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TURBO-TASTIC!

地元の映画館の無料入場券の使用期限が丁度
今月末だったので、駆け込みで件の話題作
「シュガーラッシュ」を鑑賞してきました!
本日はこの作品のレビューをば。

壊れたビルを修理していくアーケードゲーム
「フィックス・イット・フェリックス」。
主人公の「直し屋」フェリックスに対し、
悪役の「壊し屋」ラルフはゲームの住人から
疎んじられ、ゴミ溜めの中で生きる生活にも
ほとほと嫌気が差してきていた。
ゲーム発売三十周年記念パーティにも
呼ばれなかった彼は住人とトラブルを起こし、
「ビルに住みたければゲームクリアの証である
『記念メダル』を持ってこい」と住人に
からかわれ…というのがおおまかなあらすじ。

ディズニーピクチャーズが送るCGアニメ
最新作は、「トイ・ストーリー」ゲーム版と
でも言おうか、モニタの向こうにいる
ゲームの住人たちの世界とその生活を
描いた、ファンタジー・アドベンチャー映画。

「スーパーマリオ」のクッパや「ストⅡ」の
ベガ様に混じって、集団カウンセリング
「悪役の集い」に顔を出すのが本作の主人公・
ラルフという導入が実に卑怯、なおかつ上手く
出来ていて、実在のゲームキャラクターを
交えることで「ラルフ」というキャラがずっと
前から存在していて、我々も知っていたような
錯覚に陥ると同時に、その上でゲームプレイヤー
ならば誰もが通る道、「彼らも好き好んで悪役を
やっているわけじゃないんじゃないか?」という
疑問が、ラルフの独白で解消されていきます。

「記念メダル」を求め、危険で過激なガンシュー
「ヒーローズ・デューティ」を訪れ、トラブルの
末に辿り着いた世界がファンシーなレース
アクション「シュガーラッシュ」、そしてそこで
彼が出会うのが本作のヒロイン・ヴァネロペchan!
ラルフとヴァネロペの二人が時にはいがみあい、
時には協力して、それぞれが「自分のなりたい
ヒーロー」を目指していくのが本作品の主な
流れになるのですが、ここに「ゲームならでは」の
数々のトリビアを絡めてくるのもこれまた
本当に上手くてズルくてズルくて上手い!

狂気の作り込みによる小ネタの数々はとてもじゃ
ないけどここで列挙しきれませんが、複雑な
プログラムの世界に生きるヴァネロペはポリゴンの
裏側に存在する「ゲームには実装されなかった
洞窟コース」に住み、「使うとゲームが止まる恐れも
あるチートバグ技」を持ったキャラで、これに対し
単純なプログラムで作られたラルフとフェリックスは
「壊す」と「直す」しかできないが、それだけに硬くて
超強力な能力という対比が面白く、これら全てが
物語の伏線として生きてくるのだから驚かされます。
その他、ロリ枠のヴァネロペちゃんに対して
アダルト枠である「高解像度がウリの美人」な
軍曹が一行に加わって活躍する姿も、ゲームの
マーケティングにおいて性的な女性キャラは
必要不可欠なことを改めて認識させられたり。

本映画の製作はピクサーではないんですけど、
本作もまた「トイ・ストーリー」や「カールじいさん」
同様に、子供連れで来たおっさんを的確に狙い撃ちして
殺しにかかって来る内容に仕上がっていて、でも、
ちょっとレゲー愛が強すぎ・深すぎて、女子供には
通じないネタが多すぎるのが難点と言えば難点。
実際問題、私なんかはエンドロールを前にして、
幼き頃の殆どをゲームに注ぎ込んだ暗い、しかし
楽しかった青春時代が蘇ると同時に報われた気がして、
思わずボロ泣きしてしまいましたが、そうかと思えば
私の席の右にいた親子連れで来ていた子供は途中で
「ドラえもん観た~い!」って明らかにグズりだしたし、
左にいたカップルの女性はイビキかいて寝てました。
ネタとして誇張してるわけじゃなくて実体験だよ!

