタッフ的にも
予算的にも多分そこで力尽きていて、その後は特撮の
悪しき習慣であるメロドラマが延々繰り広げられます。

ガッチャマンであるケンとジョー、そして候補生だった
故人・ナオミの三角関係を中心に相関図が展開されて
いくわけですが…「ある事件」をきっかけにジョーが
復讐者の側面を強めていくなら、彼はギャラクターへ
抱くのと同じくらいケンを憎んでなきゃ嘘じゃね?って
思うので、「よっ!相変わらずだなケン!」だなんて
フランクな挨拶交わしてる場合じゃないし、中盤で
明らかにされる衝撃の事実も「観客に十分予想できる
ベタベタな展開な割にそれに足りうるだけの説得力ある
伏線や心情を描けていない」せいで全く嬉しくも
面白くもないという残念な結果に落ち着いています。
まあ、でも、「こじれた痴話喧嘩で世界を滅ぼされたら
たまんねえよなあ…」という大いなる私情が絡んだ
ガッカリさ加減はある意味では面白いと言えなくもない。

ガッチャマンとギャラクターの間で揺れ動くジョー、
肉体労働担当で熱血漢のリュウ、頭脳労働担当の
マスコットジンペイの三人に対して、「任務遂行の
ために冷血なマシーンに徹するリーダー」を演じる
主人公のケンは明らかにジョーとキャラが被ってて、
そんな彼に恋をするヒロイン・ジュンも明らかに
三角関係競争に遅れを取って後についていくのが
必死なばかりに、常に主人公とヒロインが後手に
回って話から置いていかれるという残念なことに!
ていうか死んだナオミとケンは別に恋仲ではなかった
みたいな話を聞かされた時にジュンが「良かった~」
とかいう台詞を発するのは明らかに頭おかしいだろ!
この作品に出てくる女はキチガイしかいねーのか!

ここまで述べてきた通り、話の組み立てもキャラの
設定も台詞回し一つ一つ取っても本作の脚本はすごく
不味いことになってて、痛快アクションにしたいのか
メロドラマやりたいのかという現場のいがみ合いと
混乱がまるでこちらにも伝わってくるかのようです。

本作の評価として「劇場版ギャバンとどっこいどっこい」
みたいな話を以前耳にしていたのですが、確かにこれは
デビルマンほどクソでもない、特定の部分だけ切り取って
観れば楽しめないこともない駄目な映画でしたわ…
中盤突然レッドインパルスを登場させて顔見せ五分で
ギャラクターの基地を半壊させて十分経過時には
もう腹撃たれて自分の正体明かした後死亡してケンの
パワーアップイベントも兼ねるみたいな演出したら
もうちょっとだけ評価は上がったかもしれない。
まあ、そんなわけで、毒にも薬にもならない、いや、
ちょっと毒寄りかな、そんなよくあるいつもの別に
観なくても困らない漫画実写化系映画でしたとさ。
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ファックボンバーズイエー!

新作レンタル「地獄でなぜ悪い」を鑑賞
しましたので本日はこの作品のレビューをば!

敵対勢力と抗争中のヤクザ、武藤組長の妻・しずえは
ヒットマンを返り討ちにしたかどで10年の懲役を受ける。
二人の夢は娘のミツコを一流の女優にすることだったが、
映画の製作は遅々として進んでおらず、ついに彼女の
出所まであと十日というところに来てしまう。
妻との約束を果たすため、なんとしても映画を完成させ
なければならない組長は、ミツコが男性関係のトラブルで
たまたま巻き込んだ、何の関係もなく映画にも全くの
ド素人である橋本を監督に立て、そしてまた橋本も全くの
偶然でその存在を知ることになる、映画アーティスト
ワナビの平田に泣きつくことになるのだが…というあらすじ。

監督の園子温って誰だろう…と思ったら、01年に色んな
意味での衝撃作「自殺サークル」を撮った人だそうで、
その彼が今回手がけたのは、ヤクザが抗争するド真ん中で
映画製作に関わるという、非常に珍奇な舞台に立たされて
しまった冴えない男たちを描いたブラックコメディ。

