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性的に活発

バカ映画の合間合間にアカデミー作品を挟むンだッ
というわけで今回観たのが「JUNO/ジュノ」。
本日はこの作品のレビューを行います!

16歳の冴えない女子高生・ジュノはクラスメイトの
ポールと一度寝たことが原因で妊娠してしまう。
妊娠中絶を一度は考えるものの踏みとどまり、
家族に事実を打ち明け、タウン誌にて養子の
募集をしていたマークとヴァネッサ夫妻の下へ、
自らの子を託すべく赴くのだが…というのがあらすじ。

第80回アカデミー脚本賞受賞、その他部門でも
数多くのノミネートを受けている作品なのですが、
その年の目玉作品は「ノーカントリー」に始まり
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」、「フィクサー」
「ボーン・アルティメイタム」等良作に恵まれた
年だけに完成度の高さも期待できるというもの。

さて、ストーリーはというとあらすじの通り、
学生の身分で妊娠してしまったジュノを中心に
ジュノの両親やボーイフレンド、養子を募集していた
夫妻の様々なドタバタを描くハートフルコメディ。

そしてアカデミーを受賞するだけあるキャラクターの
描き方が実に秀逸で、妊娠検査薬を試すために
ボトルのジュースをガブ飲みして歩く野暮ったい
女の子・ジュノ(この辺は以前レビューした最低映画
「ディザスター・ムービー」で描写が丸パクリされていた
ことを思い出してゲンナリ、改めて実に酷いレイプ映画です)
というオープニングにはじまり、この極めていい加減な
女子高生に周囲が振り回されていくのかな…?と
思いきや、存外当事者である彼女自身はある種の
覚悟が決まったような楽観的な態度を取り、かえって
周囲の方が本人よりもずっと慌てているというのが笑い所で。
ヤリ逃げに近いボーイフレンド、離婚歴のある父親、
趣味が仕事の里親という男衆の登場人物もそれぞれ
何処か頼りなく、責任を放棄して逃げ回ったりなんだか
見当違いなことを言ったり、それらと対照的に登場する
三人の「母親」がまたより力強く見え、やっぱり子供を
産む力を持つ女性には勝てるわけねえよ、と思うことしきり。

キャスティングも何処か冴えない面子を敢えて
チョイスしているのが「日常感」溢れていて良くて、
ジュノ役のエレン・ペイジ、年の離れた親友、マーク役の
ジェイソン・ベイトマンが繰り広げるオタク談義は
洋楽・洋画好きなら思わずニヤリとさせられること請け合い。
「ソニックユースとかあんなのただの雑音よ!」とか。
うん、全然否定できない。
それから、オープニングで顔は出ていなくとも特徴の
ある死にそうな擦れ声が聞こえて一発で誰かわかって
ブチ吹かされたのがボーイフレンド役のマイケル・セラ。
終盤までとにかくダメダメな変わり者の男という役どころ、
趣味がギターなんてところまで見るに、なるほど
「スコット・ピルグリム」に抜擢された理由は本作が
大きな影響を与えているに違いないと思えます。

ショッキングな展開や派手なアクションがなければ、
全体的に地味な内容なことも否定しようがないのですが、
前述の「ノーカントリー」「ゼア・ウィル~」「フィクサー」の
ような狂った現実を描いた作品に対して大いに
癒されることしきり、ちょっと疲れた時に一息入れるには
丁度いいホットチョコレートのような暖かい作品です。
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運命が遺伝子を凌駕する!

玄人好みの渋い作品があるってことで
鑑賞してみたのが「ガタカ」。
本日はこの作品のレビューをしたいと思います!

髪の毛一本、一粒の血液からその人間の
あらゆる情報がわかってしまう近未来。
カーセックスから生まれたビンセントは
遺伝子に恵まれず脆弱な子として生を受けた。
人工授精の遺伝子操作によって強靭な肉体を
授かった弟・アントンと比較される劣等感を
与えられ、ビンセントは宇宙飛行士を目指す。
しかしどんなに履歴を詐称しても、尿検査一つで
門前払いされてしまう彼が取った行動は、
優れた遺伝子を持ちつつも、不慮の事故などにより
隠遁を余儀なくされた人間を闇の業者から
紹介してもらい、その者に成りすますことだった。
ビンセントは半身不随の元水泳界のスーパースター、
ジュロームと入れ替わることで、宇宙局「ガタカ」への
就職に見事成功するのだが、とある事件が
彼の身辺を危険に晒しはじめる…というのがあらすじ。

