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電解質が入っているのよ!?

胡散臭いタイトルだけども妙に評判のいい作品
ってことで今回観たのが「26世紀青年」。
本日はこの作品のレビューを行いたいと思いまーす。

軍の事務員・ジョーは「何をやらせても平均的」の
普通過ぎるまでに普通な男であり、天涯孤独の
身の上から「冷凍睡眠実験」被験者に抜擢される。
告訴取り下げを餌に女性被験者となった
娼婦のリタと共に二人はコールド・スリープ装置で
深い眠りにつくが、軍人が売春組織と関与していた
というスキャンダラスな事実から軍は解体され、
蘇生を待たずして二人の存在も忘れ去られてしまう。
それから500年後、人類はバカばかりが繁殖を
繰り返し「バカ化」が深刻なレベルの問題となり、
処理しきれないゴミはうずたかく積まれ、
水の代わりにゲータレードを畑に撒くことで
作物の育たぬ不毛の大地と食糧難を抱えていた。
ゴミの山が雪崩を起こしたことで装置が作動し、
奇跡的に息を吹き返したジョーは、その時代に
おいての驚異的な知能の高さから内務長官へ
抜擢されることとなるのだが…というのがあらすじ。

冷凍睡眠を用いた一方的なタイムトラベルによる
未来世界を描いたトンデモSFコメディが本作品。
オーウェン・ウィルソンの弟にあたる役者、
ルーク・ウィルソンが「平凡すぎる男」を演じるところに
面白みとシンパシーを同時に感じてしまいます。

さて、本作での一番のテーマであり見所なのは
やはり「バカ化が深刻に進行した世界」であり、
なんだか今の世の中バカばっかりが無駄にガキ
作ってんじゃねえかなんて身近な疑問を極端に
発展させた設定を下地に、「相手があまりに
バカ過ぎて話が通じない」「相手があまりにバカ
過ぎてこっちの知能指数まで半分になった気がする」
といった状況がそこかしこで描かれ、物語全体に
妙な親近感を覚えるのではないでしょうか。

物語全体はおバカでブラック、下品なノリで
包まれているのに、ラストはなんだかんだで
「平凡な男でも世界に尽くせることはある」と
思わせられたり、その平凡な男がまるで
天の采配のようにダメになった未来に現れることで
「人類が落ちるところまで落ちても救いはある」
といった、なんだか妙にちょっとホロっとくる
良い話のフリをするところも最高に卑怯。
あとは、未来人は基本的におバカではあっても
同時に純粋さも持ち合わせているので、この手の
ブラックジョークにありがちな「胸クソの悪さ」を
感じずスッキリ観れるところも良いポイント。

低予算映画なんだろうけども、セットやVFXが
結構頑張っているところに好感が持てたり、
畑にゲータレードを撒く以外にも、肥大化しすぎて
地平線の向こうまで伸びる”総合”スーパーの
コストコだとか、何故か風俗店と化している
スターバックス等、訴訟モノの小ネタが満載で、
B級ならではの作り手の努力がそこかしこに伺えます。

全体的に、「サウスパーク」のマット・ストーンと
トレイ・パーカーの作品から灰汁や毒っ気を
多少抜いたような印象を受ける本作品。
B級好きには間違いなくオススメの内容でした。
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ランボーの息子たち

以前から気になってはいた映画
「リトル・ランボーズ」がDVD化されていたことを
知ったので早速鑑賞、本日はこの作品の
レビューを行いたいと思いまーす。

英国のとある田舎町、同胞教会所属の下
テレビを観ることすら許されない厳格な家庭で
育てられた少年・ウィルは、とあるきっかけから
札付きの悪ガキ、リー・カーターと出会う。
そしてウィルはリーが違法に撮影した最新映画
「ランボー」を観たことに刺激され、元々空想が
趣味の彼は自らを「ランボーの息子」という設定で
主人公に据えた物語を想い描くようになる。
一方、リーはテレビ局主催の学生ビデオコンテストへ
作品を応募することを企んでおり、兄の
ビデオカメラをこっそり持ち出してウィルと共に
映画を撮ることとなるのだが…というのがあらすじ。