これでもかと言うぐらい無駄に豪華な配役が揃っている
というのがまず本作の特徴で、主演の武藤組長には
國村隼、助演の池上組長には堤真一と、ガチなヤクザも
コメディリリーフもこなせる二人の男が見せる面白顔芸と
スタイリッシュKATANAアクションだけでまず一見の価値アリ。
映画ワナビの一人、アクションスター志望の男はどっかで
見た顔だな~と思ってたら、ムッキムキの身体で咆哮した
瞬間坂口拓とわかり大爆笑、この人は演技が上手いとか
そういうのとは別の次元でナチュラルに面白いからズルい。
そしてデビュー作「VERSUS」で見せたキレッキレの
アクションは未だに健在で、トラックスーツに身を包み
ブルースリーになりきってはいる彼ですが、どちらかと
言うと全盛期の倉田保昭を連想し、興奮させられます。
頭のネジが何本か外れてる極道の妻・しずえには友近、
土方のおじさんAには板尾創路と、とりあえずただそこに
いるだけで笑う奴をそこら中に置くのもやめろや!

序盤に撒かれていった伏線が終盤に綺麗にまとまり、
血煙が舞い上がり肉片が飛び散る狂気の大宴会が
繰り広げられるクライマックスは恐怖と笑いが混じった
奇妙な感情を誘発すると同時に、デウス・エクス・
マキナ的に起こる突然の大虐殺、「主人公だから死なない」
というヒロイズム、そして「これは映画である」という
多重構造からはアレハンドロ・ホドロフスキーのような
芸術性も垣間見え、配役に見合った濃いキャラクターに
よく調和が取れていることも含め、脚本の出来も良し。

ただ、豪華な配役陣による「出来る限りキャラクター性を
押し出したい」という方向性が仇になっている部分も
あって、テンポが重要なコメディというジャンルと
名優たちの長回しは食い合せが悪く、その編集のせいで
前半がとても冗長に感じられるのが非常に残念。
コメディに130分という長丁場はやっぱりどう考えても
尺を取り過ぎなので、ここは涙を飲んで切るとこ切って
100分以内に収めていればもっと名作になってたかも。

単純にアクションシーンだけで言えば丸々タランティーノ
リスペクトみたいな部分もあったりして、彼や三池映画の
テイストが濃厚、あと井口昇監督ほどエログロに特化している
わけでもなくサックリ観れるので、スプラッタコメディが
好きな人なら本作も観ておいて損はないんじゃないでしょうか。
「自殺サークル」も意味わからんことが面白かったけど、
それとは別に本作も真っ当に成長してる感じで面白かった。

もちろん良い意味でねー!

新作長編アニメ映画「アナと雪の女王」を鑑賞
してきましたので、本日はこの作品のレビューをば!

アレンデール王国の長女・エルサは氷を作り出す魔法を
生まれつき身につけていたが、ある時それが原因で
次女・アナを傷つけてしまい、彼女自身が誰よりも
その力を恐れ、軟禁同然に部屋へ引きこもってしまう。
数年後には海難事故により両親を失うという不幸が続き、
嫌々ながらも彼女は王位を引き継がなければならなかった。
そして戴冠式のパーティの最中、久しぶりに顔を合わせた
二人の姉妹は打ち解けたかに見えたが、些細な口論が
きっかけでエルサは力を暴走させてしまい、王国中を
極寒の地に変えて北の山へと逃げ去ってしまう。
王国の民を、そして彼女を救うため、アナはたった一人
エルサの後を追うこととなるのだが…というあらすじ。

海外における高い評価に違わず、今年のアカデミー
長編アニメ映画賞に輝いたディズニー発CGアニメの
本作は、まさしく「愛」というテーマに溢れた感動のドラマ。

「ラプンツェル」で狂気の描き込みを見せ、技術的にも
大きな躍進を見せたディズニー自慢のVFXは健在で、
髪の毛一本一本、そばかす一つ一つすらも丁寧に描画した
二人の美しい女王と王女、そして氷の結晶をモチーフに
展開される優美な魔法が、実に魅力的な視覚要素となって
観客へ襲いかかり、物語へとグイグイ引きこんでいきます。

