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この結果を誰が予測できたかしら?(ドヤァ

「スターシップトゥルーパーズ」や「セレニティ」に
並んで割としょうもないSF映画があると聞いて観たのが、
本日ご紹介する作品「リディック」でございます。

脱獄の名手の殺人犯としてその名を馳せ、全宇宙の
人々から恐れられている男・リディックは、ただ一人
辺境の極寒の惑星で賞金稼ぎから逃亡の日々を送っていた。
皮肉にも、その彼を捕らえようとしていた男とは、彼と共に
五年前、死の惑星から脱出するため力を合わせた仲間・イマム。
リディックはイマムの元に辿り着き、その理由を問いただすと、
彼は全宇宙の支配を目論む暗黒の軍勢「ネクロモンガー」の
存在を語り、その脅威を阻止できるのはリディックだけだと諭す。
我関せずという態度を決め込むリディックだったが、しかし彼の
出生にも関わる運命は彼を戦いの渦中へと巻き込んで行く…
というのがおおまかなあらすじ。

2000年の作品「ピッチ・ブラック」から4年後、正式な
続編として製作されたのが本作で、二作品通して主人公・
リディックを演じるのはアクション俳優ヴィン・ディーゼル。

前作においては「スターシップトゥルーパーズ」や
「トレマーズ」等の影響を色濃く感じる、どちらかと言うと
パニックホラー寄りの低予算SF作品で、高い知能と身体能力を
誇る脱獄のプロ・リディックというアンチヒーローが如何に
困難へ立ち向かうのかというところに主眼を置いていたのですが、
本作は原題「The Chronicles of Riddick(リディックの歴史)」が
指し示す通り、彼のオリジンまで含めた壮大なスペース・オペラが
ポストモダンチックな背景を舞台に描写されていきます。

一番最初にナレーションで「こういう悪の軍団がいるんですよー」
って物凄いぶっちゃけた有無を言わさない演出に吹いて、
そこから矢継ぎ早に前作とは打って変わって全宇宙の危機という
途方も無いスケール感を次から次にこれでもかと押し出してくる
もんだから、オープニングの時点で二度吹かされると同時に
「おいおい本当にこれで大丈夫かよ」と「観客が本当に観たかった
『リディックの姿』」が拝めるのかと不安を抱かされます。

ところがね、監督・脚本が前作と共通ということが功を奏して、
普通続編モノというと「コレジャナイ」ぞんざいな扱いをされがちな
前作生存者がものすごく丁寧な扱いを受けていて、前作の設定を
引き継ぎ、そこから更に発展させることによって、作品とキャラの
世界観を広げると同時に、前作とは違う作品の土壌や雰囲気に
対する違和感はキャラへの親しみと共にどんどん薄れていきます。

全宇宙の危機とは謳っておきながらも、実は本作一番の見所で
面白い場所、そして監督自身が最も得意とするパートは
「極限状態にある監獄からの脱出」というソリッドシチュエーション
描写であり、リディック本来の「脱獄犯設定」が遺憾なく発揮
されると同時に、前作もう一人の生存者・ジャックとのあまりに
激しすぎる友情、それからこれも監督お得意の「群像劇的に
その辺のキャラ拾ってその場その場でいい話をさせたりする」
といういい加減さで観客を上下に揺さぶり、このあたりは
本当わけのわからない感動に震えさせられたりします。

今回最強の敵として立ちはだかる不死の暗黒軍団も実は蓋を
開けてみればへっぽこ揃いなことに吹かされるのですが、
一番キャラが立つように仕向け、そして実際立っているのが
後に「RED」でも中間管理職という立場に苦しむことになる
カール・アーバン演じる司令官・ヴァーコで、このロン・
パールマンやジョシュ・ブローリンほどではないにせよ
いかついゴリラ顔が奥さんの尻に敷かれ、渋々ネクロモンガー
将軍の座を狙う情けない姿が悲喜劇を醸しだしてくれます。
カールは「ジャッジ・ドレッド」の主役にも抜擢されたし、
本当ろくでもない作品におけるいい役者というポジションを
確立しつつありますね、本人には決して良いことじゃないかも
しれないけどこの路線を是非突っ走っていただきたい!

そして部下が部下なら上司も上司、暗黒軍団を従える
マーシャル将軍もなんか今ひとつ頼りなくて、クライマックスの
「作中最強人物設定だし実際にめっちゃ強いには強いんだけど
観客の目からしてもリディックを倒せそうな気がしない」という
ラストバトルの乾いた笑いと変な盛り上がりぶりから作品の
ボルテージもまさにマックス!…なのですが、なのですけどね、
色々燃え尽きてしまったのか、はたまた監督が「リディック」
というキャラに酔ってしまったのかは定かでないのですが、
「え、これで終わっちゃうの!?」というあんまりオチてない
オチが画竜点睛を欠くガッカリっぷりで、こればかりは残念!
彼のオリジンが彼の異能生存体っぷりの説明になってて、
そしてそれにケリをつけたってとこまではいいと思うんですけど、
やっぱりスペオペの主人公なら「宇宙をさすらう一匹狼」に
戻ってくれないと嘘だよねーって思っちゃうんですよね。

で、特になんとなしに二作通して観たわけですが、実は
本国アメリカじゃ今年2013年に更に続編「Riddick」が
公開されていたってんだから、このラストから次回は
どう奇想天外な話に繋げてくるのか期待するしかねえ!
というかね、上述のヴァーコがカール・アーバンそのままに
続投してるって記述をwikiで見ちゃったもんだから、
私は腹抱えて笑ってしまいましたよ、出てきちゃうんだ!?
まあ、ほんと、その、一番最初に書いた通り、「スターシップ
トゥルーパーズ」「セレニティ」に並ぶ、割とどうしようもない
スペオペ大好きな人には「ピッチブラック」「リディック」
二本合わせてオススメしたいです、タイミング的にもそのうち
日本にやってくるだろう三作目の下準備にもなるしね!
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時間の破壊者めぇ!

in time
(1) 〔…に〕ちょうどよい時に, 間に合って
(2) 早晩, やがて(は)
(3) 〔…と〕調子が合って[を合わせて]

SF映画「TIME/タイム」を鑑賞しましたので
本日はこの作品をレビューしたいと思います!

