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これは遊びなんかじゃない

夏の終わりに「サマーウォーズ」!
そんな思いつきで長いこと観てなかった
本作のレビューを今日は行いたいと思います!

数学オタの高校生・ケンジは、学校一番の美人と
噂される有名人・ナツキにバイトの名目で誘われて
数日間彼女の祖母の実家を訪れることとなるのだが、
齢九十となる祖母の誕生会の手伝いと同時に、ナツキの
「祖母を喜ばせてあげたい」という単なる思いつきから、
自分の彼氏だとケンジは祖母に紹介されてしまう。
その晩、彼は差出人不明のメールに書かれた謎の暗号に
返答をしたことにより、世界最大のコミュニティを形成する
総合サイト「OZ」のアカウントとアバターを乗っ取られてしまう。
翌日、堅牢なセキュリティを誇っていたはずのOZの
システムはあっけなく瓦解し、現実世界は大混乱をきたし、
TVではケンジが首謀者として報道されていた…
というのが大まかなあらすじです。

2009年公開…もう2年前の作品になるんだねえ…という
本作は、マッドハウス制作の長編アニメ映画です。

憧れの先輩に手を引かれてついたのは山奥の由緒ある
大屋敷、賑やかな家族や親戚に囲まれての団欒と裏腹に、
やがては世界中の人々をおびやかす「戦争」がネット上で
巻き起こっていた…という二本を軸に据え、九十歳を迎えた
ハッスル婆ちゃんを筆頭に個性的な面子が出るわ出るわ、
設定見聞きするだけでワクワクしないわけがない!
政財界から大企業に至るまであらゆるコネを持つ名家が
実はネット一番の凄腕ゲーマーやスーパーハカー()を
内包・輩出していたってのはいささか出来すぎというか
ご都合主義的かとも思いますがまあそれはそれ。

骨組みさえしっかりしていれば後はお話も上手く
まとまって当たり前とでも言いたくなるような作品ですが、
しかしお話自体もネットの繋がりは即ち人の繋がりである
ということを再確認させられる、家族の絆も含めたテーマ、
ひと夏の失恋や淡い恋を絡めたラブストーリー、
最高の設備と最強のゲーマーやプログラマで臨む
自律型プログラムとの最終決戦等々、思いつく限りの
やれることは全部乗せっていうてんこ盛り具合も凄い。

ただ、穿った見方ではネット上の騒動はそんな感動の
エピソードとして一言で括れるもんでもないよなってのが
面白いところで、例えばプログラムがバグまみれ、
個人情報がいつブッコ抜かれてもおかしくないって状況で
アホみたいな数のアホがログインしているなんてのは
実は現実でもよくある話である意味全然笑えない。
何かを徹底的に壊したい破壊願望とか崇高な理念などなく
「単純にゲーム気分で楽しみたい」というのは、不謹慎ながら
個人的にも理解できる感情であるし、例えばこの騒動を
「祭り」として単純に便乗したユーザーもきっといるはずで。
最も、ネット社会に対する弊害や警鐘をありありと描いてる
あたりこの辺も裏ではちゃんと計算してるんだろうなと
いうのは感じるし、だからこそ最終的な「人間の繋がり」を
重んじるお婆ちゃんの姿がありありと生きてくるのですが。

総合的に面白いと思います。若干面白すぎるくらい。
ただ、「英国王のスピーチ」を観た時同様、完璧すぎて
つまらないっていう贅沢な不満を抱えすぎるのと、
あと登場人物がみんないい人過ぎるでしょ!っていう我侭。
「うわ゛ぁああ~!ごいづ~!ぶっごろじでやる゛ぅ~!」って
暴れ回りたくなるようなキャラが一人ぐらいいても良かった、
ってのはちょっと色々毒されすぎているのかもしれない。
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キャリグラシッティ

スタジオジブリの新作DVD
「借りぐらしのアリエッティ」をたまたま
借りることが出来たので、本日は
この作品のレビューを行いたいと思います!