スタローンの例のアレ、「ランボー」を通じて
二人の少年の友情を描くというなんともヘンテコな
英国製コメディドラマ映画が本作品。

まず一番最初に抱く印象は、「ランボー」がテーマの
くせしてアートワークや演出はえらくファンタジックで、
そのギャップに面食らうと同時になんだかおかしく、また
時折見せるカット毎の一枚絵としての完成度の高さから、
監督は元々そっちの畑の人間なのかなと思ったり。
それから、田舎町でへっぽこ自主制作映画を撮ることで
人間の絆が深まる…というストーリー、これも加えると
ミシェル・ゴンドリーの「僕らのミライへ逆回転」を
連想しないわけがないってなもんですが、実は本作、
製作2007年なので「僕らの~」の2008年より
先に発表されていたということを知りビックリ。

映像面もさることながら、本作でのキモはやっぱり
ネタをギッチリ詰め込んだ脚本、ひいては
キャラクターの造形の魅力にあって、一番の
見所は当然ウィルの親友「リー」にあるかと。
喫煙・窃盗は当たり前、冒頭からこれでもかと
クソガキっぷりを発揮して、途中から家庭に
問題を抱えていることを吐露しつつそれでも
誰よりも家族想いな心を持っている…と書くと
コテコテのテンプレ展開なわけですがだがそれがいい。
ウィルとリー、それぞれがシングルマザーという
問題を抱えた家庭で育ち、彼ら並びに彼らの
家族が「幸せとは何か」を必死に模索しもがく姿は
きっと誰もが心を打たれるはず。
クールを気取ったフランス人留学生・ディディエが
抱えた光と影をさりげなく描写しているのも○。

彼らが映画を撮っていくうちに、スポンサーから
目をつけられてキャストや予算が増えていくが、
作品の展開は大きく・醜く歪められ、共同製作という
二人三脚もまたやがて枷に変わり、現場には
衝突と混乱の軋轢が生じていく…なんていう
映画界の縮図のような小ネタも織り込まれており、
とにかく視覚的・脚本的に様々な方向から
ネタを投げ込んできて観客を飽きさせません。

クライマックスでは当然二人の「成果」が発表される
わけですが、演出だけで十分涙腺に悪いのに
バラ撒いてきた複線の回収っぷりがすごくて、
最後にウィルが起こした行動、リーの発した言葉
それぞれにまで気が行き届いていて驚かされます。

トンデモな展開、へっぽこな自主制作映画、
人間の絆、総じて地味~な内容、列挙すると
何処まで行っても「僕らのミライへ逆回転」と
共通する点が多いのですが、トータルで見ると
こちらの作品の方を個人的には高く評価したいです。
地味~でへっぽこなコメディドラマの名作という
囲いで言えば代表格になり得る本作品、オススメです。

花よ 綺麗と おだてられ

「あっこれいつの間にか国内DVD化されてたんだ!」
ってなことで早速借りてみたのが、本日ご紹介の
「They call her one eye」!

幼い頃に変質者に襲われ心に深い傷を負い、
聾唖になってしまったフリッガは、彼女を溺愛する
両親が高額な医者をつけても未だ喋れずにいた。
そんなある日、診療のための街行きのバスを逃してしまい、
途方に暮れる彼女の元へ、偶然車で通りかかった男が
「街まで乗せていってあげよう」と持ちかけてくる。
異様なまでにフリッガに親切に接する、トニーと名乗る
その男の正体はポン引きのヤクザで、彼女を酒で昏倒
させるとあっという間に薬漬けの娼婦に仕立てあげてしまう。
そして接客の初日、フリッガは反抗的な態度で客を傷つけた
ことにより、激昂したトニーにメスで左目をえぐられてしまう。
彼女が「ワン・アイ」の通り名で知られるようになった頃、
彼女はトニーが彼女の両親に宛てた偽の手紙が原因で
二人が心中してしまったことを知り悲嘆に暮れる。
それからというもの、フリッガはコツコツと貯めたへそくりを
元に、休日を利用して格闘術、射撃術、自動車運転技術を
着々と身につけ、自分を傷つけた者たちへ復讐の機会を
伺うのだった…というのがおおまかなあらすじです。

