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踊り方がわからない

色々あってようやく劇場に足が運べ観て来たのが
「キャプテン・アメリカ」と「カウボーイ&エイリアン」!
流石に同日三本はつらいので「三銃士」は見送り。
そんなわけで本日は「キャプテンアメリカ」の
レビューを行いたいと思いまーす!

第二次大戦真っ只中、軍に従事し死亡した
両親を持つ、天涯孤独のスティーブ・ロジャースは
自らも国のためと兵士に志願するが、その強い意志と
裏腹に生まれつき貧弱な身体を持つ彼は、
五度の志願全てにおいて門前払いを食らっていた。
そんな彼に目をつけたのは、軍の「超人兵士計画」に
携わる科学者、アースキン博士であった。
正しき心に可能性を見出したアースキンはスティーブに
「超人血清」を投与することにより、晴れてスティーブは
人間の肉体を限界まで高めた能力を手に入れるに至る。
一方、ナチスの特殊兵器開発部門を務めるシュミット、
通称「レッドスカル」はオーディンが携えていたという究極の
エネルギー体「コズミック・キューブ」の入手に成功していた。
実はシュミットもまたかつて「超人血清」を投与されており、
正義のスティーブとは真逆に邪悪な心を増幅させた彼は
密かに世界の破滅を目論んでいた…というのがあらすじ。

マーベルコミックにおけるヒーローチーム「アベンジャーズ」に
おける御三家、「ビッグ3」と呼ばれるアイアンマン、ソーに
続く最後の一人「キャプテンアメリカ」が主人公の本作品は、
ビームを出せず鉄の爪も持たない、あくまで「人間として
限界まで高められた能力」を持つ彼が、どうして後に
様々なヒーローやミュータント達からの支持を得るに
至るのか、その単純かつ明確なオリジンを描いています。
要するにスティーブというキャラクターがどうしようもなく
朴訥で正義感溢れる愛国バカってことなんですけども。
嫌味のないそのままの意味でね。

「ソー」が未見なので詳しくは語れませんが、物語に
関わってくる重要アイテム「コズミック・キューブ」が
ソーの上司にあたるオーディンの持ち物だったり、
キャプテンを支援するアメリカ兵器開発部顧問が
「アイアンマン」ことトニー・スタークのお父さん、
ハワード・スタークだったりとクロスオーバーを
臭わせる演出プンプンでにわかファンでもニヤリ。

ただ、そういった演出もやはり来年夏に公開予定という
「アベンジャーズ」への布石であり、本作はいささか
前日譚のプレビュー版といった内容を思わせたり、
第二次世界大戦を背景にタイツヒーローが対決する
という構図は、仕方ないとは言え演出的にちょっと
ズレがあったかなーと思わないことも。
予告だとそうでもなかったけど、通して観るとやっぱり
軍人に紛れて戦場駆け回るキャップはその…うn。
かつてのキャプテンはスーパーマンやバットマンの
ように「不殺」設定があったらしいのですが、コミックの
近代化につれそれもなかったことにされたとかいう話で、
映画でもバンバン銃撃ちまくって人殺しまくるキャップに
ちょっとカタルシスが足りないなあという気分も。
社長みたいに酒!女!あとバトル!という単純さに反し、
キャップのキャラクターや世界観のシビアさが作品に
対し様々な軋轢を生んでしまったように思えます。

それはさておきキャスティングがなかなか妙で、
一番の印象に残るのはやはりトミー・リー・ジョーンズ。
彼が参加しているとは知らなかったのですがそれが
かえって拾い物で、今回はリー・マーヴィンのような
実直で骨太な軍人役を好演、既に数え切れないほど
様々な軍人役として出演している彼の演技は堂に
入っており、超人の闊歩するというファンタジックな
世界にあって彼のようなキャラクターの存在が
作品にある種のリアリティを与えてくれます。
「マトリックス」のスミスでお馴染みヒューゴ・ウィービングも
宿敵「レッドスカル」を余裕すら感じさせる演技で
振舞っていますし、変わったところでは
「ラブリーボーン」でのサイコ野郎を演じた
スタンリー・トゥッチが今回は正義の科学者役。
超人血清開発者っていうマッドサイエンティスト
スレスレなところがまたキャスティングの妙。
忘れちゃいけないというか、特筆すべきでもないけど
書かなきゃいけない気分にもさせられるのが
お馴染みニック・フューリー演じるサミュエルジャクソン。
このオッサンある意味出オチみたいなもんで、
最後にチョロッと出てきて「アベンジャーズへようこそ
フフフ」みたいなこと言うだけなのに、むしろそれだけの
出番なのが最高に吹かされてしまうから卑怯。