心臓に重い病気を持つショウは一週間後に手術を
控え、安静のために山奥の別荘地を訪れる。
その家の軒下には、人目を忍びながらも
人間の物を拝借しながら生きるという「借りぐらし」を
する三人の小人一家が細々と暮らしていた。
小人の娘・アリエッティはその軽率な行動から
ショウに何度も姿を目撃されてしまい、また次第に
ショウとの親睦が深まっていくが、「人間に見られたら
同じ家では生活していけない」と語気を荒げる
アリエッティの父と、小人の存在に気づきはじめる
ハウスキーパーのハルさんにより、アリエッティの
平穏な生活が徐々に揺らぎはじめる…
というのがおおまかなあらすじです。

ファンタジーアニメ映画というジャンルにおいては
もはや知る人はいないのではという説明不要の
大御所・スタジオジブリと宮崎駿が手がけた最新作。
…と思ったけど、コクリコなんとかとかいうのが
出たからもう最新作じゃないのか。

山奥の家に住む妖精との触れ合い…というと
「となりのトトロ」を連想しますが、今回は
例えば「家の物がなくなるのは小人のせいだ」といった、
天使の取り分的民間伝承をテーマにしつつも、その
切り口はファンタジーと切って捨てるにはシビアな、
ある種のリアリティ感が溢れているのが特徴。

小人には小人の生活があって、そこは人間が
干渉してはならない領域であり、そして小人が
例え絶滅に瀕した種であろうとも、人間が保護して
やろうなどという考えはエゴではないのか…
なんていうのは、近年のパヤオ作品においてより
顕著に表れつつある、環境問題に対する彼の
個人的な姿勢や意見が見え隠れするような気も。

ただ、「人間と別の種に人間がいたずらに干渉
すべきではない」はという考えは大いに共感
できるところであり、ちょっと底意地の悪い描き方や
突き放した展開は、個人的には気に入りました。
なんというか、ショウとアリエッティがひたすら
イチャイチャムチュムチュしてハッピーエンドな
内容を期待したという人には苛立ちや物足りなさを
与えるのではという印象もあるので、この辺
人によって評価が大きく分かれそうなのも興味深い。

話は変わって、「借りぐらし」をする小人たちの
生活の知恵を細かに描くことで彼らにリアリティを
与え、その生態に大きく興味を引かれたり、雨粒に
濡れる葉っぱが風に揺れる様を描くことで、身近に
あった美しいもの、忘れていた何かを喚起されたりと、
ビジュアル的にもやはりジブリといった貫禄を
大いに見せ付けられ、飽きることがないのは流石。

ぶっちゃけてしまうと、前回の「ポニョ」に比べると
派手なアクションシーンやファンタジックな情景が
なければ、お話自体もえらい身につまされるような
地味~な内容なおかつ好き嫌いが分かれそうってんで、
全く万人向けな作品ではないのですが、そういう
地味~で「わかるけど!いやわかるんだけど!」っていう
なんかちょっと釈然としないヒューマンドラマとか
好きな、なかのひとみたいな奴には大好物な映画です。

なんつーか、「神への贖罪」を「環境問題」に
置き換えたような、クリント・イーストウッド作品にも
似た質感を今回からは感じたのですよね。
その道に生き続けた老練の行き着く先として、
似て然るべき物はあるのかもしれません。

くだらないことに命を賭ける馬鹿野郎たちの物語

無理して映画館行っとけば良かったかな…
と後悔させられたことしきり!新作DVD
「REDLINE」がついにリリース、鑑賞しましたので
本日はこの作品のレビューをします!

遠い遠い未来の世界。
ルール無用のエクストリームレース、
その最高峰である「REDLINE」の切符を賭けて
選手たちが争う中、「バカで優しい男」と異名を取る
JPは自らの保釈金のため、メカニックの相棒
フリスビーから八百長レースを強いられていた。
JP自身は本気で勝利する気があったのかはともかく、
レースの結果は敗退、大金をせしめることに成功するが
奇しくも本年開催REDLINE出場辞退者が現れ、
視聴者人気投票によりJPに補欠出場の権利が与えられる。
しかし、そもそも出場辞退者が現れた理由は、
機密で溢れ変える軍事惑星「ロボワールド」が開催地
として選ばれたことであり、ロボワールドの大統領自身が
惑星に足を踏み入れるREDLINE関係者には容赦なく
軍事制裁を行うと表明していることにあった。
果たしてJPはREDLINE史上最も危険とされるこの
レースで優勝することができるのか?
そしてJPが頑なにREDLINEの優勝に拘る理由とは?
というのがおおまかなあらすじです。

「鮫肌男と桃尻女」や「PARTY7」といったスタイリッシュ
ムービーを世に放ち、かつては「日本映画界の
ポストタランティーノ」と呼ばれたこともある男・
石井克人がアニメ業界へ本格的に殴り込み!
原作・脚本・キャラクターデザインとあらゆる方向から
制作のマッドハウスをバックアップした本作品。