SFサスペンスとも言うべき本作品は、高度な
遺伝子研究によって起こる新たなモラルの崩壊や
差別の顕在化といった皮肉を盛り込むと同時に、
その世界に生きる「劣等」のレッテルを貼られた人間が
抗う姿をまざまざと描いたストーリーになっています。

しかし何と言っても、思わず「おおっ」と唸り身を
乗り出してしまったのが役者の顔ぶれで、これがまた
何とも嬉しくなってしまうような渋くも豪華な揃え方。
主演にイーサン・ホーク、助演女優にウマ・サーマン、
助演男優にはジュード・ロウと中堅どころが固め、
チョイ役として闇業者にはトニー・シャローブ、
落ちこぼれの清掃業者にはアーネスト・ボーグナインと、
実によくわかっている配役には思わずニヤリ。

特にイーサンとジュードの役の当て方が秀逸で、
人一倍の努力家肌にも関わらず、生来の体質が
原因で世間から認められてもらえない男にイーサン、
最高の才能と遺伝子を持ち合わせながらも、
不慮の事故により引退を余儀なくされたイケメンに
(この辺は荒木がスティール・ボール・ランの
ジョニィに設定流したような気がするけどどうだろ)
ジュードというキャラクターがあまりにピッタリ。

さて、肝心の本編の内容なんですが、まず時代設定は
近未来なもののぶっちゃけると「アクションのない
リベリオン」といった感じで割かし低予算かつ超地味な作り。
主眼が置かれているのは遺伝子によって報われない
ビンセントの苦悩と葛藤にはじまり、「入れ替わり」を
行ったことにより彼が追い詰められていくサスペンス。
この綱渡りっぷりには終始ハラハラさせられること請け合い。
それからジュロームとの間に育まれていく友情や、
宇宙局に勤める美人・アイリーンとの危険な愛のスパイス。
色々と要素は盛り込んであるのですが、やっぱり
どこまで行っても着目すべきはイーサンとジュロームの
二人のキャラクターで、劣っていながらも何者かに
なろうともがく男と、優れていながらにして何者にも
なれなかった男の心の交流は琴線に来るものがあります。
「生物や遺伝子としての優劣の決着」が最終的に
行き着く先は結局兄弟ゲンカだったりするなんて
展開も皮肉とユーモアが効いていて面白いし、
終盤にきて突然キャラ立てはじめる医者が
「仁義」を思わせる憎い演出をするところもたまらない。

よく練られた、レベルの高い脚本だとは思うのですが、
思わせぶりに振舞っておきながら結局なんだかよく
わからないままストーリーの隅に置かれてしまった感の
あるアイリーンはちょっと残念だったかなという気も。
チョイ役のアーネスト・ボーグナインや社長役の
ゴア・ヴィダルという人が見た目からして存在感発揮
しまくってて、ウマが擦れてしまうというのも若干アリ。

「他人にすげ変わる」という作品というと97年の本作に
対し99年の「リプリー」を連想するのですが、本作に
おけるジュードの存在がリプリーのキャスティングに
影響を与えたのかなーという気もします。
まあリプリーはかなりヘッポコでアレな作品でしたけど。

巧みに計算されたショットとしての一枚絵や照明、
メインテーマ「The departure」の美しすぎる旋律に
思わず涙してしまうとか、端々まで配慮の行き届いた
演出も卑怯で、妙なエロティックを感じさせるという
意味では「シングル・マン」なんかも連想させ、なんだか
とにかく名作を観ているという気にさせられること請け合い。
なるほど、玄人好みの渋い一本でした。オススメ。

教会と鳩

以前レビューした「男たちの挽歌」に引き続き
今回は「狼 男たちの挽歌・最終章」を
鑑賞しましたので本日はこのレビューをば。

凄腕の殺し屋・ジョンは、銃撃戦の最中に
無関係の歌手・ジェニーを巻き込んでしまう。
顔を負傷し失明、心に深い傷を負った彼女に
責任を感じるジョンは正体を隠し彼女に接する。
因果な商売から足を洗うことを決意した彼は、
彼女の角膜移植の金を稼ぐべく最後の仕事に挑む。
しかし、危険を顧みない硬派な刑事・リーに
その尻尾を掴まれると同時に、それがジョンの
組織の足元に泥をつける形となり、ジョンは
抜けようにも抜け出せない板ばさみにされてしまう…
というのが大まかなあらすじです。