あくまで「アベンジャーズ」に対する予習、準備運動
という印象を受けたものの、それでも「アベンジャーズ」
への素直な期待は高まりつつあるし、今後ウルヴィーや
スパイディ、F4等の有名マーベルキャラも絡めた
壮大なクロスオーバー企画も実現しないものかと
勝手な妄想も膨らんでいくだけに、この作品は
その布石に対する偉大な一歩だともやはり思えるわけで。
DCもこれに乗じてスーパーマンとバットマンが
ガチで殴り合いするような映画撮ってくんねぇかなぁ…
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ステイクランドへようこそ

なかなかイケてるB級映画があるってことで
今回鑑賞したのが「ステイクランド」。
本日はこの作品のレビューをしたいと思います!

突如世界に大量発生した「吸血鬼」。
またたく間に都市部は機能を停止し、荒廃した
世界で幼いマーティンも家族を奪われてしまう。
そんな彼を救ったのが、本名もわからない
正体不明の吸血鬼ハンター、「ミスター」だった。
ミスターはマーティンを保護すると同時に、彼の
素質を見出しハンターとしての技術を叩き込む。
二人は吸血鬼のいない土地とされる、カナダの
「ニューエデン」目指しひたすらに北へ進むのだが…
というのがおおまかなあらすじです。

「吸血鬼」というのが例えばゾンビなのか、
それとも実際の「吸血鬼」が現れたのか、
それとも「28日後」のような似非ゾンビなのか
作中でははっきりと語られないのですが、
カテゴリ的にはゾンビ・ロードムービーに
該当するであろう本作品は、あらすじ・
ジャンル共に「ゾンビランド」の大ヒットを
受けて製作した空気がプンプン。

しかしシビアな世紀末を生き抜く中年と少年
という姿はどちらかというと「ザ・ロード」を
連想させ、見ず知らずの身重の女性のために
身分や人種を超えてお互いを守りあう姿は
「トゥモロー・ワールド」と、近年に見られる
終末を描いた名作のエッセンスがちらほら。

じゃあただのゴッタ煮の作品かと言えば
そうでもなくて、本作を面白くしているのは
キャラクターの造形と脚本、これに尽きます。
ちょっとメキシコ系っぽい正体不明のハンター、
しかも「ミスター」を名乗る師匠とかもうこれだけでも
面白いけど、本作に一番最初に登場するヒロインが
中年のおばはんで、でもそのくせやたらヒロイン
ポイントが高かったり、あとお約束のようにいきなり
パーティに加入する面白黒人とかネタ的な側面と、
ミスターに導かれるようにして次第にサバイバル
能力を身につけ大きく成長していく主人公・マーティンや
誰ともわからない男をその身に宿す第二のヒロイン・
ベルといったガチ的な側面を交互に織り交ぜる
ことによって、観客は感情を上下に揺さぶられます。

この「緩急のつけ方」っていうのが展開にもよく
表れていて、ほんのつかの間の平和を享受できても
すぐに外界の敵がブチ壊しにして、やがて仲間は
一人・二人と減っていき、彼らは追い詰められていく…
という緩やかな閉塞感・絶望感がとてもよく描かれています。
そういう中でまたまた若干大袈裟なネタ的演出を
織り交ぜてくるのですが、変に鼻につかないのは
やっぱりキャラクター補正が効いてるんじゃないかなと。
さりげない心遣い・配慮が作品の随所から感じ取れます。

ミスターのパーティがあまりに統率が取れすぎてて
キチガイの一人も欲しくなってくるなんてのは
「ドッグソルジャー」でもあった贅沢な悩みだったり、
世紀末・ゾンビ映画と言えばもはや外せない
マッドマックス軍団は本作で不在だったりと
ちょっと物足りない部分はあれど、それだけに無駄を
省いたキッチリとしたソリッドな作品に仕上がっています。