ポストモダン・サイバーパンクな未来の世界を
背景に、あらゆる異星人やサイボーグが入り乱れ、
危険な兵装を積み込んだフルチューン・カーに乗り込み
エクストリームカーレースに臨む…という設定は
寺沢武一の「コブラ」や木城ゆきとの「銃夢」といった
作品でしばし行われる奇想天外なエクストリーム競技、
はたまた「スターウォーズ」におけるポッドレースを連想
させる代物で、今更珍しい題材でもないようなそんな物を
アニメで、しかもCG描画が当たり前の現在の業界にあって
全力で手書きセル画に挑むという、既に制作側が
自殺行為以外の何者でもないエクストリーム状態で。
実際に本作が興業的に成功したかどうかなんていうのは
さておき、そんな馬鹿に踏み切って、素晴らしく馬鹿な
作品を作り上げたという功績はもう評価するしかない。

ストーリー自体はレースを通じ、リーゼントの優男・JPが
”チェリーボーイハンター”という不本意な仇名で呼ばれる
天才美少女レーサー・ソノシーとひたすらイチャイチャする
ってな内容で中身はあってないようなもんなのですが、
例えばカーアクション映画の名作「バニシング・ポイント」に
代表されるように、車がエンジンをガンガン鳴らして
ハイウェイを疾走するという絵面を眺めているだけで
アドレナリンが分泌され、合間合間に回想が入るともう
なんだかそれだけでキャラクターたちの過去には大きな
意味や意義があったように思えてきてしまうものなのです。

石井克人の趣味全開、これも有り体に言ってしまえば
いつも通りのキャラクターデザインも魅力的で、
色男にセクシーヒロイン、理想のタフガイから
三下のチンピラ、ダフ屋のガキから換金所のおっちゃん
煙草屋のおばちゃんに至るまで、どこを取っても
スピンアウトが作れるんじゃないかという
キャラ立ちと設定の深みを感じさせられます。

「とにかくこれがやりたかったんだ」という制作側の
熱意の篭もったスタイリッシュとハッタリの効いた演出は、
冒頭でJP自身が口に出す「けれん味」という言葉に
総括されており、とにかくわけのわからないテンションで
盛り上がれる、近年稀に見る、色んな意味で
突き抜けてしまった素晴らしい映画だと思いました。
ていうか、こんなアニメ今の世の中にあって本当
よく作ることができたなあ、やっぱすげえよ石井克人。

世界は壊れない

アカデミー外国映画賞「瞳の奥の秘密」に対し
最後まで競り合ったと言われる作品、それが
ミヒャエル・ハネケの「白いリボン」と聞き及び
早速鑑賞しましたのでレビューをば!

第一次大戦前のドイツの小さな農村で、
乗馬中の医師が何者かが悪戯で仕掛けた
細い針金にかかり、落馬して大怪我を負う。
翌日には製材所で働く小作人が事故で死亡した。
不穏な空気もようやく鎮まりかけた二ヵ月後の
収穫祭の夜に、村を治める立場である男爵の
息子が何者かによってひどい暴行を受ける。
これに大層立腹した男爵が「村の平和」に
言及したため、村人の間には再び、そして
より更に底知れぬ不安が立ちこめるのだった…
というのが大まかなあらすじです。

「ファニーゲーム」や「ピアニスト」で知られる
ドイツの問題児、ミヒャエル・ハネケが今回
打ち出したのは、閉鎖的な村社会で起こる
一連の事故によって生じる、村人たちの
ドス黒い感情を淡々と描いていく作品です。
というわけである意味通常運行。

もうね、なんというか、ハネケの映画っていうだけで
身構えてしまう前提があると、監督自身が
そのことに対してよく自覚があるのか、
登場人物がただ廊下を歩いて、ドアの向こうに
消えた後延々ドアのみが映される、そんな
本来ならば冗長さを感じるような長回しが、
「次の瞬間何かとんでもなく残酷なことが起こるの
ではないか」という緊張で神経が張り詰められ、
最早ホラー映画一歩手前ってんだから大したもんです。

人間のドス黒い悪意が増幅されていく…というと、
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」、村社会の恐怖といえば
「わらの犬」が連想されたわけですが、ハネケの場合は
それら二点に持たされた「救い」をも徹底的に排除した
ような本当に容赦のない作りになっていて、登場人物が
まず、右を向いても左を向いてもとにかくクズしかいない。
そんなクズがコミュニティを形成し、子供を育てても
結局歪めた形で成長させるか、蹂躙されて潰すかの二択で、
村の持つ狂気という名の炎により一層の油を注ぐ形に。
しかしクズだからと言って全員が犯罪者というわけで
なければ、誰かと誰かがドンパチやらかして誰かを
明確に「悪」だと断言するわけでもなく、そもそも
一連の悪事を働いたのかという点においては
徹底的にぼやかしたままと、よくもここまでイライラする
作品を作れるもんだとかえって尊敬してしまいます。