遺伝子工学が高度に発達し、人類は25歳で老化を止める。
人間の一生が政府の管理下に置かれ、一分一秒という
時間そのものが通貨となった未来の世界では、富裕層が
100年1000年という不老不死に近い寿命を独占する一方、
貧困層は明日の一日を生きるため今日一日の寿命を
費やすという不毛なサイクルを毎日強いられていた。
母親と二人、スラムで身を寄せあって生きてきた
ウィルはある日、ギャングに狙われていた大富豪を
気まぐれから助けた結果、一世紀以上もの寿命を託される。
彼の打ち明けた、無限に生きることの虚しさ、時間を
管理する政府と大企業のブラックな実態、何よりも
「私の時間を無駄にするなよ」という遺言に突き動かされ、
ウィルは富裕層の住まう都市へと足を踏み入れるのだった…
というのがおおまかなあらすじ。

なーんか映像の質感がめっちゃ似てるなあ…と思ったら
案の定「ガタカ」がデビュー作であるアンドリュー・
ニコル監督の最新作である本作は、これまた科学が発達した
未来のディストピアで、「持たざる者」でありながらも
その心に「正義」を宿した青年のあがきを描いたSFスリラー。

「人間の腕にデジタル寿命計がついていて、それが0に
なると無条件に死ぬ」という破天荒な設定を下敷きに
独特な世界観を展開させていくのですが、この到底
ありえないような「if」の世界をありったけの想像力で
描いているのが大変魅力的で、貧困層が常に腕の
デジタル計を気にしては走り回る傍ら、富裕層は
「時間を無駄にすること」こそが最新の、何よりの
贅沢であり、何をするにも動作がゆっくりであることが
上流社会の人間の上品な嗜みとなっているわけです。
これが「硬い物を食べなくなって顎が退化したと
言われる現代人」と「野生に生きる原始人」のような
ギャップを生み出し、スラムでは何処にでもいる
ありふれた青年・ウィルが、まるで火星に降り立った
軍人の如き能力を発揮するという展開に繋がって
いくのも、話に無駄がなくて実に面白い。

やがてウィルはお互いに運命の出会いを感じる女性・
シルヴィアと、成り行きから駆け落ち気味にスラムへ
逃げこむハメになり、「俺たちに明日はない」の
如き急転直下のアメリカン・ニューシネマな展開へと
発展していくわけですが、「寿命=金」という構図が
登場人物の動機をより明確にしていると同時に、
金融市場の破壊者となって義賊の真似事まで始めて
しまう彼らの痛快なストーリーも大変気持ちいい。

彼らが破壊者であるとするのならば、当然出てくるのが
政府直属である「時間保安局(タイムキーパー)」の
存在で、「己の寿命よりも世界の時間を正しく管理する
ことに命を賭ける」という、主人公とはまた違った
自分の正義に燃える男・レオンがなかなかの曲者。
というのも、彼を演じるのが「バットマン」や
「レッドライト」等で人気急上昇中のクレイジー
サイコ顔俳優、キリアン・マーフィーであり、
「25歳の青年の姿を持ちながらも数十年の責務に耐え
老練な雰囲気を湛えた人物」という難しい役どころを
好演、彼の存在が本作に迫真の緊張感をもたらすのに
大きな役目を果たしているのは明らか。

作品はひとまずのハッピーエンドで幕を閉じますが、
アインシュタインの相対性理論によって「時の
流れが一定ではない」と証明されている以上は
このシステムにもいずれ欠陥が証明され、それこそ
また違った市場の破綻が見える時が来るかもしれない…
なんて想像を掻き立てる、右脳を刺激してくれる作品では
あるのですが、一方では「寿命を手に入れるために
奔走する」という姿勢がお上品過ぎるように思え、
生き死にがかかっているなら貧困層は遥かに過激な暴動を
起こすべきだろうし、犯罪ももっと悪質にアングラ化している
だろうとも思えるわけで、更に言えば我々悲観主義で
ハラキリ体質な日本人の場合、ほんの僅かな無為の寿命を
与えられるぐらいならとっとと死ぬことを選ぶだろうな…
なんてことまで考えてしまう余地まで出てきたりします。
そんなわけで、本作の舞台はリアリティとは切り離して
寓話的な物として受け取るに留めておくべきでしょう。
まあデジタル時計で寿命が丸わかりなんて世界は
息が詰まって常人なら速攻で自殺したくなりますよ。

というわけで、「ファンタジー」として楽しむなら
アクションありドラマありでエンタメに溢れた一本。
それを思えば主演がジャスティン・ティンバーレイク
という色気の使い方もアリなのかもしれないとは思った。

前立腺を信じろ

新作ソフト「コズモポリス」を鑑賞しましたので
本日はこの作品のレビューをしたいと思います!