低予算、実はアクションシーンはそんなに多くない、
既に出尽くした感のあるジャンルの作品というと
先日観た「スカイライン」も連想したわけですが、
しかしなんというか、人間ドラマをキッチリ作り込む
だけで印象ってのはガラリと変わるもんなのだなあ…
「話を面白くするにはディティールが肝心だ」という
台詞がレザボア・ドッグスにありましたが、まさしく痛感。

無名の役者陣でなんか野暮ったいオッサンだとか
微妙に可愛くない女性陣とか、そういうのが
逆に作品にある種のリアリティとか親近感を
与えている気もするのですが、これが例えば
ヴィゴ・モーテンセンやガイ・ピアースがミスター役で
出ていたら…出ていたら…!なんて考えてしまう
ところあたりハリウッド病に侵されている、よくない。

色々書き連ねたようにとにかく佳作・良作です。
「ゾンビランド」や「28日後」から、「ザ・ロード」や
「トゥモローワールド」のような、人間ドラマを交えた
世紀末ロードムービーが好きな方には是非オススメ。

顔はやめときな!ボディボディ!

話題の作品「ザ・ファイター」が新作DVDで
レンタル開始、ようやく鑑賞ができましたので
本日はこの作品のレビューを行います!

平凡な田舎町、ローウェルの地元有名人
ディッキーは「シュガー・レイ・レナードから
ダウンを取った男」として知られていた。
そんな彼に憧れて同じプロボクサーとしての
道を目指した、10歳ほど歳の離れた弟・
ミッキーは、今や薬物中毒で落ちぶれた兄と
プロモーター気取りの母親に挟まれ、
まったく成績を残せないまま低迷していた。
バーで知り合った恋人・シャーリーンとの
出会いによって彼の人生が上向きになるかと
思いきや、身勝手で軽率な兄が警察との
暴力沙汰を起こし、この仲裁に入ったミッキーは
警官の棍棒で右拳を激しく殴打されてしまう。
兄は刑務所に収監され、弟は大切な拳を砕かれ、
お互いに大きなダメージを負うこととなるが、
これが彼らにとって大きな人生の転機となる…
というのが大まかなあらすじです。

実在のプロボクサー、ディッキー&ミッキー兄弟を
テーマにしたという本作は、家族の確執と絆、
それらを乗り越えた先にある栄光を描いた感動作。

何を置いてもまず一番に目を引くのがやはり
主演のマーク・ウォールバーグと助演の
クリスチャン・ベールの存在で、「デ・ニーロ
アプローチ」という言葉が生み出される原因となった
「レイジング・ブル」もまたボクシング映画だったのと
同様、徹底的な減・増量や、歯を抜くだの頭頂部を
剃るなどキャラクターの狂気の作り込みがすごい!
過去の栄光にすがり、薬物に溺れていくダメ男というと
「ブギーナイツ」で主演を果たしたマークの姿が
思い当たるわけですが、彼は製作にも参加している
とのことで、この辺のノウハウが今回クリスチャンに
生かされているのではないかなーと思いますね!

「家族の絆」と「ショウビズ」の両立、というと
ダーレン・アロノフスキーの「レスラー」を連想する
わけですが、どうしても家族とのよりを戻せない、
或いは新しい家族を増やすことのできない
不器用な男・ラムに対し、ミッキーの立場は
高慢な母と身勝手な兄に抑圧され、ズブズブの
家族経営の体制に押し潰されてしまいそうな
悲鳴を心の奥底で上げているというもので、
離れすぎていても駄目、ベタベタでも駄目、
まっこともって人付き合いは難しいと痛感。
そんな中、ただひたすらにミッキーのことを想い
身体を張るシャーリーンの存在がとても救いで、
不器用だろうががむしゃらに突進し、感情を
包み欠かさず表して「よりを合わせる」ことが
いかに大切かも我々に説いてくれます。

それにしてもこのミッキーという男、それなりの
腕前の兄の下に生まれ、空中分解しかけた
家族の中にあって一度は挫折しかけ、それでも
最愛の女性に支えられて世界を目指すなんて
身の上から、超スロースターターで得意技は
レバーブローなんていう玄人好みのファイト
スタイルなど、何から何までまるで漫画に
してくださいと言わんばかりの設定持ち。
この題材をチョイスしたということ自体が
「ザ・ファイター」一つの成功だと思えます。