「村社会って怖いね!」という一点の描写に特化した、
ということであれば文句のつけようがないのですが、
反面「えっこれで終わっちゃうの?」というモヤモヤ、
このハネケの得意とするところ、やりたかったことが
「腑の落ちなさ」として賞を逃す要因になって
しまったんじゃないかなーとも思うのですが、
ハナっからアカデミーとかそんなんじゃねえんだよ!
という気概も感じられるようで、これからもハネケには
胸クソ悪くなるような作品を世に送り出していただきたい。

人間の持つドス黒い感情、現代に生きる人間の病理を
描いた名作は数多く存在しますが、例えば本作、
そして「ゼア・ウィル~」や「ノーカントリー」といった
タイトルはどれも21世紀以前を舞台としており、
「は?何言ってんだ、人間は元々こんなもんだ」なんて
ある種の性悪説を見せ付けられているような気もします。
こんにちは、血塗れの新世紀。

おめでたい奴ら

超有名エンターテイメント作品って簡単に手が届く分
かえって観てなかったりするよね…ということで、
今回はそれだけの理由で「グーニーズ」を
鑑賞しましたのでこのレビューをば。

父親の借金の担保として家族揃って明日には
家を立ち退かなければならなくなったマイキーは、
海賊「片目のウィリー」が記したという宝の地図を
偶然屋根裏から発見し、彼の三人の親友、
口のよく回る気取り屋”マウス”、発明家”データ”、
役立たずのピザデブ”チャンク”と共に
借金に代わる財宝を求めて冒険を開始する。
だがしかし、地下への入り口が隠されていると
される古びたレストランは、奇しくも指名手配中の
”フラッテリー一家”のアジトでもあったのだ…
というのが大まかなあらすじです。

スティーブン・スピルバーグが製作総指揮、
後に「ハリーポッター」シリーズで知られることになる
クリス・コロンバスが脚本を書き上げ、
シンディ・ローパーが郷愁を誘う主題歌を歌い上げる
という、豪華な面子で構築された本作品。
今や名脇役として名高いジョシュ・ブローリンの
デビュー作でもあり、喘息持ちだが勇気と知恵は
人一倍というマイキーに対して若干脳筋気味な兄
という役どころを演じているわけですが、17歳の時点で
既にゴリラ顔というところに失礼ながら吹かされます。

んで、地元には海賊を閉じ込めたという洞窟があって、
そこには手付かずの財宝が山ほどあって、
でもデストラップが満載で、しかもたまたま極悪
犯罪一家にも追われることになってしまう…という
まさにありえないことだらけのご都合主義で
構築された設定てんこもりなわけですが、
重要なことはそんなところにはなくて。
「十代の世間知らずな少年たちが今という瞬間の
思い出を残すために宝を探す」という構図は、
例えば死体を一目見るためだけに延々野山を歩く
「スタンド・バイ・ミー」と根っこは同じなんですね。

同様に、子供の頃に観るか、それとも成人以降に
観るかでその評価の仕方も随分変わってくる
気がする作品で、鑑賞中にいらんつっこみが勝手に
脳内を走ってしまうあたり、できればリアルタイムで
ちゃんと観ておけばよかったかな…と思わされることしきり。

フラッテリー一家がマジキチだったり、若干悪趣味な
造形のフリークスが登場したりと、子供からしたら
かなりビビる部分も多く含まれてたりするわけですが、
「E.T」同様、なかのひとは子供の頃この作品も
「なんとかロードショー」とかで何度も民放に流れてたのに
怖くてまともに直視することができなかったんですよ…
マジチキン。

幼い頃のトラウマにまた一つケリをつけられたことと、
少年時代を思い起こさせるノスタルジーな気分に
浸れたということもあり、概ね満足のいく作品でした。

ザ・コーナー

トルーマン・カポーティ原作映画「冷血」も
鑑賞しましたので本日はこのレビューをば。

本作は1959年のカンザスで実際に起こった、
ペリー・スミスとディック・ヒコックによる
一家強盗殺人事件を、トルーマン・カポーティが
殺人犯への取材も含め、綿密な調査によって
書き上げたノンフィクション小説の映画化作品です。