生まれながらの魔法使いがいて、不幸な事故が立て続けに
起こり、ついに魔女と化したエルサは王国を捨てて一人
何処へと逃亡してしまう…ってな、普通のアニメなら
一時間くらいかけてじっくりねっぷりやるであろう起承転
までを、本作では体感三十分あるかないかで片付けてしまう
あまりにテンポの良すぎるスピーディな展開には吹かされ
ますが、だからと言って全然感動できないかと言ったら
最初からフルスロットルで展開される姉妹愛に思わず
ボロ泣きさせられちゃうし、それと同時に彼女たちが
置かれた世界観の全てを簡潔に説明してしまうのだから、
本当にディズニー映画って奴は底が見えなくて恐ろしい。

アナとエルサ、二人のディズニープリンセスによる
ダブルヒロインシステムが採用されていると言ってもいい
本作ですが、不幸を呼ぶ氷の魔法使いというエルサの
キャラクター性には特に最大限の注意が払われていて、
ともすればディズニーヴィランに悪堕ちしてしまいかねない
彼女が本来持ちあわせている創造力と慈愛を最大限に
発揮させた、逆境にめげるどころか孤独を愛する強さに
溢れたチャーミングな笑顔を嫌いになる人はいないはず!

一方では無骨な山男のクリストフと、異様な爽やかさに
溢れた貴族のハンスという二人の婿候補に挟まれ、
王国とエルサの救出とは別に色恋で悩まされることになる
主人公・アナの存在があるわけですが、結局どちらの
男を彼女は取るのか?もしくはクリストフはクリストフ、
ハンスはハンスでそれぞれ相手ができるのか?なんて
こちらがカップリング妄想をしている間に、最終的には
もっと近くて重要な「愛」の形が世界を救うことになる
という、観客への揺さぶり方と眩まし方が本当に上手くて
感心させられると同時に、例え子供向けディズニー映画
とは言え、ハリウッド原理主義や至上主義的な恋愛要素を
押しのけてこのオチに落ち着くというのは、実はとても
勇気のいる思い切った英断なのではないでしょうか。
その点一つ取っても大いに価値ある映画と言えます。

これまで低迷気味だったディズニー映画が「ラプンツェル」
「シュガーラッシュ」と積み重ねてきたところに、本作の
大ヒットでまさしくかつての栄華を取り戻したという印象
ですが、いずれも「王子様に頼らない、自立したデキる
プリンセススタイル」を確立したヒロインたちが顔を連ね、
男を引っ張る肉食的な強さを持った女子力こそ、昨今の
成功の秘訣であり作品を牽引している要因のように思え、
非常に頼もしい反面、オタク男子はもうちょっとしっかり
しないとなあと情けなく頭を垂れるのでした、トホホ。

女が強いんじゃない 男が弱いのだ

「真昼の用心棒」同様、最近になって突然
レンタルが開始された過去のマカロニウェスタン
「女ガンマン/皆殺しのメロディ」を鑑賞しましたので、
本日はこの作品のレビューをしたいと思います!

牧場で夫とささやかな暮らしを営んでいたハニーは、
突如現れた凶悪犯のクレメンズ三兄弟による理不尽な
暴力により、たった一晩で全てを奪われてしまう。
翌日、流れの賞金稼ぎ・トマスと出会った彼女は、
復讐のために殺しのテクニックを伝授してもらおうと
頑固な彼にせがむのだった…というあらすじ。

パツキンのグラマーなチャンネーという実に下卑た
表現がしっくりきてしまう、セックスアピールに
溢れすぎた女優、ラクエル・ウェルチが復讐の
女ガンマンに扮したマカロニウェスタンの本作品。

虚勢を張って生きるヘナチン野郎ばかりの世界で、
一人の女が力強く生存競争を勝ち抜く生き様を
描いていくわけですが、冒頭から登場する三悪人が
後に「ワイルドバンチ」で出演を果たすアーネスト・
ボーグナインとストローザー・マーティン、それに
「ウェスタン」のジャック・イーラムと、無闇矢鱈に
豪華な面子が揃っていることに吹かされてしまいます。