一代で莫大な富を築いた若き資本家・エリックの長く、
そして短い一日を描いた本作品は、映像から漂う独特な
質感で知られる、奇才デビッド・クローネンバーグ監督
最新作で、その粘着質な雰囲気は本作でも健在。

近未来を舞台としていながらも、どこかレトロを
感じさせるデバイスに囲まれたリムジンの内部を
中心として、主人公・エリックは様々な人物と
市場経済についての議論を交わし、時には入れ替わる
ようにして複数の女性とカーセックスに興じるも、
それでもなお資産管理は頭から離れることがない。

最早10億分の1秒単位で情勢が管理されつつあり、
あまりにも目まぐるしく事情が変化する世界の中に
放り込まれた人間がふと立ち止まった時、誰しも
「我々は何処へ行くのか」ということを考えてしまい、
そして「自分たちは何も知らされていないのかも
しれない」という疑問を持ち、最終的には「一日が
終わった時自分のリムジンが何処に置かれているのか
すら知らない」という事実を理解させられることに。

これこそ人間が抱え、怯える根源的な恐怖であり、
だからこそ人々は真実から目を背けるようにして、
ああだこうだと物事に小難しい理屈を並べ、同時に
誰一人としてそれを理解しているわけでもなく、また
扱いきれているわけでもなく、そうして結局「全ては
無意味である」という事実から逃げることはできない。

クローネンバーグという監督は、人間が本来備えている
セックスとバイオレンスに対し、文明的に生きようと
あがけばあがくほど、剥離した二面性はお互いその側面を
より強めていく、という皮肉の悲喜劇を作品根底の
テーマにしていると個人的には解釈していますが、前作
「危険なメソッド」同様、セックスそのものにすら何か
意味を見出そうとする人々の姿からは、滑稽で乾いた笑いが
浮かんでくる以上に悲哀な姿を湛えていて、悲劇主義
としての趣きを強めつつあるようにも感じられます。

終盤、思わぬ斜陽を拝むハメになるエリックは自制心を
失い、半ば自暴自棄に貧民窟へ足を踏み込むことに
なりますが、豪奢な高級施設から一転して「暴力の臭い
漂う掃き溜め」に迷い込むことで、彼が今まで見せた
ことのなかった生き生きとした怪しげな笑顔を浮かべる
その瞬間こそ、「人類が根源的に秘めている暴力性」の象徴
であり、この印象的なカットこそ本作でクローネンバーグの
最も描きたかったものであると思えると同時に、その意味
では成功していて、このシーンを観るだけで本作を
手にとった価値があったような気になるというもの。

クライマックスでは、少なくとも成功した若者と、
何者にもなれなかった中年との対決、そしてお互いが
持たざるものになったことでの邂逅が描かれますが、
これも結局は二人が「ああだこうだと理屈を並べて
納得しようとしている」だけに過ぎず、うっかり騙され
そうにはなりますが、そこに意味があるかはやはり誰にも
わからず、ラストの解釈も観客に全てが委ねられます。
私から言えることは、リムジンにこさえられた窮屈な
小便器よりは、アパートの床にただ穴を開けただけで
便所だと言い張られた方が、我々にとってはまだ
親しみが持て、説得力があるような気がする、ただ
それだけの違いでしかないということだけです。

話はキャストに移り、主人公のエリック役には
「トワイライト」シリーズを通し、お耽美な
ヴァンパイアを演じているらしいロバート・
パティンソンで、何処か浮世離れしたキャラを
演じさせるにはかなり手堅い配役だと言えます。
しかし個人的に着目したのは彼の警備主任を務める
トーヴァル役、ケヴィン・デュランドで、「あーこの
おっちゃんどっかで観たことある!誰だっけなー
誰だっけなー!」と思ってwiki調べた時になって
やっと「レギオン」のガブリエルや「リアルスティール」の
芋いカウボーイのおっさんだったことがわかり、
「ああそういえばそうだった!」という「妙に存在感ある
くせに具体的には何処にいたのか思い出せない役者」を
常に画面の隅に置いておく一方、終盤に登場する
クソコテ中年役はエンドロールでポール・ジアマッティ
だったことが判明し驚愕するという、彼の「すごい名優
なのにたまに最後まで何処にいたのかわからないことがある」
ステルス能力が発揮されていたりと、主人公とは相反して
「割とどこにでもいそう」なフラットな面子を揃えたことが
作品にリアリティを賦与しており、このキャスティングの
妙味が本作の評価を大きく押し上げるものとなっているはず。

まあ、その、クローネンバーグのいつもの地味~で
なおかつ難解~な作品なので、万人にオススメできる
わけではないんですが、本作も個人的にはかなり好き。
というか、本作がどうこうってんじゃなくて、監督の
醸し出す雰囲気とか波長が自分に合ってるんだな、これは。

…グルーヴィー(イカスぜ)!