70年代にようやくFBIが「プロファイリング」を
導入したことに対し、60年代の「病理的な殺人」に
世間が大きく翻弄されるという時代を背景に、
「1万ドルを収めた金庫がある」というガセを元に
二人の男が善良な農村一家へ押し入り、
家族四人を惨たらしく射殺した後、たった43ドルの
上がりを握り締めて各地へ逃亡する様を描く…
という題材は実に不謹慎な興味を掻き立てられる
内容に違いないのですが、本作「冷血」は
それ以上に原作者、トルーマン・カポーティが
作品を書き上げるために現実で大いに踊らされる
様の方がずっと面白いというのが問題で。

事件の現場や警察署、刑務所に至るまで
各シーンの隅に佇むカポーティの姿を想像したり、
本作においてほんの5分か10分で済まされてしまう、
「犯人が逮捕されてから死刑が執行される間」こそが
最も長い間カポーティが苦悩させられ、そして同時に
彼自身が最も書きたくなかったシーンなのではと
邪推するにあたり、また違った視点での楽しみ方が
浮かび上がってしまいます。

なんだか、例えば「バートンの『エド・ウッド』を観てから
エドウッド作品を観て楽しむ」ような歪んだ姿勢での
鑑賞となってしまいましたが、それこそエド・ウッド
同様に背景の方が面白いんだから言い訳はしない。
しかし、昨今では当たり前のように世間に氾濫している、
犯罪をテーマにしたノンフィクション作品の先駆けであり、
それ故のノウハウ不足からカポーティは精神的に
追い込まれ、結果として二度と筆を握れなくなってしまった
というのは彼の情熱と心血を注いだ作品の顕れで
あることには違いなく、「冷血」は作品単体として見ても、
創作という歴史においても重要な位置にある作品と言えましょう。
是非「カポーティ」と1セットで鑑賞することをオススメします!

檻の中の名無しの猫

以前鑑賞した「カポーティ」に端を発し、
映画化作品「ティファニーで朝食を」と「冷血」の
二点をレンタルしてきましたので、本日は
「ティファニーで朝食を」のレビューを行います!

ニューヨークにあるアパートに住むホリーは
連日連夜ドンチャン騒ぎの自由奔放な生活を送っていた。
そんなある日、彼女の上の階に作家のポールが
越してくると、彼女は「自分の兄に似ている」という
理由から彼をフレッドと呼び、次第に二人の仲は
深まっていくのだが…というのがおおまかなあらすじ。

トルーマン・カポーティが作家としての名を
大きく広めることとなったという小説を原作に、
同名映画化したのが本作品。
偉大な女優、オードリー・ヘップバーンがホリーという
キャラクターを体当たりで演じていることにも注目。

大勢の男の間を渡り歩く天然で身勝手でおバカな女に、
俗物たちがおおいに翻弄されて、しかし彼女自身も
自らの愚かさに気づかされ、やがては…という
ラブストーリーなわけですが、彼女の飼う「名無しの猫」や
ポールの著作が「Nine Lives」だったりと、ホリーの
人間性や作品のテーマとして「猫」を匂わせる演出に、
原作が如何に細部まで気を配っているかが見え隠れします。

「怪我をした動物を保護したって無駄よ、あなたの手の
届かない木の上や大空へ逃げてしまう」「今日は今までに
やらなかったことをしましょうよ!」といった数々の名台詞も
素晴らしい…のですが、言ってることややってることは
割りとどうしようもない人間のクズなのでおおおい!?と
突っ込みを入れてしまうのはご愛嬌。
しかし、60年代初期、まだ封建的な時代にこれだけの
「自由な女性像」を前面に打ち出したというのが、
当時どれだけの衝撃を与えたのかは想像もつきませんね!