1974年公開、スウェーデン製のハードコアポルノ&
アクション映画ってことでカテゴリはAVだったりする本作。
70年代というとアメリカではパム・グリア、日本では
梶芽衣子がリベンジムービーで大暴れしていた時代で、
世界中でこんな内容の映画が流行して撮られていたのかと
思うと狂ってると同時に非常に羨ましい。

それはさておき、純真無垢な少女が世間の汚れた男たちに
騙されてすっかり不幸のドン底に落とされ、釜の底に
降り立った時長い間待ち続けた復讐を開始する…って
プロットは要するに「女囚さそり」なんかと一緒なんですが、
やっぱり一番の見所は小柄・童顔・巨乳と三拍子揃った
主演のクリスティーナ・リンドバーグの存在感。

そのアイコンだけで起用した感はアリアリなんですが、
例えばターミネーターのシュワルツェネッガーのような
「演技ができなきゃ物言わぬゴリラにしてしまえばいい」
よろしく、聾唖設定は彼女の不幸な境遇を引き立てると
同時に余計な演技の技量を必要としないという見事な計らい。
本作のアクションシーンで多用されるスローモーションも、
キレの悪さを誤魔化すことに大いに役立っていて
「こういうやり方があったのか!」と思わず膝を叩きました。

ジョン・ウォーターズに代表されるように、悪趣味に
関わる人間の特徴として「妙に服装のセンスが良い」
ってのも作品を際立たせる要因の一つで、フリッガが
その時着る服の色に応じてちゃんとアイパッチを
ピンク→赤→黒とコーディネートするのもチャーミング。
ていうか眼帯で黒コートという出で立ちで、砲身を短く
切り詰めたショットガンを構える巨乳ロリって絵面は
今でも、今だからこそ通用する未来に生き過ぎたセンス。

オープニング→不幸な娼婦時代→訓練パート→復讐パート
っていう、極端に無駄を省いたシンプルな構成も
ソリッドで力強く、変なダレ方をしないのも好印象。
特に訓練パートは無駄に力が入っていて、
妙にいい動きをするオッサンところころしてかわいい
フリッガの掛け合いは一見の価値あり。

あ、それで、なんで本作を観たかったかと申しますと、
「キル・ビル」の隻眼の女殺し屋、エル・ドライバーの
元ネタになったのが本作だったからですね。
影響を受けるのもさもありなんという、実に
エキサイティングなB級の鏡とも言うべき映画でした。

へっぽこスナイパー

「マッハ!!!!!!」の監督として知られる
プラッチャヤー・ピンゲーオがハリウッドデビュー!
ということで鑑賞したのが本日紹介する
新作DVD「パーフェクト・スナイパー」でございまーす。

麻薬・売春組織が跋扈するタイで暗躍する殺し屋・
カーティは「娘を組織に殺された」という父親の
願いを受け、地元武器商人ジミーの元を訪れる。
強力な狙撃銃を手に入れ、寺院の塔に根を張り
組織の人間を待ち受けていると、彼の元にメイと
名乗る不思議な少女が突如現れ…
というのがおおまかなあらすじ。

トニー・ジャー先生の鮮烈な記憶として刻まれた
ムエタイアクションとは打って変わり、スナイパーを
主人公に据えたクライム・アクションなのが本作品。

とは言えスナイパーとしての狙撃の仕事をするのは
全体の半分くらいで、近距離の派手な銃撃戦や肉弾戦を
要所要所で織り交ぜてくる開き直りっぷりは
ある意味で流石というか何というか。
ケヴィン・ベーコン扮する武器商人が至る所に
隠れ家を用意しており、ズラッと並べた銃器を前に
大袈裟な口上を述べたりするところも実に男の子の
大好きな物を詰め込んだという感じで好感触。
監督の趣味なのかそれとも変な使命感なのか、
タイの文化や教義を合間合間に挿入してくるのも
相変わらずで妙にほのぼのさせてくれます。