ジョン・ウー監督、チョウ・ユンファ主演(ついでに
ツイ・ハーク製作)で、邦題は「挽歌」の名を冠して
いますが、実はセガールの「沈黙」シリーズみたいな
もんで、原題は「The Killer」という別に
マークともケンとも何の関係のない本作品。
しかし「ジョン・ウー」という監督が、その持てる力を
いかんなく発揮したまさしく最高傑作とも言うべき作品で、
このクライム・アクションとしてのストーリー・演出が
全世界でいかに影響を与えたのかが伺い知れます。

件名の通り冒頭から「教会と鳩」が登場して
にわかファンなら思わずニヤリとしてしまうわけですが、
無印「挽歌」からもわかる通り、ジョン・ウー作品が
何故これほどまでに優れているか、評価されているか
というのはひとえに暑苦しいまでの人間ドラマにあり、
必ずしもガン・アクション一本が見所ではないのですよね。

ストーリーは非情になりきれない殺し屋と、正義のため
時には無法を通す刑事、その二人を中心として
複雑な蜘蛛の巣のように張り巡らされた人間関係を
ドラマチックに描いていくわけですが、この「もし二人の
就くべき職業と立場が違ったら」と観客の目に映える
殺し屋と刑事、何者にもなれなかった底辺を這いずる
者たちの心の葛藤や友情の描き方が素晴らしい。
この「追う者と追われる者」という二本の平行線が
中盤でやがて一つに交わり、最も盛り上がる最高に
緊張感溢れるシーンへと繋がるという演出や設定は、
「ヒート」や「インファナル・アフェア(実はリメイクの
「ディパーテッド」しか観てませんが)」「アメリカン・
ギャングスター」といった後年の名作へ脈々と
受け継がれているのではと思わせられます。
そもそも「非情になりきれない殺し屋」なんてのも
「レオン」がまんま丸パクリしてんじゃって話ですしね。
「キルビル」を撮るにあたり、タランティーノが主演の
ウマ・サーマンへまず一番にやったことは、本作の
ビデオを観せたというのもまた頷けるエピソード。

そしてその暑苦しい「男の世界」における激しい
銃撃戦により、罪のない女子供でさえ容赦なく
巻き込まれ犠牲になるという「静かなる暴力と狂気」
という、監督が作品を通して伝えたいという本来の
メッセージ性も強く打ち出されており、「挽歌」の
荒削りな作りから作品に磨きがかかっています。

二挺拳銃を構え、スローモーションで横っ飛びする
例の「ジョン・ウーアタック」も本作では多用されて
いますが、やっぱりランボー並に「なんでこんなに
ヤクザ一杯出てくんだよ!」っていうクライマックスの
銃撃戦では吹かされてしまいますね。
寡黙すぎてかえって面白いグラサンヒットマンも顕在。
あと死にそうで死なない組織のボスとか超かわいそう!

かつての西部劇にも通ずる、「スティール・ボール・ラン」の
リンゴォが言うところの「時代遅れの男の世界」があり、
それはまさしく一言で表すならば「仁義」。
「レザボア・ドッグス」のラストにおいて、ホワイトとオレンジが
それぞれ「それさえしなければお互い生きながらえたのに」
という行為や、「セブン」のデヴィッド刑事が「それだけは
やってはいけない」と言われた行為、アジア的価値観から
したら「筋を通しておかなれけばならないものがある」
「許してはおけないものがある」という「感情の爆発」は、
人間に本来備わった物だと改めて思わされた気がします。

クサすぎて思わず鼻で笑ってしまうという人もいるかも
しれないし、必ずしも万人受けじゃないとは思うんですが、
それでもやっぱり今を生きる「男」全てに捧げたい作品。

トレードマークは大事

奇才、ウェス・アンダーソンが今度は
パペットアニメに挑戦!?ということで、
新作DVD「ファンタスティックMr.FOX」を
鑑賞しましたので本日はこのレビューをば。