買い物がしたいとか、デザインが好きとかじゃなくて、
「ティファニーという店の雰囲気が好き」と言い張る
ホリーという女性が持つ魅力がそのまま作品の魅力に
集約されていると言ってもいい本作品、映画の、
ラブストーリーの古典としてはもとより、
突き抜けた性格のヒロインとして見ても
かえって真新しいものが得られると思います。
今の時代だと「フォオオオオオオ!ビッチビッチビッチ!」
とか突然興奮する人も中にはいるかもしれないけど。

スパイク「僕にいい考えがある」

毎月1日は映画の日!というわけで、
この夏注目の大作映画
「トランスフォーマー ダークサイド・ムーン」を
鑑賞してきましたので本日はこのレビューを。

1960年代、突如世界で巻き起こった
宇宙開発競争の秘密は、月の裏側に墜落した
オートボットの宇宙船が原因であった。
その事実を知らされなかったことに憤るオプティマス。
宇宙船には彼らの故郷であるセイバートロン星を
繋ぐ装置「スペースブリッジ」の柱と、設計者にして
唯一起動方法を知る科学者・センチネルプライムが
眠っているのだとオプティマスは語る。
かくして、一度使い方を誤れば地球を破滅させかねない
その危険な装置を巡り、オートボットとディセプティコン
最後の戦いの火蓋が切って落とされた!
…というのがおおまかなあらすじです。

ご存知マイケルベイ野郎が監督し、全世界で
ヒットを飛ばした「トランスフォーマー」シリーズ
ひとまずの完結編となるのが本作品。

人類の宇宙開発競争という正の歴史や、
チェルノブイリ事故の負の歴史の裏では
全てトランスフォーマーが関与していた…
というオープニングもそこそこに、今回は
所謂「無印」にあたるアニメのG1や、
ザ・ムービーを連想させるネタがこれでもかと
盛り込まれているのがファン感涙なはず。

スペースブリッジの登場はもとより、
それを使って地球を滅ぼす!なんてのは
まさにアニメ最終回ネタだし、サウンドウェーブや
ショックウェーブ(和名だとレーザーウェーブ)が
本格参戦したり、重要キャラがあまりにあっけなく
ポックリ行ったりするのもラストを盛り上げます。
空中攻撃兵コンドルが無駄に強キャラだったり、
オプティマスが光る斧…通称エナジーアックスを
意識したような武器取り出してブン回すあたりも
スタッフがよくわかりすぎてて吹かされます。
優秀な科学者という設定のセンチネルプライムは
セイバートロンの長老・アルファートリンを意識
したようなデザインにもなっていますし、
オタク・マニアなら見所がもっと色々あるのかも。

前作「リベンジ」までは主人公・サムの恋人役として
登場していたミカエラ役、ミーガン・フォックスが
監督・スタッフと大ゲンカして降板したことを受け、
大胆にも本作が映画デビューとなる
ロージー・ハンティントン=ホワイトリーを
ヒロインとして起用、これがアニメG1ヒロインと
共通する名「カーリー」を冠するのも嬉しいところ。

しかし誉められるところばかりかと言ったら
そんなこともなくて、今回はややベイの大好きな
「アメリカ万歳!」調が強くなりすぎて、
「トランスフォーマー」が「トランスフォーマー」である
所以の、変形ロボアクションのギミックが
若干隅に追いやられている感が否めなく、
前作の合体ロボ・デバステイターのような
トランスフォーマーならではの醍醐味や衝撃が
味わえなかったのは残念。
後半はディセップの侵攻に対する人間の抵抗、
ってのが前面に出すぎててファイナルバトルも
「本当にそれでいいの!?」「おいあっけねえな!?」
って感じで割とあおりを食った感ありますし。

デバステイターやジェットファイアとの合体ギミックを
組み込んだり、「ピラミッドに太陽破壊装置が!?」という
超展開等を省みるに、トランスフォーマーらしくキッチリ
まとまってた完成度は前作の方が上かなという印象。
じゃあ面白くなかったかと言えばそんなこともなくて、
機会があれば今度は字幕版で観てもいいか程度には
興味をそそられる濃密な内容となっているのも確か。
無印・リベンジが気に入った人ならば、作品にピリオドを
打つためにも是非劇場へ足を運ぶべきです!ええ。

話は逸れますが、三作通して登場するシモンズ
「元」捜査官演ずるジョン・タトゥーロに加えて、
本作では国家情報長官役にフランシス・マクドーマンド、
大企業の副社長というチョイ役にジョン・マルコヴィッチと、
なんかコーエン兄弟の映画観てるみたいな配役が素敵。
着実にキャリアを積み重ねている主演、シャイア・ラブーフや
これらのキワモノ・ゲテモノとも言える大物に囲まれて、
全くのルーキー・ロージーの存在はかなり浮いてた
気もするけど、うん、見なかったことにしよう。
プロフィール

マイケル・チバ

Author:マイケル・チバ
シルバーレイン
マイケル・チバ(b30277)
薬師寺・米(b41960)
を経て、
現在はエンドブレイカー!
マーヴィン・ジェント(c06527)
にて稼動中。

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