昨日は悪人、今日は賞金稼ぎとあまりに小気味良い
テンポで登場するのがロバート・カルプ演ずる
トマスで、研ぎ澄まされた老練の腕が冴え渡る
凄腕のガンマンでありながら、金髪美女に言い寄られ
「もしかしたら一発ヤらせてもらえるかもしれない」
なんて下半身思考でうっかり操られてしまうところに
大いに同情を覚えてしまい、彼もいいキャラしてます。

悪人がいて、肉親を殺されて、復讐の理由ができて、
師匠がいて、修行をして…という流れはそれこそ
6~80年代の全世界におけるスプロイテーション映画に
蔓延していたコッテコテのテーマに他ならないのですが、
渋いおじさまが金髪の美女に己の技術全てを叩き込む!
という絵面こそ本作における男の子の妄想、童貞臭さを
爆裂させていて、映画なんてこんなもんでいいんです!

今ひとつ凶悪になりきれない故に憎めないキャラに
なってしまっている三悪人や、溜めを作らないので
冗長になってしまっている展開等、脚本や編集的には
残念な部分も散見され、殆どキャストだけで持たせて
いるような作品なのですが、しかしそのキャストを観る
だけでも大いに価値のあるマカロニウェスタンでした!

将来の話をしよう

新作レンタル「サイド・エフェクト」を鑑賞
しましたので、本日はこの作品のレビューをば!

インサイダー取引が原因で4年の服役を終えた
マーティンを迎えた妻・エミリーには鬱の
傾向があり、自傷事故を引き起こしてしまう。
彼女の診察を担当することになった精神科医・
ジョンは彼女の意向もあって新薬”アブリクサ”の
投与を試みるが、その薬にはとある危険な
”副作用”が潜んでいた…というあらすじ。

スティーブン・ソダーバーグ監督が手がけた
本作は、現代社会にあっては必要不可欠な
精神病とその処方薬にまつわるスリラー映画。

「トラフィック」では麻薬汚染、「インフォーマント!」
では企業犯罪、「コンテイジョン」ではアウトブレイクと
様々な社会問題をテーマに扱ってきた彼とあって、
現代における病理的な社会構造の中における、一人の
人間に一体何処までの責任を負わせるべきなのか、或いは
薬物でそれらを何処まで補助・緩和するべきなのかという
危ういバランスに成り立つ綱渡りを描いていきます。

人間が悪いのか?薬物が悪いのか?社会が悪いのか?
それらの結論と着陸点を一体どうするのかとこちらが
身構えていると、中盤に訪れる突然の衝撃的展開が
ターニングポイントとなって、物語は色を変え大企業をも
巻き込んだ陰謀論へと発展していくのがまた面白い!

何の後ろ盾も持たない男がたった一人、ドス黒いヘドロに
腕を突っ込もうとする様は、ロマン・ポランスキーの
佳作「ゴースト・ライター」を連想させますが、本作では
それに加え、精神科医とその患者の物語という構造のため、
「深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いているのだ」
とでも言うべき要素も持ち合わせ、果たして誰の言い分が
正しく、誰が妄言を垂れ流しているのか最後までわからない
という、手に汗握る激しい攻防が繰り広げられます。

最終的には、蓋を開けてみれば実は社会派ドラマの皮を
被った、どちらかと言えば「オーシャンズ」シリーズや
「エージェント・マロリー」のようなエンタメ映画と
なっていて、胸がすくようなリベンジも含め、これこそ
ソダーバーグという監督が本来得意とする分野と、彼の
やりたいことがそれぞれ融合した集大成ではないでしょうか。

前半と後半の方向転換や裏のかき方は、作品として
あまり真っ当ではないかもしれないし、監督に一体
どんな作品を求めるかという観客の姿勢からも、大きく
好き嫌いが分かれそうな作品ではありますが、近年の
「コンテイジョン」同様、深刻な問題に対して皮肉と
冷笑を込め奇妙な軽いノリでサクッと描く作風が
個人的にはすごく合っていて、彼の最高傑作だとか
映画史に残る名作だとかそういう話ではなくとも、
そうそう映画ってのはこれでいいんだと楽しめました。

やあ 紳士!

何故か最近になって「真昼の用心棒」のレンタルが
開始されたことを知り鑑賞しましたので、本日は
この作品のレビューを行いたいと思います!