気取り屋のトリ泥棒、フォクシー・フォックスは
自身の自惚れと間抜けさから恋人のフェリシティと
共に罠にかかった時、彼女から妊娠の事実と
「もう泥棒なんて真似はやめて」の言葉が告げられる。
それから人間時間で二年後、狐時間にして十二年後。
三流新聞の記者として働くフォックスは、野生動物
として何か偉業を残したいという思いから、家族揃って
惨めな穴倉暮らしから一本木の新居へと移り住む。
そこで耳にしたのは、見た目は違えど腹黒なのは一緒と
噂の農場経営者、ボギス・バンス・ビーンの三人だった。
フォックスは人生最大にして最後の大仕事として、
住居管理人のフクロネズミ風の生き物、クライヴを
引き連れてそれぞれの農場へと盗みに入る。
仕事自体は大成功に終わるも、当然のように三人は
怒り狂い、フォックスを捕まえるために土地を荒らして
回ることで、やがてフォックス一家のみならず森の住人
全員が追い詰められていくことに…というのがあらすじ。

児童文学「父さんギツネバンザイ」を原作に、
「ロイヤル・テネンバウムズ」や「ダージリン急行」で
知られるウェス・アンダーソンが自身の新たな新境地、
ストップ・モーションアニメに挑戦という本作品。

ウェスがこれまでに発表してきた作品からもわかる通り、
お話のストーリー自体は「基本的には性格カスな一人が
原因で家族がバラバラになりかけるが、しかしそのカスが
奮起することで雨降って地固まる」というテンプレ展開、
しかしそのテンプレに匹敵するほど元々ウェスの創造する
キャラクターは漫画的であり、その「話としてのお約束」、
「個性的な登場人物」をアニメに置き換えると、これほど
までに更に輝きを増すとは正直予想していませんでした。

なかのひとはVFXよりも現実のスタントや特撮の持つ
温かみを有難がるアナログ・アナクロ懐古野郎なので、
パペットを用いた、なおかつ表現力溢れる今回の
アニメーションも個人的に大ヒット。
童話の中から飛び出してきたようなコミカルな
表現に腹を抱えて笑い、はっと息を呑むような
一枚絵としての美しさに時に涙すること請け合い。

冒頭でウェスを「奇才」と表記しましたが、本作では
天然肌なのは変わりないにしても「天才」へと
変貌、あるいは今まで見せてきたその片鱗が
確信へと変わったと言ってもいい、まだ40代にも
関わらず老練の域に達している、計算され尽くした
演出・脚本の作り込みも凄まじく、キャラクター同士の
しがらみと邂逅の描写はより一層深くなり、
西部劇やギャング映画を連想させるクライム・
アクション的演出には思わず手に汗握り、そして
相変わらずセンスのいいBGMの使い方と、今までは
「大人向けの地味なヒューマンドラマ」というイメージの
作品を撮っていた彼が、今回はまさに誰もが楽しめる
一大エンタテイメントを作り上げました。

ビル・マーレイにオーウェン・ウィルソンといった
ウェス作品お馴染みの面子に加え、なんだか
わけのわからない豪華な顔ぶれが声優として
登場しているのも余談で、主人公のフォックスに
ジョージ・クルーニーがあてられているのをはじめ
としてメリル・ストリープやウィレム・デフォー、
マイケル・ガンボンと本当マジで「なんで?なんで?」
というわけのわからない力の入れように眩暈さえ覚えます。
まあそこまで声優を意識する作品でもないんですけど。
ジェイソン・シュワルツマンは「ダージリン」にもいたし
「スコット・ピルグリム」でギデオンをやってた人なのね。
これは今後要チェックな人材かも。

2009年度アカデミー長編アニメ映画賞において
「カールじいさんの空飛ぶ家」に惜敗を喫して
しまった本作品、あっちもボロ泣きしたし受賞も
頷ける出来なのですが、個人的にはこっちのが好き。
派手さとか変なとこで大人を狙い撃ちしてくるのは
カールじいさんの方が一枚上手なのはわかるけどね…

そんなわけで、老若男女関わりなく、そして
クレイ・アニメやパペット・アニメ等古き良き
ストップアニメーションに慣れ親しんだ人であれば
尚更楽しめる間違いなく名作です。超オススメ。