2013年リメイク版「死霊のはらわた」が
レンタル開始されましたので鑑賞しました!
本日はこの作品のレビューをしたいと思いまーす。

麻薬中毒に苦しむミアの薬を断つため、治療の一環
として彼女の友人や兄が山奥の古びた別荘へと集う。
激しい禁断症状を起こす彼女に周囲が悩まされる傍ら、
一向は地下で怪しげな何かの儀式が行われていたことを
知ると同時に、厳重に封印された一冊の書物を発見する。
友人の一人・エリックは好奇心からそれを紐解き、
解読を続けるうちに、彼方から邪悪な何者かを呼び
起こしてしまい…というのがおおまかなあらすじ。

奇才サム・ライミのデビュー作にして、その軽快な
テンポと共に展開される過剰なスプラッタ表現により、
単純に「ホラー」というジャンルでは切り捨てられない
おぞましい何かな世界観を見せた「死霊のはらわた」。
その名作を同名で現在に蘇らせたのが本作で、色々と
原典にリスペクトを払いつつも、ただの焼き直しでない
差異を図ろうという態度は感じ取ることができます。

しかしそれらのフィーチャーが観客にとって果たして
快く受け入れられるかどうか、そしてまた「蛇足」や
「逃げ」と受け止められかねないかもしれないというのが、
本作に限らずリメイク作については常につきまとう問題でして、
まず「死霊のはらわた」において外すことはできないキーアイテム
「ネクロノミコン」の詳細設定や、今回悪霊のえじきとなる
五人の男女に様々な過去や人間関係といった味付けの必要は
果たしてあったのだろうかということが、疑問第一号。

「謎の呪文を封じたカセットをうっかり再生してしまったら
なんだかよくわからないけど死霊が湧いてきてなんだかよく
わからないままに男女が殺されていく」という、「わけの
わからなさ」が「死霊のはらわた」という作品のテンポの
良さに貢献していたわけで、前半で延々説明を加えていくのは
ちょっとダレる原因になると同時に、序盤はヤク中でひたすら
友人の足を引っ張ることしかしないヒロインのミアと、
やらなきゃいいのに興味本位でネクロノミコンを解読して
おきながら「おいおいなんだよ最悪だなこの状況は」と
素知らぬ顔をするエリック、この二人のキーマンが尽く
クズすぎて全く感情移入できないのがしんどい!

普通なら「あーこいつら早く死なねーかな」とかいう
ヘイトを稼ぎそうなもんですが、残りの三人が
うじうじした優柔不断な兄、特に役に立たない傍観者の
金髪、ちょっとヒス持ちの看護婦というこれまた
どうにもパッとしない面子なもんだから、全体的に
ダウナーな雰囲気で息苦しさの方が勝ってしまう。

一応、後半戦でダメ兄貴が「俺はやるぜ俺はやるぜ」って
言っておきながら「…ダメだー!やっぱ俺にはできないー!」
というコントを繰り返して、それに追い打ちをかけるように
悪霊が兄貴のダメな過去を掘り返して精神攻撃を仕掛けて
くるという面白さはあるので、伏線として設定を撒いた意味は
成しているしその意図も汲めるのですが、犠牲も大きかった。

「わけのわからなさ」をギャグからスプラッタ方面に
よりシフトさせて、「痛そう」だったり「気持ち悪い」
だったりする生理的嫌悪に持っていこうという意図も実に
わかるんですけど、最終的には結局ギャグなのかそうじゃ
ないのかよくわからない方向へ突っ走ってしまう展開が
待っているので、なんかどっちつかずなんですよねー。
ヤマ場の「感動のシーンと言っていいのかちょっとわからない
蘇生方法」なんかは観ているこっちもほんとどういう顔
していいかわからない面白さがあるので、すごく惜しい。
扱いに困ったであろうことが容易に想像できる、キャプテン
スーパーマーケットこと「アッシュ」も、勿体無い使い方する
ぐらいならいっそ本編に出してしまうというヤケクソっぷりが
欲しかったかもしれないし、そういう展開があっても良かった。
そう、結局のとこ本作に足りないのは「ヤケクソっぷり」で、
なんかキッチリ小奇麗にまとまっちゃってる印象を受けます。

ただ、そういう中でヒロインのミア役、ジェーン・レヴィが
ヤク中のクズから死霊に取り憑かれ、最終的にはヒロインに
戻ってくるという顔の使い分けを体当たりで演じているのには
好感を覚えるし、これに関して言えば元の作品になかった
オリジナリティを打ち出せていて、素直に評価できるポイント。
んまあ、オチが結局「女版アッシュ」になってしまうので、
そこでもやっぱり突き抜けられなかった部分はあります。

やろうとしていることはすごくわかるし、作品として
一定の面白さも確かにあるんだけど、でもこれなら
やっぱり元の三部作に手をつけておくだけで十分で、
わざわざこれを観る必要まではないなという、
リメイクに陥りがちなよくある作品の一つでしたとさ。

ビデオトッテンジャネッゾコラー!ヤッコラー!

「エリジウム」と一緒に観てきたのが本日
レビューする「ウルヴァリン:SAMURAI」です。

ウルヴァリンことローガンは片想いの相手である
ジーン・グレイを喪失したその日以来、彼女の幻影に
悩まされ続け、あてもなく彷徨う旅を続けていた。
ある時、彼はユキオと名乗る剣豪の女性から「矢志田様が
危篤状態にあるので一目会って欲しい」と言付けされる。
第二次大戦当時、旧日本兵だった矢志田市郎は捕虜に
囚えていたローガンに庇われ長崎の核爆撃を逃れた
過去があり、戦後の日本を土台に莫大な富を築いていたが、
ヒーリングファクター(超治癒能力)を持ち不老不死に
近い若さを保ち続けられるウルヴァリンとは違い、
今の彼は老いと共にその寿命を終えようとしていた。
半世紀以上を経てローガンと対面を果たした市郎は、
「その呪われた不死の能力を取り払い、お前の生を
意味あるものに変えてやろう」と告げる…というあらすじ。