金鉱夫のトムは旧知の友人の手紙を受け、故郷
ララミーへと帰還するが、そこは悪徳領主スコットが
支配する荒れ果てた土地へと変貌していた。
トムの兄・ジェフもまた、両親から受け継いだ土地を
彼らに奪われて以来すっかり酒浸りになっており、
トムはたった一人、事態の解明をしようと奔走
するのだが…というのがおおまかなあらすじ。

「イタリアン・ホラーの奇才」として知られる
ルチオ・フルチが66年に製作した異色のマカロニ・
ウェスタンが本作品で、そう言えば実は私が
フルチ映画観るのってこれがはじめてかもしれない…

主演は同じく66年作「続・荒野の用心棒」において
「ジャンゴ」というマカロニにおける一人の英雄像を
創り上げたフランコ・ネロ…なのですが、基本
隙だらけで無頼漢と言えるほど腕っ節が強いわけでも
ないトムより、そんな彼をなんだかんだでフォローする
ツンデレで弟想いな凄腕のアル中ガンマン・ジェフの方が
明らかにカッコイイキャラの立て方してるのがあかん!
捨て鉢になっていた男が覚醒し、主人公の頼れる相棒として
活躍するという、「OK牧場の決斗」や「リオ・ブラボー」と
いった名作バディもの西部劇を意識しているのはわかる。

で、展開はというと、トムが故郷に戻ってから領主を
探してあっちをウロウロ、昔の友人を訪ねてこっちを
ウロウロと、彼がなんだか何をしたいのかよくわからない
うちに周りの人が突発的にボコボコ死ぬってな感じで、
全くタメを作らないくせに衝撃の展開を挟むもんだから、
要所要所はショッキングでドラマチックなはずなのに
全編通して全然緊張感の欠片もなくてかったるいという、
ある意味ではすごい編集センスが大爆発しています。

フルチ作品はストーリー破綻に定評があるとはよく
聞き及びますが、本作もご多分に漏れず、特に伏線もなく
終盤で突然明かされる衝撃の事実から畳み掛けるように
「誰が殺したの?」「なんで殺したの?」ってな展開を
重ねるだけ重ねなし崩し的に壮絶なガンファイトに突入。
一応ラストに辿り着くまでには「大勢の人間の恨みを
背負った復讐劇」というテンプレ自体は打ち立てられて
いるので、なんとなく「面白い作品を観せられている」
という錯覚に陥るのもいよいよヤバい…のですが、
最後は銃撃戦には程遠い醜い鬼ごっことプロレスを
経た末にあっけなく「fine」してしまうのでポカーン。

マカロニ基準のネタとして観れば確かに面白くて、
でもそれって「サルタナ」とか「サバタ」とか
「情け無用のジャンゴ」に類する、相当煮詰まって
何がしたいのかよくわからなくなってる脚本を
なんとなくなノリで転がす内容ということでもあるので、
マカロニ好きって人だけ観れば十分って感じ。
こんな作品マカロニ好き以外まず手に取らないって?
じゃあ何も問題ないってことじゃん!

ゲロゲリ棒

新作映画「キック・アス/ジャスティス・フォーエバー」を
鑑賞してきましたので、本日はこの作品のレビューをば!

”キック・アス”旋風によりタイツヒーローブームを
作り出した当のデイヴは、騒動に懲りて一線から身を
引いていたが、かつての刺激が忘れられず未だ自警
活動を続ける”ヒットガール”へチームアップを持ちかける。
しかし、死亡した”ビッグダディ”の元同僚であり、現在は
彼女の養父となっているマーカスの根強い説得から、
ヒットガールは「普通の女の子」へと引退してしまう。
一人では心許ないキックアスは、”大佐”率いる
ヒーローチーム”ジャスティス・フォーエバー”へと
加入するが、一方キックアスに父親を殺されたことを
逆恨みするダミーコ一家の跡取り、元”レッドミスト”
クリスは、黒いレザータイツに身を包んだ自らを
”マザーファッカー”と名乗り、金とコネを駆使して
犯罪者を雇い入れ、スーパーヴィラン軍団を結成する。
「彼の愛する者全てとキックアスを殺す」を目標に
掲げ、マザーファッカーは復讐のための犯罪行為を
重ねるのだった…というのがおおまかなあらすじ。