ヘイムダル様が見てる

「キャプテンアメリカ」と順番は入れ替わって
しまったわけですが、新作DVD「マイティ・ソー」を
視聴しましたので本日はこのレビューをば。

天界・アスガルドに住むオーディンは年老いて、
己の力に自惚れる第一王子・ソーにその王位を
引き継ごうとするが、その記念すべき式典の日に、
かつての仇敵・氷の巨人が武器庫へと侵入する。
式典を延期されたソーは怒り狂い、事の真相を
探るべく、父親の定めた禁忌を破り、数名の部下を
引き連れて巨人の国”ヨトゥンヘイム”へ潜入する。
この振る舞いにオーディンはソーを「王の資格なし」と
見なし、彼の神通力を奪い地球へと追放してしまう。
様々な裏工作を施してきた第二王子・ロキはこれを
好機と見なし、王位に就くために本格的な行動へと
移るのだった…というのがおおまかなあらすじ。

アベンジャーズの「BIG3」の中でも最も武力に
優れた存在であり、それもそのはず北欧神話の
神様である「ソー」を描いたのが本作品。

神であるソーが何故地球に降り立ったのか、
そして神器「ムジョルニア」を扱う力を奪われ、
ただの人間(と言うにはあまりにもパワフルすぎますが)
になってしまった彼が人々との交流を通じ、
人間的にも神様的にも成長していく…というのが
ストーリーの概要なわけですが、そんなことより
マーベルクロスオーバーにおいても顕著な
「あんまりに強すぎるもんだから肝心な時には
役に立たなかったりいなかったりする」という
ソーをどう描くかというのが多分一番の見所で。

通称トールハンマー、「ムジョルニア」を携えた
ソーは文字通り「百人力」、アスガルドでも
トップクラスの戦士が巨人一人を倒すのに
てこずってる間にハンマーの一振りで百人
殺してるってな無双状態なもんだから、
ソーが敵と戦う場合は常に力を奪われてたり
人質を取られてたりと、かなりの量のハンデが
課せられた状態で始まるのに吹かされます。
まあ実際ムジョルニア持ったソーって
マーベルでも最強クラスと言われるらしいし
単純にまず勝てる相手じゃないんですが。

それはさておき、傲岸不遜だが妙な愛嬌の
ある男、ソーを演ずるのは近年になって
映画界に顔を出すようになったクリス・ヘムズワース、
これがもうクリス・ジェリコかトリプルHかという
アメプロから飛び出してきたような容姿で、
脳筋の「ソー」というキャラがそのビジュアルの
時点でよく描けていると思います。
馴染みのない名前、トム・ヒドルストンがソーの
弟・ロキを演じているわけですが、これがまた
クリストファー・ウォーケンのような所謂キチガイ顔で、
「ゴッド・アーミー」におけるガブリエルのような、
愛と嫉妬の憎悪に葛藤するというキャラクターが
脚本的にも実にマッチしています。
オーディン役にはアンソニー・ホプキンス、
ソーの恋人・ジェーン役にはナタリー・ポートマンと
何でかアカデミー級の俳優も名を連ねている
わけですが何でかはよくわからない。
あと浅忠。

「アイアンマン2」におけるラストの「ムジョルニア」の
描写を絡めたり、「キャプテンアメリカ」における
「コズミックキューブ」の存在が本作でも要所要所で
描かれていたり、もしくは漫画版のソーの人間と
しての名前「ドナルド・ブレイク」が生かされたりと、
コミックや映画を追って来た新旧のファンがニヤリと
させられる演出があったり、当然の如くニック・フューリーが
最後に登場して盛大に吹かされたりと、ファンサービスの
旺盛な作品ですが、なんだろう、やっぱりソーは
あのダッサいバイキングヘルム被ってないと
ちょっと物足りない気がしてしまうというか。
ついでに言うと本作も「キャプテンアメリカ」同様に
「アベンジャーズ」のためのオリジンであって、
不完全燃焼な気分を味わわされてしまいました。

「アヴェンジャーズ」への期待を煽るのは大いに
結構なんですけど、「アイアンマン1~2」で見せた
「とりあえず出しきっちゃおう」感がないのは残念。
出し惜しみするのはよくないよね…
そんなわけでソーの無双っぷりに噴飯しつつ、
あくまで本命への布石と割り切って鑑賞しましょう。

抜けるのは難しい

「男たちの挽歌」の大ヒットを受けて
翌年に製作・公開されたという「Ⅱ」。
本日はこの作品のレビューを行いますよ!