アメコミ「X-メン」の中でもとりわけ人気が高く、
日本でもその名が広く知られていると思われるキャラ
「ウルヴァリン」のスピンオフ映画第二弾の本作品。

元々は日本かぶれのフランク・ミラーがウルヴァリンにも
サムライ属性を賦与したらしいですが、彼のキャラ性に
深く関わる重要エピソードなだけに、原作に対する配慮が
にわかアメコミファンな自分にも感じることができました。

samurai01.jpg
原作でドクター・ストレンジの「本心が露になる
魔法」をかけられることで「サムライになりたい
自分」が映し出されたウルヴァリンの図。

samurai02.jpg
アメコミにおいて「ローニンとは主人を持たない
サムライである」という台詞は最早常套句?
ちなみに画像の通りローニンという名前のマスク
ヒーローも登場し、初代は元キングピンお抱えの
暗殺者にして今はアベンジャーズの一員マヤ・ロペス。
シビルウォーが結果としてキャップを失う原因となり、
アメリカ政府に失望したクリント・バートンが
ホークアイの名を捨て二代目を継ぐことに。
今後の展開によっては映画「アベンジャーズ」にも
ローニンが登場することがあるかもしれない!

jean01.jpg
jean02.jpg
本作でうざったいぐらい悪夢や幻影として登場する
ジーン・グレイも、実は非常に原作に忠実なので吹く。

しかし、ウルヴァリン個人はともかく、こと「シルバー
サムライ」及びヤクザ・クランと深い関わりのある
名家・矢志田家周辺には大幅な改変が加えられており、
その辺で賛否が分かれるところではないでしょうか。

というかね、一番重要人物の、タキオンエネルギーの
使い手であるミュータントにしてシルバーサムライ
本体である「原田健一郎」の設定が大幅にオミット・
改変を加えられて、何故かブラックニンジャ・クラン
総帥で弓の使い手になっているところが気に入らない!
ウルヴァリンとは時にライバル、時に盟友ともなる
魅力的なキャラクター、原田が「シルバーサムライ」の
座から外れることで、作品自体の結局何が「サムライ」
なのかよくわからなくなっちゃってるところが…
原作では後に恋人同士となるはずのバイパーを前に、
ただのパシリみたいにされてるのもつらいし…
というか原田はまずなんでチョンマゲ頭じゃねーんだ!
すごい原作準拠な感じの顔した役者を選んでおきながら
チョンマゲ姿でお出ししないのはスゴイ・シツレイ行為!
samurai03.jpg
チョンマゲに袴姿がデフォルトスタイルな
原作の原田と口づけを交わすバイパー。

samurai04.jpg
大広間のホームシアターで洋画学園コメディを
うどん食いながら観るというお茶目な一面も。
そしてローガンとはとっても仲良し。

更に余談だけど、バイパーは「マダム・ハイドラ」
という通称も持ち、その名が示す通り本来はキャプテン・
アメリカと敵対する組織「ハイドラ」幹部の一人。
レッドスカル亡き後の跡目争いで総帥の座を狙う
一人でもあるのですが、映画だと配給元が違うから
設定が使えそうにないのもこれまた非常に勿体無い。

話を本編に戻して、ストーリー自体は序盤に撒いた
伏線を巧妙に隠してクライマックスに衝撃の事実を
明かす、という意外性のある展開で面白かったの
ですが、奇をてらいすぎたせいもあってやっぱり
何が「サムライ」だったのかよくわからない。

そして結局また原作に飛んで、そしてネタバレ含む
発言しちゃうと、フランク・ミラーの意思を尊重する
という意味で、小池一夫原作臭い話にするんだったら、
やっぱりマリコは一発ヤるだけヤった後適当なタイミングに
適当な理由で死なないと嘘だよねーと思いました。
というか、ジーン及び映画「ZERO」に登場し死亡した
シルバーフォックスに加え、ヤシダマリコの三人こそ
「ウルヴァリン最愛の女」なわけで、ここで死んで
おかないとなんだか煮え切らない感じもするんですよね…
それに毎晩観るジーンの悪夢にフォックスとマリコまで
加わってぐるぐる回ってきた方が面白いじゃんッ!

で、そんな本作、実は一番面白くて燃えたシーンは
ラストのオマケ「あの二人」が登場するところだったり。
何気に「X-メン ファーストジェネレーション」と重なる
部分もある憎い演出だし、今後苛烈していくミュータント
迫害に絡む管理法案や、それに伴う「センチネル計画」を
感じさせ、今から「X-メン」の続編に期待がかかります。

現在「アベンジャーズ」で展開中のBIG3は、今後
シビルウォーにも繋がりかねない暗く厳しい試練の時が
描かれていく予定なので、タイミング的にもかなり
合致している分、ニューアベンジャーズ展開も視野に
ウルヴァリンだけでもアベの方に引っ張って来れない
ものかなぁ…と思わされることしきりです。
Cry For the moooooooooon!

カバの得はなんだ?

新作映画「エリジウム」を観てきましたので
本日はこの作品のレビューをしたいと思います!