そんで「悪人はブッ殺されて当然だよね」っていう
これまた一貫・徹底した作品の作りも相変わらず
なんですが、全然関係ないところで残念ポイントがあって。
というのもケヴィン・ベーコンの広告としての売り方が
「殺し屋のスナイパーと武器商人がたった二人で
巨悪に挑む!」とかいう話のはずなのに、その実
ベーコンは主人公とギャングの間を行き交うコウモリ君、
作中でのアクションシーンは皆無に等しいってことで
この辺で肩透かし食らう人は多いんじゃないでしょうか。

「マッハ弐」でも見受けられましたが、巨悪を相手に
しながらも、結局着地点を見失ってしまったようにも
見える、尻切れトンボ気味に終わってしまうお話も残念。
そのガッカリラストを埋めるためなのか、作中で主人公が
突然スピリチュアルかつブッダ的な神通力に目覚める
→実は夢オチ っていう壮大なネタを無駄に長い尺取って
演出した苦肉の策には吹かされましたが、やっぱり
作品全体を埋め合わせるほどの擁護はできない。

「パーフェクト」にはちょっと縁遠いへっぽこぷりや
「スナイパー」と断ずるにはあまりに肉体派な
主人公を微笑ましく見守る分には結構面白いです。
謎の少女メイちゃんの使い捨てヒロインっぷりとか。
でもやっぱり、ジャー先生のアクションを抜いてしまうと、
海千山千のハリウッドアクション業界にあっては若干の
インパクト不足は否めない、そんな地味な作品でした。

アンタ、ちょっとおかしいよ

「REDLINE」で石井克人と浅野忠信がタッグを
組んでいたのが懐かしくて、久しぶりに観返したのが
本日レビューする「鮫肌男と桃尻女」です!

山奥の閑散としたホテルで働く桃尻とし子は、
身勝手で偏執的な態度を見せる叔父に嫌気が差し
家出をすることを決意、ひたすらに車を走らせるが、
組の金・一億を持ち逃げしたチンピラ、鮫肌黒男を
追ってきたヤクザの車と衝突し気を失ってしまう。
本来出会うはずのなかった鮫肌男と桃尻女。
鮫肌はとし子の純粋さに徐々に魅かれていくが、
組の追手が近づくに連れ、二人の退路は狭まっていく…
というのが大まかなあらすじです。

元々は「ドラゴンヘッド」でブレイクする前の望月峯太郎の
短編を原作に、当時新進気鋭だった石井克人監督が
大幅なキャラの追加やストーリーの変更を行い、最早別物、
良い意味で原作レイプな内容に仕上げた実写映画化作品。

ヤクザな男とカタギの女の逃亡劇や、金や女を巡っての
三つ巴の闘いという構図、スタイリッシュな演出・撮影の
数々による本作は石井克人を「和製タランティーノ」という
愛称で映画界にその名を知らしめることになりますが、
ぶっちゃけて言うとそれこそ金持って逃げ回るチンピラは
「レザボア」、終盤突然悟りを開くヤクザは「パルプ」、
男と女の命を懸けた激しすぎる恋は「トゥルーロマンス」と、
各作品に影響を受けて見えるのがアリアリで。

ストーリー構成自体も詰めの甘さが見え隠れしますが、
そんな諸々のマイナス要素なんか全部ケッ飛ばして
本作を最高に面白い傑作に仕立て上げているのは、
けれん味たっぷりな「ありえねー」ヤクザのキャラ立て。
黒スーツ一色という「レザボアスタイル」を極端に排除し、
ポストパンクとも言える奇抜なジャケットやコートを
着込みゴテゴテと装飾を施したセンスは一見の価値あり。
そして鮫肌を追うヤクザの一団の中にも、会長の息子、
いっぱしの幹部、中間管理職風の男や使い走りの下っ端と
それぞれ派閥を作り、ヤクザ組織の中でもつまらない、
しかし愛嬌たっぷりの小競り合いをさせることで
次第に登場人物全員に奇妙な愛着が湧くこと請け合い。

役者陣も今観ると目茶苦茶豪華な顔ぶれで、
なかのひとの知っている面子を列挙するだけでも
浅野忠信、岸辺一徳、寺島進、田中”BoBA”要次と
一人でも胸焼け起こしそうな濃い顔が勢ぞろい。
これに加えて、雇われヒットマン「ヤマダ」に
かつて「若人あきら」として知られた我修院達也を
大胆にも役者として起用、目茶苦茶なインパクトの
ある演技で本作の話題を殆どかっさらうと同時に
新たなキャリアとしての存在感を見せつけました。