一応子供向けという皮を被っている以上は、物語も
紋切り型として一つの結末に落ち着くのも当然な
わけではありますが、これが「ゲームの世界」である
以上、真の悪が滅び善なる者が生き残るハッピーエンドは
当たり前!という有無を言わさぬ説得力もありがたい。
どうしようもないぐらいにおっさん殺しの本作品、
レゲー好きならば一度は観ないと人生損ですよ!
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時は人を待たず

新作ソフト「リンカーン/秘密の書」をレンタル
しましたので本日はこの作品のレビューをば。

9歳になるエイブラハム・リンカーンは、奴隷商の
バーツが母親を殺害するところを目撃してしまう。
それから9年後、父親にも世を去られた
リンカーンはついにバーツへの復讐へと
乗りだすが、銃弾をものともしない吸血鬼へと
変貌した彼になすすべもなくのされてしまう。
その窮地を救ったのはヴァンパイアハンターと
名乗る謎の男・ヘンリーだった…というあらすじ。

奴隷解放のために立ち上がった大統領は
実はヴァンパイアハンターだった!という
トンデモ小説を映画化したという本作品。

母親を殺された木こりの少年が、謎の男に
導かれ、復讐を果たすべく両の腕で銀の斧を
掴みヴァンパイアハンターへと成長していく…
というプロットは実にラノベっぽいと思うんですよ。

これを何故リンカーンでやろうと思った!?
っていうのが最初で最大の突っ込みどころでね。
こういう内容だったらIKEMEN俳優使って
「キャッスルヴァニア(悪魔城ドラキュラ)」を
実写化した方が角が立たなくて良かったんじゃ
ねえの!?とか思うのが日本人としての意見で。
シビル・ウォーのきっかけは吸血鬼だった!
とかいうあまりに突飛なオカルト設定持ち出して
くるけど、こういうのは例えば山田風太郎の
魔界転生とか、最近だと当たり前みたいに
行われてる戦国武将擬女化みたいなノリで
向こうの人も笑って済ませてくれるんだろうか…
とかいらん心配抱いちゃってドキドキします。

リンカーンであることを抜きにして、単純に
ヴァンパイアーハンターとして見た
スタイリッシュアクションはなかなか
見どころ・見応えがあるんですけど、前述の通り
大統領としての責務だのシビルウォーだのまで
作品に詰め込んでくるあたりから明らかに
展開がグダってくるのが目に見えてきて、
原作の方でもこれ作者があらかたやりたいこと
やっちゃったから飽きがきてたんじゃないの…?
とかいらん邪推を抱いてしまいますね…

後半グダる割に全体としてはお話詰め込みすぎ
なので、前半戦なんかは特に笑っちゃうぐらい
テンポが早くて、母親殺された!復讐できなかった!
謎の男に見初められてヴァンパイアハンターになった!
彼から「誰とも親しくなるな」って言われた!けど
女に惚れちゃった!そして謎の男の正体と壮絶な
過去が明らかになる!っていうのを次から次に
ブッ込んでくるので、カタルシスもクソもなくて
もうちょっと溜めを作れよ!?って思いました。

何回でも言いますけど、「リンカーンが実は
ヴァンパイアハンターだった!」っていう面白
設定が作品の全部で、個人的にはそこに笑って
いいのか判断に困るしギャグとして見ても
すっごいスベッちゃってると思うので…
それ抜きにした面白ヴァンパイアハンター映画
として観ちゃうと、「ヴァン・ヘルシング」や
「コンスタンティン」という偉大にして
強大な先人が既に存在しちゃってる以上、
箸にも棒にもかからない惰弱さは最早明白。

ほんと、正直な話、「リンカーンがヴァンパイア
ハンターだった!」って言われて笑える人って
どれだけいるよってことですよ。しつこい?
だって、ねえ。笑えます?

マッドドッグさんマジ狂犬

「一線を超えすぎてバカ映画の領域」という
インドネシア作品の噂を小耳に挟み、久しぶりに
アンテナにビビッと来て勢いで借りた新作
「ザ・レイド」のレビューを本日は行います!

裏社会では神として崇められるタマ・リヤディ。
その彼が牙城を築く高層ビルへと20名のSWATが
突入を行い、やがて壮絶な銃撃戦が始まる。
しかし精鋭揃いとは言え、新人を多く含む
チームは一人また一人と斃れていき、彼らは
孤立無援の状況下で立ち往生させられてしまう…
というのがおおまかなあらすじ。

上映時間のおよそ八割がアクションシーンで
占められている本作品は、銃撃戦よりも
格闘戦へ特に重点が置かれており、その質感は
ジミー先生に代表されるような香港映画の
「環境利用闘法」、トニージャー先生に
代表されるタイ映画の「エグい人体破壊描写」
両方を思わせ、インドネシア映画という
新たな可能性を強烈なインパクトでもって
全世界に知らしめたと言っていいと思います。
んで、「特殊警察+環境利用闘法+人体破壊描写」で
出来上がる物が一体何なのかをぶっちゃけてしまうと、
本作から漂う「ダイナマイト刑事」臭が半端なくて!