21世紀末、環境の悪化と人口の過密を極めた地球では
貧困と犯罪が蔓延る一方、限られた超富裕層は
スペースコロニー「エリジウム」へと移住し、
何一つ不自由ない楽園の暮らしを享受していた。
地上の最下層住民の一人として軍需工場に勤務する
マックスはある時、工場側の誤作動が原因で致死量の
放射線を浴びてしまい、余命5日と診断される。
万能の医療施設を持つエリジウムへ行くため、彼は
違法シャトルの打ち上げも行うギャング組織の元締め・
スパイダーの元を訪れるのだが…というのがあらすじ。

奇想天外な発想で世界をあっと驚かせた「第9地区」で
知られるニール・ブロムカンプ監督が今回挑んだのは、
SF作品においては定番の「ディストピア崩壊もの」。
当然監督が監督なだけに「定番」という凡庸な一言で
片付く内容のわけがないのですがそれはまずさて置き、
主演には巻き込まれ型主人公としてこれも定番なマット・
デーモンを起用、しかし最早「異能生存体」としての
イメージを昨今のハリウッド作品で強めつつある彼に、
「余命5日という設定を無理矢理とりつける」ことで、
観客は太陽がその生命を終える直前の大爆発のような
活躍を彼に期待し、そしてそれに呼応するようにして、
作品自体が増大するエントロピーとその終焉の様を
我々の前に思う存分見せつけてくれます。

そんな本作品、実は世界設定やストーリー展開・着地点
自体は2012年のリメイク作品「トータル・リコール」と
すごく被っている部分があるのですが、そのリメイク作に
おいて「何が足りなかったのか」をビジュアルとストーリー、
その両面から実によく解説してくれるのも本作品です。

まずビジュアル面においては「ハッタリ」がこれでもかと
効いていて、どう見ても南アあたりの雑多な貧民街を
映しておきながら「2154年 L.A.」というテロップが
表示される様に、三池崇史監督の名作「漂流街」における、
どう見てもアメリカ西部かメキシコあたりの荒野を
映しておきながらテロップは「日本・埼玉」という
演出を思い起こさせ、まずここで吹かされます。
サイバネ技術の発達を描いておきながら、それを扱うのは
あくまで人間であるという様をまざまざと描いている点
からは、「21世紀に蘇ったマッドマックス」というより
「実写版メタルマックス」と言えるヤケクソぶりで、電ノコや
ドリルで人体に無理矢理改造手術を施す描写による、
むせ返るような血の臭いと肉感が、作品に余りある
強烈なパワーと奇妙なリアリティを賦与していて、
これらの様々な要素が融合し、「もしかしたらもう1世紀
経てば地球は本当にこうなっていてもおかしくない」と、
いつの間にか作品に引きこまれていること請け合い。

ストーリーに関しては、リメイク「トータル~」と共通して
「一人の英雄が僅か数日で世界の秩序を崩壊させてしまう」
という場所に落ち着き、主人公の起こした行動が必ずしも
人類の平等や明るい未来を招くわけではなく、むしろ更なる
混乱が生じる可能性の方が高いとすら言える結末を迎えます。
しかし本作においては「それでも救える人間は増える」
「そして救うだけの価値がある人間がいて、それは自らの
命を投げ出す価値がある」という重要なテーマが語られ、
これがあるからこそ本作を観る価値は大いにあります!

無論、「トータル~」は記憶の混濁と共に超人的な
能力を発揮する主人公の物語で、基本設定や目的には
本作主人公と大きな差異があるのですが、そもそも
「トータル~」を新旧で比べた場合、旧版はミュータント化
してしまった火星の居住者が少ない酸素を奪い合うという
逼迫した状況での「ヤケクソぶり」も作品を面白くしていた
要因の一つで、なんか成り行きで革命軍に参加することに
なっちゃったというだけの新の方は、凡庸なスタイリッシュ
アクション風味で特に見所も面白味もなかったんですよね…。
………逸れまくった話を「エリジウム」に戻すとして、
本作主人公マックスは余命僅かなもんだから、ヤクザだろうが
マフィアだろうがとにかく頼れるものにすがり、人体改造
だろうが何だろうが何でも来い、という「ヤケクソぶり」が
やはり本作においても作品を面白くする要素として働いていて、
なおかつ「クズだった人間が聖人の如き自己犠牲を払う」
というギャップが大きなカタルシスを生んでるんですね。

クズと言えば前作「第9地区」で主人公、ヴィカスを
演じていたシャールト・コプリーが、本作では一言で言えば
「汚いチャックノリス」みたいな、見た目もやることも
両方薄汚くて仕方ないエージェント・クルーガーを好演。
一方、超右寄りのエリジウム防衛大臣をジョディ・フォスターが
演じていて、最近のシガニー・ウィーバーの役どころにも
代表されるように、ヒステリックなババァがうっかり
権力を握ってしまうパターンが今のハリウッドの流行か。
そんなわけで、エリジウム側の権力欲に取り憑かれた
吐き気を催す邪悪なキチガイのクソコテどもが繰り広げる
二転三転するドロドロに煮詰まった内ゲバまで内包した本作は、
結末まで本当に何が起こるかわからない、気が抜けない!
主人公含めて右を向いても左を向いてもクズしかいない中、
マックスの幼なじみ・フレイだけは徹底してイノセントな
存在として描かれたりと、本作は荒唐無稽に見えて
その実ストーリーもキャラ配置もよく練られています。

「貧困層の不満と怒りが革命の刃を富裕層に突き立てる」
なんて言い方もできるかもしれませんが、ぶっちゃけ
「金持ち連中が蹂躙されていいザマだ」と下卑た笑いで
飛ばすこともできるわけで、人によって単純にも複雑にも
映える作品の奥深さ及び幅広い層にアピールできる
エンタメ性は「第9地区」から変わらず冴え渡っています。
とにかく、前作ファンなら本作も観ておいて絶対損はなし!