あと全く作品には関わりないことなんですが、
カメラがたまに女性の生足をショットしようと
不自然に下がるのがちょっと面白かったです。

多種多様な人間が繰り広げるドラマの悲哀は
「レスラー」や「レイジング・ブル」、王道ボクシング
ストーリーという点では「ロッキー」といった、
男臭い感動作が好きな人であれば幅広い層に
アピールできる実に隙のない良作でした。

ゆけいスカイライン(仮)

駄目な意味でひどいという噂を聞いて
映画館に行くのは見送った作品「スカイライン」が
新作DVDでレンタル開始、鑑賞しましたので
本日はこの作品のレビューを行いたいと思います!

落ちぶれた男・ジャロッドは恋人のエレインと共に、
成功した親友・テリーの誕生パーティに誘われる。
大騒ぎの最中、エレインの口から妊娠の事実を
聞かされ大きく動揺するジャロッド。
それは置いといて、翌日早朝、突如上空に無数の
未確認飛行物体が現れ、それらはまばゆい光を発し、
人間を文字通り次々と吸い上げていくのだった。
ほんの数時間であっという間に蹂躙されていくLA。
果たしてジャロッドに、そして人類に未来はあるのか…
というのがおおまかなあらすじ。

同時期に製作・公開されてた「ロサンゼルスなんちゃら」と
頭の中でかなり混同していた本作品、それもそのはず
こっちも舞台はLA、そして今の世の中にあって取り扱う
テーマが宇宙人侵略モノ。どうしてここまで被るのか。
「ロサンゼルスなんとか」の方も未見なのですが、
どうせだからソフト化したらこっちも毒皿で観るかも。

さて話は若干逸れましたが、この作品の何が悪いって
「とりあえずやりたいこと、やれること、思いついたことは
何でもブチ込んでみました」みたいな支離滅裂さが
まずあって、それから無駄に冗長でテンポが悪くて、
そしてキャラがどうしようもないくらい薄いくせに
退場と新キャラ登場の頻度がやたら高いこと。
こうして書くと作品として詰んでるというか終わってね?

宇宙人侵略モノというと、今日既に出尽くした感のある、
一般層へのアピール度も低いジャンルだと思うのですが、
なんかこれまでのヒット作を全部ミキサーに入れて
絞った後の残りカスみたいな、どっかで見たような
展開やシーンばかり散見されるような気がするんですよね。
良い意味で頭の悪い「インデペンデンス・デイ」が
このテの作品の頂点を極めてしまっているという中、
例えば「マーズ・アタック」だとか「第九地区」、、或いは
現在の最注目作品「カウボーイVSエイリアン」といった
奇をてらったアプローチもせずに直球勝負はどうなの。
いや、実は直球勝負というわけでもなくて、多分本作品
一番の見所(というか爆笑ポイント)の、「UFOにワラワラと
吸い込まれていく大量の人間」のシーンの他、
半分ヤケクソ起こしたようなギャグに失笑が漏れます。
これが「スターシップトゥルーパーズ」並に突き抜けてたら
もっと面白いものになったかもしれない。どうだろ。

予算不足を補うためなのか、「エイリアンから身を隠す」
という名目で延々密室で喧嘩してるのも、全然
人間ドラマとして成り立ってなくてつまんない。
冒頭15分のキャラ紹介パートもかったるくていらん。

…で、ここまで書いて監督の他の作品調べたら、
そうか「AVP2」作った奴か!じゃあ仕方ないな!
兄弟でメガホン取ってるみたいですが、なんか
本当に新しいことのできない人たちなんだなあ。
完全ギャグのネタとして割り切って観る分には
まだマシな部類なのかもしれませんが、それに
したっても突き抜けた部分がなくてイライラ
させられるかもしれないし、これ観るんだったら
他にもっと良い物は世の中に沢山あるよねっていう。

………あーあー!「AVP2」で思い出した!
なんかこの兄弟やたら妊婦リョナの気がありそう!
そのフェチッ気の一点だけは評価したいかもしれない。

気分はシュドパーン

「サウスパーク」で知られるマット・ストーンと
トレイ・パーカーが撮ったコメディ「オーガズモ」に
おいて、主人公の相棒役として出演、妙なキャラ立ちで
強く印象を残した、「ディーアン・バッハー」なる人物は
マット・トレイのデビュー作「カンニバル」にも出演しており、
なおかつこれがレンタルDVD化しているってんで、
早速視聴した本作のレビューを本日は行います!