犯罪の臭い立ち込める雑居ビル、そこから放たれる
無数の凶弾…という緊張感溢れるオープニングは、
アジア映画独特のノワールな臭いが立ち込めていて
非常に手に汗握らされるわけですが、ゾンビのような
雑魚が沸いてドンパチが始まるとFPSかと思わされる
ようなゲームっぽい雰囲気が辺りに立ち込めてきて、
無限湧きする雑魚を殴り殺していく肉弾戦に持ち込む
頃には完全にベルトアクションゲーのノリだこれ!

「ヤクザ殺すべし、慈悲はない」の人体破壊描写も、
「痛そう」でありながら「超現実的」であるという
バランスの取り方が絶妙にできていて、ナイフを
「膝に入れて更にえぐる」だの「突き入れて
引き裂く」だのものっそい痛そうな攻撃をバシバシ
繰り出すし、あと壁や机の角などのオブジェクトを
利用して執拗に腰を狙う攻撃もかなりクるものが
あるわけですが、スピーディな展開で矢継ぎ早に
流しこんでくると、こっちも脳が麻痺してきて
段々笑けてくるようになるって寸法よ!
あと、トンファーをここまで格好良く扱った
アクション映画を今まで観たことがなかったので、
その意味だけでも本作を大きく評価する意義はある!

アクションが大半を占めるという本作でありながら、
その実細かい尺の中で各キャラの立て方もしっかり
していて、アジア映画の質感という点では「男たちの
挽歌」にも通じる物を持っており、男たちが
それぞれの流儀や信条…即ち「仁義」を貫く
熱い姿は観客の心をガッチリ掴んで離しません。
特に、リヤディの右腕であるマッドドッグさんは
初見猿みたいな小男でどう見てもキャラ死んでる
やられ役っぽいんですが、「己の肉体のみで敵を
圧倒して殺す」という確固たる信念と、それに
見合うだけの実力を持っており、その視覚的な
説得力からいつしか「マッドドッグさん」と
さん付けで呼ばずにはいられなくなっているはず。
ていうかマッドドッグさんガチで強すぎ。

突然裏設定披露して呆気に取られたり、
とりあえず格好つけて終わりよしとしちゃう
ところとかも、香港映画っぽいなあと思ったり
するわけですが、まあいいじゃん格好ついたから!
というわけで、本当香港映画とタイ映画の
いいとこ取りしたような内容で、その意味では
大きく成功した素晴らしいバカ映画です!
★5つ上げちゃう勢いの超オススメ作品。

小銭を口に詰め込まれて死亡

本当にタイトルの響きだけでレンタルした
新作ソフト「サイレント・ウェイ」の
レビューを本日は行いたいと思いまーす!

ホテルで働きながらもスターを夢見るローサ。
そんな彼女の元へようやくオーディション
最終選考通知が届いた矢先、アパートに同居する
姉から洗濯機が故障してしまったと知らされる。
全く治安が良いとは言えない場所に住んでいる
彼女は、自宅からほんの50m先のコインランドリーへ
出かけるのも命懸けだが、明日の晴れ舞台のために
なんとしても衣装を洗濯しなければならない。
意を決して飛び込んだ先で彼女が見舞われた
悲劇とは…というのがおおまかなあらすじ。

前情報を一切シャットダウンしていたので、
ストーリーやジャンルはおろかスペイン映画
だったということも知らなかったわけですが、
それ以上にどうしようもない駄作だということも
このリハクの目をもってしても見抜けぬとは!
ということはまず一番最初に記しておきます。

OPの「なんか猟奇殺人が起こってるっぽい」という
モンタージュから、唐突に本作のヒロイン・
ローサが延々ダンスを披露するOPクレジットの
時点で「やばい、これは駄作の予感がする」
という雰囲気をプンプン飛ばしてくれます。
んで、地面に倒れた血まみれの女を何者かが
引きずっていき、そこから浮かび上がるタイトル
(スペイン語だから読めない)という演出が、
「あ…これは駄目だな…」と、絶望の縁から
暗黒を覗いているような気分にさせてくれます。

すんごい無駄で冗長な長回しに混じって、何故か
多用されるデ・パルマ調のカット割りに思わず
失笑が漏れるのですが、それ以上に作品の展開に
突っ込むどころか「…なんで?」って呆然と
するような理解不能な内容が多すぎて!