そんなわけでキャラ萌え8割9割、ついでに浅野は
いつも何やらせても浅野になるなあってのもそこそこに、
若さとギラギラした野心溢れる良作に仕上がっています。
本作公開は98年、三池の「DOA」は99年、北村龍平の
「VERSUS」は01年と、この頃の邦画は一つの
ムーブメントがあって素晴らしい時代だったように思えます。
おかげで勘違いと安売りから駄作がどんどん粗製濫造される
邦画暗黒時代の幕が開けることにもなるんですけど。

脛に傷持つ者は追われずとも逃げる

新作DVD「トゥルー・グリット」のレンタルが開始、
鑑賞しましたので本日はこの作品のレビューを!

まだ14歳の少女、マティ・ロスは、旅先の酒場での
くだらないいざこざから父親を殺し、馬と金貨を奪い
逃亡した雇われ使用人のトム・チェイニーを追っていた。
彼女は荒くれ保安官のルースター・コグバーンに
追跡の交渉を持ちかける一方で、議員殺しの容疑で
チェイニーを追っているというテキサスレンジャー、
ラビーフから協力の要請を受けるが、「父親殺しの
容疑で縛り首にしたい」と彼の手をはねのける。
翌朝、自分を取り残して犯人追跡に発っていた
コグバーンとラビーフの元にマティは馬で駆けつけ、
かくして奇妙な一行の旅が幕を開けるのだが…
というのが大まかなあらすじです。

1969年製作、ジョン・ウェイン主演の西部劇
「勇気ある追跡」をコーエン兄弟が監督、
スティーブン・スピルバーグが製作総指揮、
ジェフ・ブリッジス主演にマット・デーモン助演という
この上なく豪華なメンバーでリメイクしたのが本作品。

元々本作の前にリメイク元の予習はキッチリして
あったので、レビューは主に比較検証という形で
進めていくことになると思うのですが、まずはキャラ造形。
主人公の少女・マティはしっかり者で、父親への復讐に
燃える決して芯を曲げない「本当の勇者」としての
印象を強められた反面、鬼保安官・コグバーンは
無駄口の多い多少耄碌気味の頼りないオッサン、
テキサスレンジャー・ラビーフは元々の気障な
田舎者という造形から単なるイモ野郎に作り変えられ、
あとリメイクよりマヌケでなんか酷い目に遭う。

そんなわけで、「果たして『タフな男』ジョン・ウェインを
どうジェフ・ブリッジスが演じるんだろう」と思ったら、
どちらかと言うとリメイク元に頼らずジェフ・マット共に
役者のイメージを増幅してキャラにはめ込んだ感じで、
元とはまた違ったコグバーン像・ラビーフ像に対して
すんなり受け入れられると同時に親しみを覚えるのでは。

で、マティのプラス幅と、男衆のマイナス幅がそれぞれ
広がった分、口ゲンカの数も増し増し、仲が険悪になって
リメイク元ほど凸凹トリオでキャッキャウフフという内容にはならず、
ラビーフ演ずるマットが若干話から割り食った感があるのは
ファンにとっても賛否が分かれるところかもしれません。

総じて、「元ネタを踏襲しつつ違った話に作り上げる」という
リメイクの観点においては文句のつけようもありません。
コーエン兄弟と言えば元々「オー!ブラザー!」とか
オデュッセウス神話を大胆にアレンジした作品も出してますし。
ただ、そういう中で本作のオリジナル要素にあたる、元ネタ改変の
追加エピソードによるエンディング演出はちょっと蛇足感が。

全体的に現代風にアレンジされているし、コーエン兄弟の
やりたいこと、彼ら好みに作り変えられているというのは
よーく伝わってくるのですが、にわかながらもやっぱり
西部劇のヒーローに相応しいのはジョン・ウェインであって、
ジェフ・ブリッジスには似合わないよなあ…と思ったのが
本作一番の印象であって、マイナス点でしょうか。
なんか、「トロンレガシー」の時もそうでしたが、
アカデミーでヒットかましちゃったからって何でも
ジェフブリッジスジェフブリッジスって前面に
押し出してもいいもんじゃないと思うんだよね!