ゴールドラッシュに沸き立つ19世紀アメリカ。
ユタの金鉱に見切りをつけたシャノンは、
山を越えてコロラドへ移住しようと言い出す。
しかし案内役が昨日雷に打たれて死んでしまった
ということで、代わりに選ばれたのはほんの少し
コロラドに住んでいたということもあるという
だけの男、アルフレッド・パッカーだった。
かくして無謀な田舎者5名は新天地を目指し
旅立つのだが、パッカーの愛馬が逃げ出したことに
端を発し、彼らは次々と不運に巻き込まれる。
インディアンの部族に助けられて一命をとりとめる
ものの、なおも愛馬のことが忘れられないパッカーは
雪中行軍を強行、当然のように遭難してしまう。
食料も尽き、靴にすらかじりつく彼らはやがて
正常な判断力を失い、人間としての禁忌を犯す
狂気に走る…というのがおおまかなあらすじです。

実在の人物「アルフレッド・パッカー」が起こした
実在の殺人・食人事件を元に実写映画化した本作品。
あらすじ含め、こうして書くと凄惨なドキュ・ドラマ風に
仕立て上げた作品かと思いきや、そこは前述の通り
マット・トレイのタッグから生まれたデビュー作、
何をトチ狂ったのかコメディタッチのミュージカルに。

「本作品は事実を元にしています」というオープニングの
しつこいぐらいのプッシュから、開いた口がふさがらない
あまりにもふざけた「突然興奮するパッカー」の演出、
合間合間に挿入されるミュージカル、何故か日本語を
話しカラテを使う国辱モノのインディアンの登場等々、
やりたい放題で終始変な笑いが止まりません。
好き放題やってる中でパッカー一行のやった事実を
ちゃんと織り交ぜてくるのも始末に悪い。

無謀な冒険者の末路や、「カルネアデスの板」
的な状況、これらを全力で茶化すことによって
これっぽっちも教訓を得る物がなくなっている作品に
仕上がっているわけですが、これこそがマット・トレイ
作品であり、ナンセンス具合や後の「サウスパーク
劇場版」や「チーム・アメリカ」にも見られるような
妙なミュージカル風味の味付け等、彼らの作風の
原型・原点を本作から汲み取ることができます。

そもそも「アルフレッド・パッカー」という人物自体が、
本国地元ではユーモアを交えて語られる人気者らしく、
この辺にあちらのおおらかさも感じられます。
人名で検索すると実際の事件の詳細が語られた
サイトもすぐにヒットしますので(私が近代殺人事件に
大いに興味を持つきっかけとなったことの一つでもある
マジソンズ「殺人博物館」です)、興味を持たれた方は
是非こちらも一読をオススメします。

キャプテンケイオース!はやくきてくれー!

一日ヒマを持て余す時間が空いたので
何か借りて観よう、あんまり頭を使うのは
嫌だなってことで今回チョイスしたのが
「キャノンボール」!本日はこのレビューをば。

5000キロを駆け抜ける非合法大陸横断レース、
一年に一度のバカの祭典「キャノンボール」が
ついに今年も開かれた!
揃いも揃った個性的な面子の中、果たして
今年の優勝者は一体誰なのか!?
というのが大まかなあらすじ。

ゴールデンハーベスト製作だったのかよ!と
オープニングロゴで驚かされた本作品は、
80年代初頭という古き良きバブルの時代に
生み落とされたなんともおめでたい内容で、
車一つで大陸を横断するレースを描くという
至ってシンプルなテーマに対し、揃えられた
キャストがなんだか無駄に豪華ですごい。

タフガイと名の知れるバート・レイノルズを
筆頭に、ディーン・マーティンやジャック・
イーラムといった西部劇でお馴染みの俳優も
何故か登場、国籍不明っぷりのひどい
東洋人コンビにはジャッキー・チェンと
マイケル・ホイが本人役で大暴れ、
「ダメなボンド俳優」と悪名高いロジャー・ムーアも
作中に散りばめられたセルフパロへ半分ヤケ
起こしたように怪演、オマケにピーター・フォンダが
バイカーのチョイ役で登場なんて、こんな
勿体無い使い方は見たことがない!