「サイコ野郎に襲われてコインランドリーに
立てこもる」っていう時点まではすごく安直で
わかりやすいんですけど、だからって「ソリッド
シチュエーション」というジャンルで括って
しまうにはあまりにもソリッドシチュエーションに
失礼過ぎるし、そもそもいくらなんでも
ヒロインがアホの子すぎて「これはそういう
ギャグなのか?」って終始笑っていいのか
どうか判断に困らされること請け合い。
ていうかヒロイン携帯粗末に扱いすぎ。
なんか恨みでもあんのか。

いきなりの超展開で突然「ヴァン・ヘルシング」が
始まるあたりで「ああ、これはそういうギャグ
だったんだ」ってようやく理解できるんですが
時既に遅しだし大体が全然面白くもなんともない。
あとヴァン・ヘルシングかと思ったけど別に
そんなこともなかったぜ!という即時の
切り返しにガッカリするしヒロインに負けず
劣らずサイコ野郎さんもアホの子すぎて、
この頃になるともうスクリーンを前にエヘヘと
笑うしかなく、知能指数が半分くらい下がります。

レビューしておかないと気が済まないような
駄作だったので記事にしましたけど、正直な話
絶対観ちゃいけない類の大駄作ですからね!
以前記事にした「モンスター★トーナメント」が
なんだかすごい作品に思えてくるってどんだけだよ!
まあ、たまには地雷を踏んでおかないと、
「映画の全てが当たり前のように一定水準を
満たしているわけではない」という事実に
気づけなくなってしまうので、「アルゴ」と
一緒にDISCASから送られてきたのも、きっと
何かの神的な力のお導きなのでしょう…

ARGO f**k yourself!

噂の話題作「アルゴ」を鑑賞しましたので
本日はこの作品のレビューを行いまーす!

1950年代、イランにおけるオイルマネーの利権を
狙う英米は、浪費家で知られる男・パーレビを
傀儡とするべく支援し、国王として立てる。
高まる反体制運動に屈した彼は70年代に亡命を
図り、アメリカがその身柄を受け入れたことが
イラン国民の反米感情をより一層刺激することと
なり、彼らはアメリカ大使館へと雪崩れ込む。
からくも暴動から逃れた6名の職員はカナダ大使館
私邸へ逃れるが、隠れているだけではいずれ革命軍に
拘束され、私刑にかけられるのは明白だった。
政府から人質救出の要請を受けたCIA職員・トニーは、
「偽映画」をでっち上げ、6名をその製作クルーに
仕立て上げ、イラン国外へと脱出させるという
奇想天外な作戦を発案する…というあらすじ。

顔を真っ赤にしてアカデミー賞受賞に歓喜していた
ベン・アフレックの姿も記憶に新しい、彼自身が
監督・主演をこなした本作品は、実在の事件と
人質救出作戦を元にしたサスペンスドラマ。

長い間、ボンクラ俳優として時には嘲笑の的と
なっていた彼が、プロデュース面でも大きく躍進
する姿はジョージ・クルーニーと被るところも…
と思ってたら、本作はその二人が揃って製作に
クレジットされていたもんだからのけぞりました。
すげぇ!

さて、そんな本作で特筆すべきは脚本の見せ方に
あって、79年に端を発したアメリカ大使館
立て篭もり事件が「結局はアメリカが全部悪いん
じゃんッ!」という前置きをして、両側の国の
言い分を聞かされることにより、観客はどちらに
身を置くかまず揺さぶられ、迷わされます。
そういう中で、「とにかく人質の命を守らなければ
ならない」というトニーの必死さ、そして
「なんとしても生き延びたい」と願う、トニーに
追随する6名の職員のあがきが、物事の善悪や
理屈をひとまず置いて、まずは国外へと脱出
することこそ先決だという話に焦点が当たり、
中盤以降はこの目的のため観客はひたすら
手に汗握らされるということになります。