麻薬・偽札製造組織のトップ・シンは斃れたが、
地下の活発な動きが収まらないことに業を
煮やした警察は、かつて組織に所属し、今は
カタギとして造船所を経営するロンに疑いをかける。
そして再び刑務所へ舞い戻ったホーへ囮捜査の
話を持ちかけるが、ロンに恩義を感じている彼は
一度はその誘いを蹴るも、弟・キットが命の
危険を冒し既に潜入捜査を行っていることを知ると、
彼を捜査から外す条件で囮役を引き受けることに…
というのが大まかなあらすじです。

まさしくユンファの、そしてジョン・ウーアクションが
遺憾なく発揮されていると言える本作品。
前作の激しい銃撃戦の最中でマークは死に、
ホーとキットは兄弟の絆を取り戻すが、ホーは
再び檻の中へ…という流れをそのまま汲んで
いるにはいるんですが、なんというか香港映画の
続編モノにはありがちな、ドラマ部分がもうホントに
しっちゃかめっちゃかであってないようなもんで。
前作・本作共に製作ツイ・ハークなんですが、この
支離滅裂っぷりはなんかすごくツイ・ハーク臭がする。

色々書くことは多いというか、色々詰め込み過ぎてて
書ききれないと思うんですが、本作で一番に抱く
印象は「ロンさん虐待映画」とでも言いましょうか。
ヤクザから足洗ってカタギで商売してるのに
警察からは睨まれるし無実の罪で国外逃亡したと
思ったら追っ手に絡まれて何故か精神病院に
入れられて酷い虐待を受けるしその間に最愛の娘は
本国でヤクザに口封じのために唐突に殺されるわで
もう踏んだり蹴ったり。
でもそんなロンさんの演技はかなり気合入ってます。

んで、ロンさんが逃亡した先がニューヨーク
なんですが、ここで都合よく登場するのが、
海外に一人転身してチャイナレストランを
経営する、マークとは双子の弟にあたるという
掟破りの設定を引っさげた男・ケン。

そんなわけで「キットとホーの潜入捜査編」と
「ロンとケンのニューヨークドタバタマフィア
抗争編」を交互にやるもんだから観客的には
これどうやって着陸点見つけるんだ?と呆れ顔。

しかし終盤、覚醒したロンさんと共にケンが
香港に舞い戻り、四人が一堂に会してからは
やっぱり見所で、というか、ストーリーは
あってないようなのは同じだし、要所要所で
とりあえずスタイリッシュなフリをしとけばいいや
みたいなノリなんですが、これが本当に
カッコ良くて許せてしまう気がするのがズルい。
兄・マークと同じサングラスをかけ、マッチ棒を
くわえ、形見の銃創だらけのコートを羽織るケン。
そしてその空いた穴に手榴弾を引っ掛けるという
粋な演出、それだけで「ああ、俺この映画観て
良かったわ」と思えてくる不思議。

クライマックスのカチコミかけるシーンなんかは
もう人殺しまくりっていうかいやなんでそんなに
ヤクザいっぱいいるの!?っていうぐらい
人殺しまくるわけなんですがどうでもよくなります。
マークと謎の殺し屋のスタイリッシュバトルとか、
唐突に出てくる日本刀とか、これでもかとやりたい
放題な演出観てると本当何でも来いという気分に。

続編モノとしてのズレとか、スタイリッシュの追求の
ためにストーリーがズッタズタに犠牲にされた感は
あるのですが。キットとかすごい可哀想だし、
前回からホーを影から支えてきたタクシー会社の
キムさんとか今回キャラブレまくりだし。
頭カラッポにして派手なアクションにキャッホー
キャッホー言うには申し分ない男の子感満載。
そりゃユンファがユンファが言うよ。二丁拳銃最高。

葬式帰りの喪服だとか落ちぶれたヤクザだとか、
二丁拳銃だの日本刀だの、この作品を観ると
タランティーノがここから影響をどれだけ受けた
のかがよーくわかります、ていうか受けすぎだ馬鹿!
「トゥルー・ロマンス」にも本作の映像出てくるしね。
後年にジョン・ウーは「北野武の映画が好きだ」
と述べてたりするそうですが、これより後の
北野作品におけるヤクザの描写やカタルシスは
少なからずジョン・ウーの存在があるような気が
しますし、変わったところではJOJOの虹村兄弟の
「DIOに化け物に変えられてしまった親」の
元ネタがこんなところにあったことを知ったり
(荒木は本当色んな映画からネタ拾ってくるな!)、
本作が如何に多くのクリエイターに対して多大な
影響力を与えてきたのかが伺い知れます。

全体的にドラマに重点があって、地味な無印の方が
個人的には気に入っているのですが、派手な
アクションやおバカさ加減においては大幅な
パワーアップをしている本作も十分オススメ、
一度は観ておかないと人生大きく損してるかもね!