…村を潰す!

地元の映画館にも問題作「デンデラ」が
やってきまして、鑑賞料金一律1000円なら
観に行かない手はないよねってことで
本日はこの作品のレビューをば。

雪深い寂れた寒村では、齢七十を超えた老婆は「お山参り」と
称して山奥に捨てられるしきたりが古くから強く根付いていた。
その年、ついにカユもまた捨てられる運命にあったが、
三十年前の「お山参り」から今日まで生き延び、捨てられた
老婆の集落「デンデラ」をたった一人で築き上げたメイに拾われる。
メイは自分を捨てた村への復讐を夢見て、志を同じくする仲間に
稽古をつけさせており、カユが加わり「デンデラ」の住民が
五十名に達したことを機に、ついに村を襲うことを決意する。
だが決行を目前に控えた五日前、彼女たちの目の前に
予想だにしなかった自然の脅威が立ちはだかる…
というのがおおまかなあらすじです。

なんでも同名小説の映画化という本作品は、昔話
「姥捨て山」から着想を得てその延長上にあるような
ストーリーとも言うべきものですが、それ故に
登場人物の設定年齢が全員七十歳以上、
最年少ヒロインが七十歳というのはまた思い切った内容。
大体こういう話には変に色気使って無理矢理二十代
くらいの女優盛り込んだりしそうなもんですが、
それをしなかった英断を褒め称えたいと同時に
いつスクリーンを見ても老人しかいないという画も
正直どうなんだろうという気に。

さておき、序盤を見る限りでは姥捨て山の老婆たちが
村の人間に復讐する残酷絵巻になるのかと思いきや、
実は災害・モンスターパニックアクションでしたという
どんでん返しが待ち構えているのが本作のダイジェスト
であり事前に情報を知らなかった人にはややもすると
発憤ものなんじゃないかという構成になってまして。

ネタバレ、というか、本作を変に誤解・勘違いせず安心して
鑑賞に臨むために敢えて記した方が良いと判断して
書いてしまうと、よーし!今こそ復讐の時だー!と老婆たちが
息巻いたその晩、なんと熊の親子が襲ってきます。
その瞬間、銃も刃物も持たない、石器時代から抜け出して
きたような文明レベルで、なおかつ腰の曲がった七十代の
老婆たちがなすすべもなく猛獣の爪牙に引き裂かれ絶叫を
上げる!というある意味斬新なスプラッタ映画に変貌。
その後もなんやかんやで大自然の脅威に晒され、
蹂躙されることで復讐どころじゃなくなる老婆たち。
最早何が何やら。

正直、モンスターパニックというネタを知っていても、
あんまりにわちゃくちゃで落としどころが全く見えないのも事実。
そんなこんなで、「一度は死んだ身の老婆」たちが
全身全霊を傾けて大自然と死闘を繰り広げる様を観ている
うちに、なんだか奇妙な感動が生まれちゃうのもヤバい。

閉鎖的な村社会での本来は苦渋の決断だったはずの
しきたりが感情的に歪められていくという描写もほどほどに、
「一族郎党皆殺しにされた挙句自分は片目を潰されて
男どもの慰みもの」という「They call her one eye」
ばりの「それってなんてエロゲ?」と聞きたくなるような
キャラが登場するのも個人的にはちょっと見所。
「キルビル」のダリルハンナを意識したような造形だし。エロい。

なんか色々すっごい面白い映画のような書き方を
してしまったような気もしますが、「なんか色々斬新すぎて
面白い」「微妙さのさじ加減(「微妙なさじ加減」ではない)」を
大層ありがたがって面白がってしまっているので、
「目茶苦茶面白いよこれ!」とオススメできるわけでなければ
期待して行ったら肩透かし食らっても責任持てないという、
世間一般的には微妙な評価で落ち着く作品なんじゃないかと。
個人的にはね、個人的にはかなり色んな意味で面白かったです。

フライパン最強説

ディズニーのCG映画「塔の上のラプンツェル」が
新作としてレンタル開始、鑑賞しましたので
本日はこの作品のレビューをします!