「ハリウッドを使って世界を騙す」というテーマを
扱ったこと自体が、そもそも成功の一端を担って
いるように思えますし、魑魅魍魎うずまく
業界の裏側を切り取って見せるという演出を、
ベン・アフレックが描いて見せたというのもまた、
作品に有無を言わせない説得力を持たせ、
大きな効果としてスクリーンに表れた気がします。
クリントイーストウッドやクルーニー同様、
彼自身が「自分のキャラを理解している」というのを
伺わせ、この作品が名実共に彼が大きく成長した
ことを示していると言っても過言ではないでしょう。

か細い糸をたぐり寄せるために、個人々々で
最大限の努力を払ったという演出により各キャラを
立て、トニーは作品内で彼自身が言及しているように
「あまり存在感がない」という立ち位置に押し殺し、
群像劇的に物語が移り変わっていくのも個人的に良し。
「マグノリア」等で知られる名優、フィリップ・
ベイカー・ホールが国務長官役として登場して
いるのですが、ほんの2~3分しか出てこない本当の
チョイ役の上にノンクレジット出演にも関わらず、
異様な存在感を見せるというところからも、本作の
キャスティングに対する拘りが伝わってきます。

んで、まあ、礼賛できるのはトニーをはじめとして
人質救出作戦に関わった人々の功績だけで、
そもそもの世界の歪みは「アメリカが全部悪いん
じゃんッ!」ってことには変わりがないので、
単純に万歳で終わるわけじゃないのが本作の
キモであり面白いところだと思うんですよね。

実は恥ずかしながら、私は大使館立て篭もり事件も
その背景も知らなかった愚か者なのですが、この
時代の前後にはベトナム戦争を経てアフガン侵攻、
米ソ冷戦なんかもあったりするわけで、そりゃあ
80年代のうちに世界が滅ぶと人々が確信していた
というのも何一つおかしくないと納得しましたよ…。
中東諸国が米国の介入を嫌う理由も最近になって
嫌になるぐらいわからされてきたし、もっともっと
歴史を勉強する必要があると切に思い知らされました。

そういう意味を踏まえ、人間賛歌と世界の歪み、
両方を見事な切り口で描けた本作はやはり
アカデミーに値する作品だったと言えましょう。
アカデミーを受賞する作品というだけあって、
少し綺麗すぎるかなーというきらいはありますがね。

地上最後の独裁者

新作レンタルソフト「ディクテーター
身元不明でニューヨーク」を鑑賞しましたので
本日はこの作品のレビューを行いまーす!

北アフリカ・ワディヤ共和国。
アラジーン将軍は「独裁者」の星の下に生まれ、
己の富と権利を思うがまま行使していた。
ある時、核開発に関して国連からスピーチを
求められた彼はニューヨークへと赴くのだが、
オイルマネーの利権を虎視眈々と狙っていた、
大臣にして叔父のタミールの罠にかけられ、
彼は影武者とすり替えられてしまう。
トレードマークであるヒゲを剃られた彼を
最早「アラジーン将軍」と認識する者は一人も
おらず、路頭に迷っていた彼を拾ったのは
博愛主義者でワディヤ開放デモに加わっていた
ゾーイだった…というのがおおまかなあらすじ。

「我が愛するキム・ジョンイルに捧げる」という
不謹慎極まりないテロップが本作の内容を全て
物語っており、世界情勢の抱えた緊張や不条理を
あっけらかんとしたブラック・コメディで
怖いぐらい軽く笑い飛ばしているのが特徴。
そもそもノリ自体が、コロコロコミックとかに
ありそうな「生まれてこのかた自分でケツを
拭いたこともない『独裁者くん』」が主人公で、
死刑・拷問・セックスなんでもござれってのを
実写でやろうって実行に踏み切ったのがまず凄い。

しかし、そんなアホアホ独裁者くんを描写
していく上で、現代社会の抱えた全く新しい
「歪み」も皮肉っているのが個人的には
お気に入りで、「博愛主義」だの「平等な社会」
だのを訴えても、それは男も女も老人も子供も
黒人も障害者も全部いっしょくたにしちゃうのは
また違う話なんじゃない?ってきっぱりと
提示してくれたのには拍手喝采を送りたい。

昨今の社会の縮図として映画で語られることが
多い、「やらかしちまった後でどうするか」
というテーマに逆行するように、独裁者くんが
「全く学習をしない男」として描かれるのも
また新鮮なのですが、例えばタミールの思惑通り
彼が独裁者を降りればワディヤはもっと平和な
国になるか?と言われたら絶対にそんな風には
思えない中で、「まあ少しはマシになるんじゃ
ないかな」と思える着地点を見せる手法もお見事。
この辺のくだりについても、リビア内戦と
カダフィーちゃん政権崩壊後のどうしようもない
グッダグダっぷりを皮肉りまくってると思うの…