ヘルイヤー!

新作ソフト「G.I.ジョー バック2リベンジ」を
鑑賞しましたので本日はこの作品のレビューをば。

アメリカ最強の特殊部隊「G.I.ジョー」は世界中で
目覚ましい活躍を遂げていたが、彼らにとっても
最大の脅威である犯罪組織「コブラ」の残党は未だに
水面下で活動を続けており、大統領に化けた変装の
達人・ザルタンが裏切りの汚名をG.I.ジョーに
被せた上で軍の総攻撃をかけて殲滅した上、
隠密の達人・ストームシャドーがコブラの司令官・
コブラコマンドーを刑務所から脱走させてしまう。
辛うじて生き残ったG.I.ジョーはたったの数人。
状況を打破するため、彼らは「初代ジョー」の
元を訪れることとなる…というのがあらすじ。

「トランスフォーマー」と同じく、玩具「G.I.ジョー」を
原作とした実写化作品の続編にあたる本作品。
最強に強まった無敵の兵士たちが最新鋭の兵器を
携え、悪のコブラ軍団とド派手なアクションを
繰り広げる…という脳筋な内容こそが「G.I.ジョー」に
おける最大の魅力だと思うわけですが、「ハムナプトラ」で
知られる前作監督スティーブン・ソマーズから、今回
新人監督ジョン・チュウへとバトンタッチしたことで、
その毛色も似て非なるものへと塗り替えられました。

というのも、まず観客に頭使わせたらダメだよね!
前作は台詞を全部「G.I.ジョー!」「コーブラー!」に
吹き替えて何一つ問題ない頭カラッポぶりだったので、
初代ジョーに「大統領が偽物だという確証があるまで
俺は動けん」なんて言わせてたらダメでしょう!
「大統領は偽物です!」「何ぃ~!?そいつは許せん
よなぁ~!」から武装のモンタージュ、わずか10秒で
両手にミニガン構えたウィリス置くぐらいしないと!

前回レビューした「ルーパー」同様、ウィリスが「ジョー」を
演じるというハゲ強化週間だったりするんですけど、
それはさておき「RED」よろしく最強のロートルとして
「初代ジョー」にウィリスが当てはめられていて、
その割に主役を食っちまうほどの存在感が恐れられてか
取り立てて目覚ましい活躍をするということもなく、
客寄せパンダにするぐらいならやめちまえ!と憤慨。
ウィリス使うんだったらヤケクソになる覚悟しないと…。

一方で人気キャラ・スネークアイズとストームシャドーの
確執は最早スピンオフばりに本筋とは別に話が切り離されて
いて、ウィリスのキャラ立ちとの衝突を避けるための
措置というのはよくわかるんですが、観客の目からしたら
手抜きにしか見えずちぐはぐな話という印象でしかない。
例えばの話、「エクスペンダブルズ」は一人でも百人の
悪党をブチ殺せる奴が集団になって襲いかかってくる
というメガトンサイズの特盛り牛丼が最大の魅力であって、
わざわざ皿を小分けしたら意味がわからんのですよね。
全員一つにまとめてぶつけてこいよ!と。

こくじんハゲの新キャラ・ロードブロックが死亡フラグ
立てまくったくせに前作主人公・デュークが突然の爆死を
遂げるという衝撃的展開は面白かったのですが、でも「前作
主人公が成り行きで突然死ぬ」ってやらかし方は続編モノに
おける不味い見本の一つなので全く評価できなくて、まあ
とにかく序盤のそこが本作の株ストップ高、ぶっちゃけ
ウィリスとスネークアイズ除いたらG.I.ジョーはキャラ
薄過ぎ問題、対照的に変装の達人・ザルタン、爆発物のプロ・
ファイヤフライ、そして本作で色んな方面から虐待されまくる
ニンジャ・ストームシャドーとコブラ側の方が遥かにキャラが
立ちまくっている上、好き勝手やらかす分も含め観ていて
ずっと面白く、全然バランスが取れていないのもヤバい。
そうかと思えばコブラコマンドーは幹部連中からただ
持ち上げられてふんぞり返ってるだけの置物だし、何より
一番許せないのは伏線張っておいて「エンドロールの前後で
絶対何かコントやってくれる」と思ってたのにデストロとの
絡みが一切なかったこと!監督は何もわかっちゃねぇな!
これだけでもう駄作決定の烙印押しますよクソックソックソッ

あともういっこ、前作でエッフェル塔が破壊されるという
不謹慎なネタを披露したのを受けて、今回もそういうノリが
許されると思ってか色々やらかしてくれるんですが、
「アメリカが誇る世界最強の部隊G.I.ジョー」という、最早
存在自体が強烈な皮肉でしかならない作品を扱う以上、
ネタにも細心の注意を払わなければいけないはずなのに、
中東や北朝鮮を執拗にディスるのは正直不快でしかない。
大量破壊兵器ネタも今やられると何も笑えないしね…

というわけでですね、スティーブン・ソマーズの無印
自体が決して褒められるような出来ではなかったにしても、
本作がその比較対象にもならないお粗末なひどい作品には
違いなく、こりゃもう次はねーなと思った次第です。
シリーズを順当に積み重ねていけば、「アベンジャーズ」の
ようなクロスオーバー作品の成功という時流に乗って、
ゆくゆくは「トランスフォーマーVSG.I.ジョー」も
実写で実現されるような事態を夢想してたんですが、
リブートでもして一度仕切り直ししなきゃ無理だな。

ケジメ!ケジメ!アイエエエエエエ!