太陽のかけらが地上に落ちたことで咲いた魔法の花。
それはどんな病にも効く力を持っていたが、最初に
発見した意地悪な老女・ゴーデルは自らを若返らせる
という私利私欲のためだけに長い間花を隠していた。
しかし王国の身重の王妃が病に倒れた時、
国を挙げての「魔法の花」探しがはじまる。
花はついに見つかり、煎じた薬草の効能により
王妃は可愛らしい女の子「ラプンツェル」を出産するが、
この姫の髪に魔法の花と同じ能力があることを
ゴーデルは知ると、王宮から赤ん坊の姫を連れ去り、
人里離れた塔に彼女を幽閉し自らを母と偽り育てる。
悲嘆に暮れた王と王妃は、姫が見つかるようにとの
想いを込めて、毎年決まって姫の誕生日には無数の
灯りを空に向けて浮かべるようになった。
それから18年、美しく成長したラプンツェルは、自分の
誕生日に決まって上がる「灯り」を間近で見たいと思い始める。
彼女のお願いを厳しくたしなめるゴーデルに萎縮してしまう
彼女だったが、そんなある日、王国からまだ見ぬ姫の
ために作られたティアラを盗み出したコソ泥・フリンが
身を隠す場所として塔の中に飛び込んできた…
というのがおおまかなあらすじ。

なかのひとは「ラプンツェル」って実は諸星大二郎の
なんちゃって童話集ぐらいでしか存在知らなくて、
あらためて概要を調べたら魔女に攫われた姫が
毎晩隠れて男を連れ込んでギシアンしてたら
私できちゃったみたい…という割とろくでもない話なのに
びっくりして、よくディズニーがこれを元ネタに
長編CGアニメにしたなあ…とは思いつつも
本作は本作で割とろくでもない内容だったりします。

で、要所要所でろくでもないネタを挟んでいるにしても
あらすじからわかるようにアレンジとその基盤となる
設定がすごくしっかりしていて、あくまで王道展開に
終始するのがわかりきっていたとしても、それは
安心・安定の裏返しでありこの辺はやはり王者の貫禄。

しかしなんだ、本作でラプンツェルと対になる
ヒーローポジションの男・フリンはやっぱ色々不味くて、
基本的に何の取り得もない中年のコソ泥ってのはどうなの!?
「自分をハンサムだと思い込んでいるがそうでもない」とか
そんな設定も含め、今エンドブレイカーの旅団に遊びに
来る奴の一人にトリニティっていうろくでもないのがいて、
それとキャラが被りまくってて色々不味い不味い。
いいんだぜ?よくねえよ!

まだそばかすも抜けきらない、はすっぱで世間知らずな
女の子・ラプンツェルの描き方については、毎日塔から魔女の
上げ下げして筋力ゴリラだったり(少なくともフリンより上)、
冒険への探究心と母親への愛情の狭間に揺れて
情緒不安定飛び越してむしろちょっとクスリキメてんじゃ
ないかっていう躁鬱加減で斬新なヒロインなのが良し。

あとは、一番好きなシーンは、フリンとラプンツェルが
二人揃って初めて城下町に足を踏み入れた時、
人懐っこいラプンツェルが子供や町の人々と
簡単に打ち解けてお祭り騒ぎに興じるとこなんですが、
オッサン世代はこういうなんでもない純朴さが出たとこに
何故かポロポロ涙を流してしまうという人も多いのでは。
各世代毎にどういう要素詰め込んだら効くのか
よくわかってるようで、本当子供から大人まで楽しめる
エンタティメント作品と同時に、卑怯だわー。

序盤は導入的な説明で若干冗長に感じられたり、
そのやり取りは必要なのか!?と思うとこあったり
しても、キッチリフラグを回収するとこなんかも流石で、
中盤以降はすっかり物語の虜にされてしまう、
何処まで行ってもやっぱり貫禄勝ちの一本。

そうそう、昨今のCG技術の進歩に驚かされるアニメ作品
だと思うのですが、特に本作の重要なテーマである
「髪の毛」の狂気の描き込みは、本作がアニメ映画
であるということを時折忘れさせられるほど。

レッツ六道輪廻!