そんでまあ、こんだけ色々揃えといて主人公の
バートがリーゼントのヒゲ、相棒のJJがデブのヒゲ
という冴えない風貌二人のバディムービー
ってんだからある意味思い切っててすごい。
JJ突然わけのわからない強キャラに変身するし。

漫画か!と突っ込まずにはいられないコテコテの
キャラ付けや突飛な展開はまごうことなく
「実写版チキチキマシン猛レース」以外に
形容する言葉はなくて、キャラクター色が強い
という面も含めて、カーアクション映画と言うよりは
ロードムービー的な印象を受けます。
派手なスタントやレースシーンは実は多くないし、
全米横断チキチキ殺人レース「デスレース2000」
みたいに無闇矢鱈に人死にが出るわけでも
ないため、割かしヌル~い内容にお子様も安心。
しかし突然興奮するジャッキー・チェンが得意の
カンフーを披露する等、玩具箱をひっくり返したような
観客の観たい物というツボを押さえた話も事実。

80年初頭と言うと、ジャッキー・チェンが
「スネークモンキー」や「酔拳」で本格的な
スター街道に乗り始めたと同時に、その
ユニークさでゴールデン・ハーベストの息を
吹き返させることに成功したあたりの年になる
わけですが、そんな背景も踏まえ色んな意味で
製作が調子こいてるオモシロ作品です。

俺はまだ生きてるぞ、畜生め!

名優の出演している名作はまだ世の中に
ゴロゴロしてるよねってことで、今回は「パピヨン」を
鑑賞しましたのでこのレビューをしたいと思います!

胸に蝶の刺青を持ち「パピヨン」と仇名される
その男は、ケチな金庫破りから人殺しの罪を
被せられ、祖国フランスを追われ南米ギアナで
過酷な労働に従事させられる。
脱獄を目論むパピヨンは国債偽造犯・ルイ=ドガに
目をつけ、刑務所の様々な敵から身を守る代わりに
脱獄に必要な金を工面してくれと頼む。
刑務所の生活を通じて二人の間にはやがて
奇妙な友情が芽生えていくが、脱獄を目前に
控えたある日、ほんのささいなトラブルが原因で
パピヨンは独房に移されてしまう…
というのがおおまかなあらすじです。

フランスの小説家、アンリ・シャリエールが自ら
体験した過酷な刑務所生活と決死の脱獄・逃亡劇を
元にしたという同名伝奇小説を原作にした本作品は、
スティーブ・マックイーン主演、ダスティン・ホフマン
助演という豪華キャストの布陣でも知られています。

実直すぎるが故に不器用な生き方しかできない男・
パピヨンと、要領が良いためにいつもなんとなく
おいしい立場にいられるケチな小男・ドガ、
その何もかもが対照的な二人が友情という名の下に
強く結ばれる姿、そして出会いと別れの様が
本作ではありありと描かれていきます。

そしてその友情物語と平行して描かれるテーマが
パピヨンの「自由への渇望」であり、彼を演じる
スティーブ・マックイーンの鬼気迫る怪演がすごい。
満足には程遠い粗末な食事と、声を出すことすら
許されない独房にブチ込まれたパピヨンは、
ドガとの友情によって生き延び、しかしそれが
仇となって同時に窮地に追い込まれます。
義理のためならば死ぬことも問わない、
そしてまた灯りを求めてそれが例え蝋燭の火の
中に飛び込み自らを焦がすことになろうとも
飛ぶことをやめない蝶のような彼の姿には、
誰もが心を強く打たれるはず。
しかしなんというか、生き延びるために虫まで
食う彼は、後年にこれが元ネタになったことで
JOJO六部の空条除倫を異様にタフなキャラに
してしまったというのは変なところで功罪。

あとは、根底には人間性悪説を感じるというか、
基本的には登場する人物に性格クズが多くて、
主人公と相棒のドガも友情で結ばれているとは
言っても大なり小なり犯罪者であることに
変わりなく、色々と切実な気分にさせられます。

というわけで、スティーブ・マックイーンの
タフな男、ダスティン・ホフマンの繊細さが
いかんなく発揮された名作なのですが、
それだけにラストシーンの、有名なとある
撮影ミスによる台無しっぷりがすごい。
撮り直しはできなかったんだろうか…

…母親を売る!