入るのは簡単だ

ジョン・ウーがその名を全世界に知らしめることと
なった名作「男たちの挽歌」シリーズ、
長年セルDVDしかなかったこれらの作品が
実は最近レンタル化開始していたということを知り、
早速無印とⅡを鑑賞しましたので、本日は
無印の「男たちの挽歌」のレビューをします!

ホーとその弟分マークは偽札製造に携わる
ヤクザだが、ホーは実の弟であるキットが
警察官を目指しているという事実を知り、
次回の取引で完全に足を洗うことを決意する。
しかし取引相手にハメられ銃撃を浴びた挙句、
警察に包囲されやむなく自首することに。
三年の懲役後、真人間になろうとするホーだったが、
シャバで見た現実は、ホーがヤクザだった
事実を知り、そしてまた組織の口封じのために
父親が殺されたことに絶望し兄を拒絶するキット、
ホーのお礼参りが原因で右足を不具にされ、
今や組織の小間使いに落ちぶれたマーク、
そして三年前の事件の際、ホーが身を盾にして
守ってやった三下のチンピラ・シンが大幹部に
出世し、マークをアゴでこき使う姿だった…
というのが大まかなあらすじです。

80年代半ば、未だにカンフー映画一辺倒という
イメージのあった香港映画界隈にあって、裏社会の
暴力の臭いが漂う「香港ノワール」という全く新しい
一大ジャンルを打ち立てた記念すべき作品。
何かとユンファが、ユンファがと一人歩きしている
イメージの強い気がするというか、なかのひとも
ユンファのガンアクションがまず第一の目当てに
あって鑑賞にあたったわけですが、本作を名作
たらしめているのは三人の男の生き様と死に様、
その暑苦しくも切なくて美しいドラマにありまして。
ついでに言うと主人公はユンファでもレスリー・チャン
でもなくてちょっと頭の禿たオッサンてのも意外。
主演のティ・ロンって人はそもそも出演作が少なくて、
調べたところ「続・片腕必殺剣」にもいたそうですが
はて何処にいたのか全く記憶にない…

それはさて置いて、ヤクザから足を洗うために
ひたすらに新しい仕事に打ち込み、真に弟が
誇れる男になろうと目指すホー、そんな彼の前歴が
原因で思うように警察での出世が見込めず、彼を
己の不幸の全ての元凶に見立ててしまうキット、
三年間の辛酸を嘗め尽くした末、ホーと共に
自分たちを使い捨てにした組織への復讐を
心に秘めたマークと、「何者にもなれなかった
這いずる者たち」がそれぞれ違った道を見据え、
お互いに交錯しあい、やがて一つの結末へ
集束していく脚本が実に男臭くて素晴らしい。

例えば、危険な捜査に単身踏み込もうとする
キットを兄が諌めるシーンがあるのですが、
キット自身も命の危険があることを知っていて、
しかし出世への焦りや兄への反抗が先行して
しまい、本当は心の底では兄も弟も強い絆で
結ばれているはずなのにそれを素直に受け入れる
ことができない…!という、キャラクターの心の
葛藤が画面を通じて観客にビンビン伝わってきます。

本作に関して言えばアクション「も」見所の一つ、
と言った具合で、確かにユンファがユンファがと
いうのもないわけではないのですが、やっぱり
ドラマ面の方をピックアップして語りたいところ。
序盤の見せ場、マークのお礼参りのシーンは
ノワールとしてのある種の美学に溢れていて
美しかったり、終盤のド派手な戦闘シーンは
なんだか突きぬけちゃって「三人のランボー」みたいな
状態でよくわからない面白さがあったりもしますが。

映画界に多大な影響を与えたという意味でも
是非鑑賞していただきたい金字塔的作品、
次回は「Ⅱ」のレビューを続けて行いますよ!