マーベルのアメコミ作品である、「シビルウォー」や
「アルティメッツ」といった、一風変わった特異な舞台や
設定に基いてヒーローを描くことで知られるマーク・ミラーが
原作の、「超能力者が存在しない現代でただの高校生が
ある日突然マスクを被ってヒーロー活動を始めたら」という
きっかけから始まる、シニカルでシビアなドタバタ活劇を
描いた「キック・アス」の続編にあたるのが本作品。

本作は「それぞれのキャラクターに第二のオリジンを与える
ためのストーリー」と言ってもよく、ヒーローへの憧れと
単なる気まぐれ、そして青春期の奇行に過ぎなかった
”キック・アス”という存在に対し、デイヴが様々な現実的
問題と直面することにより、彼が苦悩の末に再びタイツを
着て戦わなければならない理由が加味されていきます。
”ヒットガール”もまた、二人の「父親」に板挟みにされ、
「殺人も辞さない自警ヒーロー」と「普通の女の子」
どちらが正しく、そして本当の自分はどちらなのかと
自問自答を繰り返す深みにはまり、その姿はさながら
かよわい人間クラーク・ケントを演じるスーパーマンか、
タイツへの執着が捨てられないピーター・パーカーが如く。
そして父親の死を含む、自分の不幸の全てをキックアスに
転嫁することで逃避するクリスも、復讐という森の中で
世界の悪意に揉まれ、のたうつことによって更に内なる
心の闇を増幅させて行く皮肉は、虚しさと哀しさを湛えて
いると同時に、薄ら寒い奇妙な笑いにも満ち満ちています。

かつて「シビルウォー」の「自警ヒーロー禁止令」が
「ウォッチメン」的と揶揄されていたように、本作でも
苛烈化していくヒーローとヴィランの抗争が、やがて
善悪関係なくタイツを着る者全てに法的な拘束力となって
及んでいく展開へと、ある意味必然的に流れていくことに
なるわけですが、ここから通常の「犯罪」の枠組みを離れ、
「タイツを着た者たちのみに許された殺し合いの世界」へと
独り歩きしていく様を提示して見せたのはお見事。
前作のラストでレッドミストが「Wait till they get a
load of me(俺が注目を浴びるまで待ってな!)」と
バットマンの宿敵・ジョーカーの台詞を吐いたことを
本作で体現するかのように、ヒーローが現れたから
ヴィランも登場したんだという二律背反を、奇妙な
リアリティと共に描けているのではないでしょうか。

身も蓋もない数々の下ネタや、あまりにも簡単に
ボコボコ人が死んでいく過激なバイオレンスが輪を
かけている上、チーム”ジャスティス・フォーエバー”を
率いる謎の男”大佐”や、ヒットガールと同じく他人
とは世界観が一線を画する強さを見せつけるロシウー
(ロシアのゴリラウーマン)等々、あまりに濃すぎる
新キャラの登場で視覚だけでも十分楽しめるのですが、
何よりも17歳になった(作中設定は15歳)美少女、
クロエ・グレース・モレッツが、ヒーローとただの
女の子を使い分ける姿が超キュートでたまらない!
強さと弱さ、大人と子供の間に揺れるティーンの
姿にクラッと来ないオタク男子なんていません!
筋骨隆々に鍛え上げられたデイヴの姿に「男」を
垣間見てしまい、一瞬ハッとするヒットガールいい…

救われなさという点も含め、本作の空気はどちらかと
言うとコミック版に近くなっているので、前作に比べ
好みは大きく分かれそうですが、コミック派だった
自分は遥かに期待以上の物を得ることができました!
このまま更に「3」まで本当に登場しちゃったらもっと
悲惨なことになる未来しか見えないけど、でも、
二人の終わりなき闘争の結末も見届けてみたい…!
プロフィール

マイケル・チバ

Author:マイケル・チバ
シルバーレイン
マイケル・チバ(b30277)
薬師寺・米(b41960)
を経て、
現在はエンドブレイカー!
マーヴィン・ジェント(c06527)
にて稼動中。

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