過剰なまでに残酷だったりお下劣だったりで
本当に笑っていいのか反応に困るネタも
多いんですけど、このぐらい勢いつけないと
今の狂った世の中を笑い飛ばすには足りないと
思わされて色々と戦慄させられますね。
くだらねーネタの中にも知的な皮肉が光る
渋い作品という意味では、「チーム★アメリカ」や
「26世紀青年」あたりと合わせて本作もオススメ。

俺たちを繋げる気だ!

「他に観る物がないから仕方なく」という
台詞がこれ以上似合う映画がないと思う
「ムカデ人間2」を借りてしまったので
本日はこの作品のレビューをしますよ、とほー…

警備員のマーティンは映画「ムカデ人間」に
すっかり心酔し、自らも作りたいと思い
実行に移すのだった…というあらすじ。
どうしよう、説明に三行も行かなかった。

前作の「ムカデ人間」は実は劇中劇だった!
というサプライズ(というほどでもない)展開から
始まる本作品、それに影響を受けちゃった
キチガイが「博士が三人なら俺は十二人繋げ
ちゃうもんねー!」って突っ走るお話です。

前作の、失敗したクリストファー・ウォーケン
みたいなジョセフ・ハイダー博士から
チビ・ハゲ・デブっていう陵辱系エロゲの
主人公みたいなキャラ・マーティンに主役が
交代して、彼の迫真のキチガイ演技が本作に
緊迫した空気を吹き込んでいることには疑いの
余地がありません、というか誉められるとか
特筆できるとこはそれぐらいしかないんですけど。

無駄に冗長なのはいつものことなくせに、
ところどころ急な場面転換が訪れるマーティンの
異様な行動力に吹かされますが、これを作品の
緩急のつけ方と言うにはちょっと無理がある。

ムカデ候補の人々が滅茶苦茶タフで、銃で足
撃ち抜かれて頭部を何度もバールのようなもので
殴打された挙句両手足を拘束されたまま食事も
なしに何日も放置されても全く死なないし、
そもそも警察機構は一体何やってんだっていう
色々突っ込みどころ満載の超現実的な描写は、
夢か現実かの境界線をぼやかす浮遊感として
うん、まあ、上手く作用してると思います。

キチガイがいざ実践したら全然思い通りに
ならなくて、段々手法がおざなりな方向に
妥協しはじめて自分でも何がやりたかったのか
よくわからなくなってきちゃうっていう
支離滅裂っぷりもよく描けてると思います。
現実社会には、自分の意のままに動く愛玩用
ゾンビを作ろうと思って人の頭にドリルで
穴開けて硫酸流し込んだジェフリー・ダーマー
っていうキチガイさんも実際にいたので、
きっと彼もこんな心境だったに違いない
(ダーマーにすら失礼)。

んでも、いざムカデ人間完成だー!っていう
一つのヤマを迎えた後、この後やることったら
一つしかないよねっていう例のアレに対する
力の入れようから、いちいちこの目的を満たす
ためにえらい遠回りする、ものすごくかっちりした
几帳面さが垣間見えて、「ソドムの市」の
パゾリーニを連想させられました
(パゾリーニにも失礼)。

色々見せ方勉強したなぁ~っていう、前作に
比べると上達した印象は受けるんですけど、
だからって駄作の領域は抜けなくて鑑賞後
疲労感が半端無く押し寄せるダメ映画です。
でもそれ以上に、ムカデ人間と関係ないとこで
不謹慎なネタ盛り込み過ぎで笑えないのよ…。
「ムカデ人間」一本で勝負できないっていう
ネタ切れを露呈させちゃったことになるし、
よしんば監督が「こうした方が過激でもっと
面白くなる!」と思ってやったことなら、
無駄に生真面目なだけのバカを露呈させて
しまったことになるので、どっちにしろ詰み。

こんだけつまんねな作品だとレビューしない
わけにはいかないという気分にさせられ
ましたので、正・負の方向性はともかく、
パワーのあるシリーズだと思います。
でも人生の貴重な90分を丸々損するので
視聴は絶対にオススメしません。

おみやげみっつたこみっつ

なんか当時色々観たい作品多くて劇場まで
足を運べなかったと記憶している長編アニメ
「おおかみこどもの雨と雪」を鑑賞しましたので
本日はこの作品のレビューをしたいと思います!