なんとなくの思い立ちで、結局映画館まで
足が運ぶ勇気が出なかった映画…っていうか
長編アニメ作品だったのねこれ。
件の映画、「仏陀再誕」を観てしまったので本日は
この作品のレビューをしようと思いまーす。
しっかし、日本が記録的な豪雨に見舞われたおかげで
ろくに睡眠も取れなかったようなしんどい体調という
タイミングに、どうしてわざわざこれがカチ合うのか…

新聞部に所属する女子高生のサヤコは、ある日
突然「悪霊」の姿が目に見えるようになる。
父親の親友だった男が自殺したことにより自縛霊と化し、
サヤコが事故に巻き込まれそうになったのを
助けたのは彼女の元カレ・ユウキだった。
ユウキの説明する心霊世界に興味を持ったサヤコは
新興宗教・操念会の会長にして自らを仏陀の生まれ
変わりだとする荒井の元を訪ねるが、彼こそは悪霊を操り
世界を支配せんと企むこの世の悪の元凶の一人であった。
すんでのところでユウキが邪魔に入り、サヤコは荒井の
手に落ちずに済むが、彼らの放った悪霊が彼女の弟に
取り付き、原因不明の熱病にうなされてしまう。
そこでユウキが連れて来たのは、宗教団体TSI会長、
真の仏陀の生まれ変わりである空野太陽であった。
法力でもって見事悪霊をはねのけた空野との運命の
出会いが、サヤコの隠された力を覚醒させていく…
というのがおおまかなあらすじです。

ご存知「幸福の科学」の大川隆法先生自らが著した
経典を元に、製作総指揮を取った長編アニメ作品。

えーと…まず何から突っ込んだらいいのかな。
作画の出来自体は良くもなく悪くもなくのTVアニメ
程度なんですけど、声優が銀河万丈とか三石琴野とか
千葉繁とか子安とか置鮎とか無駄に豪華なのが特徴。

んで、まあ、現世の迷える人、そして道を踏み違えて
しまった人を仏陀の生まれ変わりである大かw…
空野先生が説法垂れて正しい方向に導いていくってな
内容なんですが、最初エクソシストみたいな内容で
うーんまあそうなるよねと思ったら次は突然UFO出てきて
(嘘とか誇張じゃなくて本当にUFO…なんで?)
インデペンデンスデイが始まったりお次には大津波で
日本沈没の大パニックとかイベント詰め込み過ぎです。
クライマックスの子安と銀河万丈の一大法力バトルでは
子安が謎の剣振ったりすげえデカイ羽生やしたり
天使従えながら象に乗って現れたりやりたい放題。
色々面白イベントだけ抜き出して書くと聞こえはいいけど
実際二時間近く尺あるから結構しんどいからねこれ。

それと、大かw…空野先生の説法が合間合間に入るのが
趣旨なんで当たり前の話なんですが、どうしても
作品が説明的になってしまう以上、例えば
アレハンドロ・ホドロフスキーの「エル・トポ」や
「ホーリーマウンテン」、はたまたダーレン・アロノフスキーの
(スキースキーうるせえな)「ファウンテン」のような、
スピリチュアル方向にステ全振りしちゃって
途中から「何やってんだかさっぱりわからない」でも
「何だかすごいものを観てしまった」感は半減。
なんか良くも悪くも小さく収まってしまったような。
期待するほどの「ヤバさ」はなかったです。

そんなわけで、かなり失礼な話ではありますが
ネタ目的としては弱い部類に入るんじゃないかなーと。
そんなことより家の雨漏りでタブレットのペンが
故障したみたいでそのことの方が一大事です。
今調べたらintuosのペン無駄に高ぇんだよクソァ!
プロフィール

マイケル・チバ

Author:マイケル・チバ
シルバーレイン
マイケル・チバ(b30277)
薬師寺・米(b41960)
を経て、
現在はエンドブレイカー!
マーヴィン・ジェント(c06527)
にて稼動中。

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