「ロープは重要なんだよ!アイガー・サンクションとか!」
そんな台詞が「処刑人2」であって、そんな理由から
当該の作品「アイガー・サンクション」を鑑賞しましたので
本日はこのレビューをしたいと思いまーす。

登山が趣味で堅物な性格の美術講師・ヘムロックは
かつて裏の世界では名の知れたスパイであった。
組織のトップ・ドラゴンはすでに引退した身の彼を
呼び寄せると、ヘムロックの同僚であり命の恩人である
アンリが殺されたことを餌に、彼の命と機密を奪った
敵に「サンクション(制裁)を加えよ」と指令を下す。
素性不明の敵でわかっていることは、登山が趣味で
一年に一度アルプスに挑むらしいということだけ。
制覇することすら困難なアイガー北壁への挑戦の
最中に顔もわからない敵をつきとめ、「サンクション」
しなければならないという最も危険な任務を、
果たしてヘムロックは遂行できるのだろうか…
というのがおおまかなあらすじです。

クリント・イーストウッドが主演・監督を兼業するように
なってから比較的初期に作られた本作品。
「アイガー北壁でサンクションするから
『アイガー・サンクション』」という実に明快かつ
タフな力強さを感じさせるタイトルが印象的。

さて、クリント演ずる主人公・ヘムロックはスパイ
なのですが、普段は冴えない講師だかその実
凄腕の殺し屋、でもちょっぴり女に弱い…なんて
キャラ付けは作中内で自らボンドの名前を出し
茶化している部分もあるのですが、レオーネ
三部作に代表される、彼の俳優として積み上げてきた
キャリアがその造形に大いに貢献し、ともすれば
ただの嫌味なダメ男になりかねないキャラクターを
見事に演じきっているのは流石としか言い様がない。

作品の「スパイ+登山もの」という一見なんだか
よくわからないジャンルの融合も面白くて、
例えば野山で野たれ死のうが謀略の果てに
殺されようが人間の死に大して意味なんかないんだ、
という監督の無常観が見てとれるような気がして、
その基盤がしっかりしているから内容もちぐはぐに
ならずちゃんとした筋のある話に仕上がっています。
ちょっと邪推というか卑怯な後出しのようにもなって
しまいますが、こういった感覚が後年の作品によく
見られる「神への贖罪」的な趣向を強めていくのも
なんとなくわかってしまうような。

キャスティングにも味があり、ある種のコミック的
ですらあるけれん味溢れる極端なキャラ付けも良し。
生来の色素欠乏症で直射日光にも当たれない
白子のデブだが組織のトップを努めるドラゴン、
エージェントとしての任務と恋の間で揺れるヒロイン・
ジェマイマ、出世欲溢れるチンカス野郎ポープ、
愛犬に「ホモ野郎」と名づけ、自分もその気がある
これまたチンカスな性格のクソ野郎マイルズと
アクの濃い面子ばかりなのですが、やっぱり一番
注目すべきはヘムロックの親友・ベンでしょう。
ベンは「暴力脱獄」でかつてアカデミー助演男優賞を
受賞したこともある名優、ジョージ・ケネディが
演じているわけですが、このゴツイ巨体とは反して
愛嬌のある笑顔が眩しいキャラクター、「暴力脱獄」で
ポール・ニューマンと共演した時と同様に、
タフだがどこか頼りなさや哀愁が同席する男と
並ばせると本当にいい動きをする!
彼を当てはめたのは全くの正解であり、彼以外に
ベンを演じられた俳優はいないと断言してもいいくらい。

あ、で、まあ確かに「ロープは超重要だね」ってのは
よくわかる映画でしたが、それ以外の部分に
見所の多すぎるクリント・イーストウッドならではの
無駄のない洗練された良作でした。オススメ。
プロフィール

マイケル・チバ

Author:マイケル・チバ
シルバーレイン
マイケル・チバ(b30277)
薬師寺・米(b41960)
を経て、
現在はエンドブレイカー!
マーヴィン・ジェント(c06527)
にて稼動中。

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