貧乏学生の花が恋した男の正体はオオカミだった。
二人はやがて長女の雪、弟の雨という子供を
授かるが、不慮の事故で花は突然夫を失ってしまう。
狼男の血を引く二人の子供を女手一つで育てる
ことは容易なことではなく、都会の目から
離れるために花は田舎で暮らすことを決意
するのだが…というのが大まかなあらすじ。

「時をかける少女」や「サマーウォーズ」の
スタッフで製作されたという本作品は、
一人の女性の奇妙な半生を描いたドラマ。

狼男と恋をするというファンタジー設定を
下地にしながらも、キャラクターたちは
現代社会に生きているということで生活苦や
児童相談所に追われてしまうという、序盤の
妙に生々しい展開に笑っていいのかわからない
戸惑いが生まれるというのは多分スタッフの
狙ってやってることで、わざわざオオカミ形態で
ベッドシーン突入したり、無駄に多い嘔吐シーン、
パン見せケモヒロインとか、これ観た子供の
性癖歪ませる気概もヒシヒシ感じます。

んで、都会のしがらみから逃れるために
田舎でスローライフ編へと突入するわけですが、
なんか都会と違って田舎の人たちは皆いい人
ばっかりだねぇ~…みたいな描き方に違和感
というか、個人的には田舎の村社会の方にこそ
恐怖を感じる質なので、都会にもいい人いるし、
田舎にも悪い人はいるみたいな色分けをもっと
はっきりさせた方が良かったんじゃないかなぁ。

お話の流れ自体はすごく良くできていて、
人間であり狼でもある子供の雪と雨が、
戸惑いながらも人間社会へと溶けこんでいく
という過程の丁寧な描写がなされているうちに、
おおかみこどもというファンタジー設定が
なんとなく自然に受け入れられるように。

ただ、気に食わないのはラストのオチにあって、
「自然と人間社会」の共存を描く上で、
どっちがどっちっていう選択を迫る必要は
なかったんじゃないかなと思うわけです。
人間と自然の橋渡し的存在になれるのが
おおかみこどもである以上、ふらっと家に
帰って来てメシ食って、「すまんがまた
ちょっくら山行ってくる」ぐらいの緩い
関係に落ち着いてくれた方が良かったなぁ…

突然自然環境の問題提起的なことも
言い始めて吹かされるし、その上「俺が
やらなきゃ誰がやる」みたいなこと言い出す
辺りに日本人の几帳面な性格がすっごく出てる
気がして、例えば人間との奇妙な共存をする野生
動物たちを描いた「ファンタスティックMr.FOX」の
たくましさの方がより動物や自然らしい「あるべき姿」
のように思えるし、誰かがどうにかしなきゃいけない
とか、そんな弱い存在じゃないと思うんですよ…。
ただ、まあ、そういう意味では、人間社会の
中ではやっぱり長生きできなかったし、父としては
若干頼りなかったお父さんと、弟君の姿はかなり
ダブってるし、一つの選択としては当然の
帰結であり、正しいと言えば正しかった…のか?

キャラについては「時かけ」「サマウォ」同様に
「うぉお~!畜生~ブッ殺してやる~!」って
観客が思えるようなヘイト溜めるクソ野郎が
出てこないいつもの仕様なのであんまり語ることも
ないのですが、実写化したらこれ絶対クリント・
イーストウッドだよねっていうツンデレジジィが
もうちょっとお話に絡んで来て欲しかったね!
自然と人間の共存というテーマを語る上で、
人生の先駆者である彼はよりキーパーソンに
なり得たし、お話がもっと奥深くなったと思うの。

児童文学的ファンタジーにかこつけて性癖全開な
内容なんで、ケモに目覚めるきっかけにはなって
くれるかもしれない作品なんですが、テーマや
オチに共感を覚えられるかどうかは人を選ぶんじゃ
ないかなーということで、これはやっぱり
ハリウッドでうっかり実写リメイクとかされた
方が更に面白い方向に転がると思いました。
されなくても全然困らないけど。
プロフィール

マイケル・チバ

Author:マイケル・チバ
シルバーレイン
マイケル・チバ(b30277)
薬師寺・米(b41960)
を経て、
現在はエンドブレイカー!
マーヴィン・ジェント(c06527)
にて稼動中。

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