新作ソフト「LOOPER/ルーパー」をレンタル
しましたので本日はこの作品のレビューをば。

時は近未来。
人類はついにタイムマシンの開発に成功したが、
その危険性から使用を禁止され、裏社会の組織
だけが非合法に未来の人間を過去に送り込んでいた。
組織の一端である「ルーパー」と呼ばれる殺し屋は、
未来から送られてくる「消す必要のある人間」を
過去で証拠を残さず処分する仕事を請け負っており、
組織で一番の若手・ジョーもルーパーの一人だった。
ある時彼がいつものようにトウキビ畑で「標的」を
待っていると、現れたのはなんと30年後の自分だった。
自分自身に殴り倒されしまい、標的を逃してしまった
彼は組織からも命を狙われることとなってしまう。
果たして未来のジョーの目的とは一体何なのか…
というのがおおまかなあらすじ。

科学万能の近未来で、殺し屋が30年後の自分と
戦いを繰り広げるSFサスペンスアクションの本作品。
公開時の2012年では「バットマンダークナイト」で
ロビン役、「リンカーン」では長男のロバート役と、
正義に燃える好青年を演じていたジョセフ・ゴードン=
レヴィットが本作では殺し屋・ジョーを演じています。
一方で二人一役となる、30年後のジョーを演じるのが
映画界の異能生存体キャラの一人、ブルース・ウィリス。
息子と二人きりで田舎に暮らしていたところを、
突然騒動に巻き込まれることとなるヒロインには
エミリー・ブラントで、最初気の強いおかんぶりや
ケツアゴっぷりからウマ・サーマンに見えた!
「砂漠でサーモンフィッシング」の時はすごく
キュートに見えたのに、芋臭さとケバさが際立って
映えてるのはメイクの力ってやつなのでしょうか…。

さておき、「未来からやってきたウィリスが過去を
改変しようとする」というプロットとなると、
どうしても話題として上がるに避けて通れないのが
「12モンキーズ」の存在であり、あちらが所謂
「ループもの」だったならばこちらのタイトルも
「ルーパー」であり、相対的な評価は必至にして、
同時に如何に違いを見せるかに焦点が当たります。

で、貧富の差が広がる近未来で、エアバイクの開発に
よる文明の発達や、超能力者の登場による人類の進化を
見せるという「ジャッジ・ドレッド」ばりのものっそい
チープな世界感を打ち出した上で、「ならタイムマシンも
きっと開発されてるだろうしそれを利用したヘンテコな
犯罪も確立してるよね」とでも言いたげに、「ルーパー」
という殺し屋の設定をゴリ押しして突っ込みどころを
回避しようという試みも伺えるのですが、結局のところ
重要なのは、その先の「説得力が後からついてくるだけの
面白さをストーリーが提供してくれるかどうか」に
尽きるわけで、その点において賛否は分かれそう。

本作では未来から送られてきたウィリスが当然物語の
キーマンになるのですが、これが「おめーは自分の
ことしか考えない坊やだかんな!」と過去の自分に
説教くれる割には自分自身利己的なクソコテでして、
愛を求めるあまりに冷酷な殺人者としての一面を
ギラつかせるという姿勢を描こうという努力は
買うんですけど、いかにせんパラノイアが過ぎて
あんまり感情移入ができないという残念な結果に。
「シャドー・チェイサー」の時の「あのウィリスが
途中で死んだ!?」とは逆に、今回のウィリスは
いっくら敵に襲われて囚われの身になろうが結局
自力で脱出するという異能生存体ぶりを発揮していて
笑わせてくれるんですが、あんまり「ウィリスなら
仕方ないな」っていう便利アイテム扱いするのも
最近はもう正直食傷気味なとこはあるんですよね…

ストーリーは最終的には「ルーパー」である過去と
未来、二人のジョーが如何にして「負の連鎖」を
断ち切るのか、というところに当然帰結するのですが、
ラストに来て突然「シン・シティ」のハーティガンに
なるのも、なんかメタネタっぽく感じちゃって…。
いや、「過去と未来二人の自分がいる」という状況
からの意外な決断と結末はいい線行ってるんですがね!

「12モンキーズ」が「タイムマシンは存在するんです!
まあそんなことより話の本筋は別にあるから聞いて
くれよ!」と無駄な設定は一切オミットした反面、
本作ではそれとは差異を図るためなのか、序盤から
バラ撒いた無駄な設定を色々拾おうとした結果、なんだか
お話が煩雑かつ複雑にしてどういう方向にしたいのか
今ひとつ観客の方が焦点を絞りきれなくなっちゃった感じ。
ある程度は結末の読める内容と展開なだけに、「これ」と
決め打ちできずにぼんやり観なきゃならないのは残念。

タイムパラドックスを扱ったSFモノっていうとそれこそ
腐るほど世の中には存在していて、そのカテゴリの中で
言えば本作も十分楽しめる範疇にはあると思うんですが、
やっぱりわざわざウィリス使って「12モンキーズ」と
真っ向から対決する必要はなかったんじゃないかな…
プロフィール

マイケル・チバ

Author:マイケル・チバ
シルバーレイン
マイケル・チバ(b30277)
薬師寺・米(b41960)
を経て、
現在はエンドブレイカー!
マーヴィン・ジェント(c06527)
にて稼動中。

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