荒野のエイリアン

はい、というわけで「キャプテンアメリカ」と
同日に観てきた「カウボーイ&エイリアン」の
レビューを本日は行いますよー。

荒野の真ん中で目を覚ました男。
彼は右脇腹を負傷し、左手には奇妙な装飾が
施された鉄枷が嵌められており、そして
自分が何者かを全く思い出せなかった。
軍人上がりの牧場主・ダラーハイドが治める
寂れた街に辿り着くと、彼は泣く子も黙る
100万ドルの賞金首「ジェイク・ロネガン」で
あることが判明し、人々は恐れおののく。
彼は自分の犯した罪も思い出せないまま鎖に
繋がれ、州首都まで護送されようというその晩、
突如謎の飛行物体が街を襲撃し、当たり
一面火の海の地獄絵図、人々は次々に
飛行物体の人間狩りの餌食となっていく。
その時、ジェイクの鉄枷がアラーム音と共に
まばゆい光を発しはじめ…!?
というのがおおまかなあらすじ。

「今度はゴールドラッシュに沸く西部に
エイリアンが襲来!」という本作は、調べてみると
なるほどグラフィック・ノベル原作ならではの
破天荒な設定だと同時に、「007」の新生ボンド
として知られるダニエル・クレイグ主演と、
既に齢70近い名優、ハリソン・フォードが
助演とキャストもえらい気合入ってます。

で、その、本作品の何がヤバいって、「西部劇」と
「SFアクション」、その両立をクソ真面目に
取り組んでるってことで、西部の荒くれ者が
外敵を前にして現地の人々を敵味方なく一つに
束ねるなんて設定だとか、鬼と恐れられていた
冷酷な男がなんだか話が進むに連れてどんどん
ツンデレの強キャラ化していくだとか、陽炎の立つ
荒野を歩く男を遠巻きに取るショットだとか、
西部劇としての「あるある」をこれでもかと詰め込み、
そこへ「プレデター」や「第九地区」に代表されるような
割とエグいけど妙にコミカルな異星人を話に
絡めてくるというウルトラC級の捻り具合。
エイリアンが地球に侵略してくる理由がまた
割とどうしようもないへっぽこな内容なのもまたよし。
あと記憶喪失の荒くれ者が西部でエイリアン相手に
謎のビーム射出装置でドンパチなんて設定は
寺沢武一の「コブラ」のようでもありますね。

そんで「第九地区」の、ヨハネスという土地に対して
少なからず風刺や皮肉を込めたという作風のように、
アメリカ開拓者が取ったネイティブアメリカンに対する
侵略と迫害もまたエイリアン襲来という形で表現したの
だろうか…という錯覚も途中までは覚えるのですが、
やっぱりただの錯覚で本当にただのバカ映画でした。

本作品を観ている間、やたら名作西部劇「駅馬車」の
ことが頭をチラついていたのですが、それもそのはず
製作者がショット等をかなり本作の参考にしたとのことで、
その「駅馬車」に出演していたジョン・キャラダインの
息子、故・デヴィッド・キャラダインの弟にもあたる
キース・キャラダインがチョイ役で出演しているのも
粋な演出というか嬉しい配慮というか。

なんかわけのわからない強キャラと化していくってのが
ハリソン・フォードの役柄なわけですが、洞窟での
アクションシーンなんかはかつての「インディ・
ジョーンズ」シリーズも彷彿させたりして、この辺含め
役者補正かけすぎだろ!とか思ったりするけども
本当映画好きの映画バカが作ったんだなあ、としみじみ。

その辺の培われたノウハウからか、謎の男・ジェイクの
徐々に素性が明らかになっていく過程は大いに興味を
引かれるところであり、ただのドンパチ映画に終始して
いないことや、これは演出なのかアドリブなのかちょっと
判断つきかねるのですが、爆破から逃げるシーンの最中
爆風で埃まみれになりながらも、吹き飛んだ帽子を
拾って被り直すダニエルの役者魂を垣間見たりと、
本作での見所シーンはこれでもかとてんこ盛り。

従来の西部劇からマカロニウェスタン、はたまた
「エイリアン」や「プレデター」といったSFモノ、
どちらかに詳しければ何かしら「あー!あー!」と
頷けて、両方詳しければきっと大好きになれる、
ぶっちゃけタランティーノみたいな人が大喜びする本作。
アルバトロスみたいな作風をハリウッドが本気出して
取り組んでみましたみたいな内容。オススメ。
プロフィール

マイケル・チバ

Author:マイケル・チバ
シルバーレイン
マイケル・チバ(b30277)
薬師寺・米(b41960)
を経て、
現在はエンドブレイカー!
マーヴィン・ジェント(c06527)
にて稼動中。

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