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黒い方白い方

隠れた傑作的コメディがあるということを聞き、
「ハングオーバー」なる作品を鑑賞しましたので
本日はこのレビューを行いたいと思います!

結婚式の開場まで5時間を切っているにも関わらず、
トレイシーの婚約者・ダグは姿さえ見せずにいた。
ようやく彼の悪友、フィルから彼女へ連絡が入るが、その
内容は「ダグは消えた、もうおしまいだ」というものだった。
そもそもの発端はダグの結婚式の前日、独身最後の
お楽しみとして彼は三人の友人と共にベガスへ
繰り出していたのだが、一体そこで何があったのか…
というのがおおまかなあらすじです。

「消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」という
「VS邪悪な元カレ軍団」みたいな屈辱的な邦題が
つけられたという話はさておき、ベガスを舞台に
バカ男どもがバカ騒ぎの果てに七転八倒する様を
描いた、ロードムービー調ブラックコメディ。

ベガスでつつましく、しかしできる限り派手に騒ぐつもりで
男三人で結婚直前の一人を祝うはずが、気がつけば
いつの間にか記憶をなくし、借りたスイートルームは
目茶苦茶、しかも当の花ムコは消えてるってんで
大急ぎでその足取りを追うことになるというストーリーで、
その駆け出しの突飛さは舞台のことも手伝って
「ラスベガスをやっつけろ」のようでもあるし、
昨夜の出来事を全く思い出せず、彼らに関わった
人間からの聞き込みで事件が浮き彫りになっていく
様子は「メメント」的、基本的には性格クズな集団が
徐々に絆を深めていくのは傑作ロードムービー
「リトル・ミス・サンシャイン」も連想させるし、
学生気分からまるで成長していないバカどもは
「スーパーバッド!」の延長にあるようにも思えます、
メガネのガリにわけのわからない強キャラ補正が
どんどんついていく展開なんかも含めて。

というわけで、ポストタランティーノ並に練り込まれた
脚本が見事で、突然の衝撃的展開!を一つ一つ
綺麗に消化していき、複線を綺麗に回収する手腕は
お見事の一言、グイグイ物語に引き込まれていきます。

多少クズな方がリアリティあるっていうのも嫌な
言い方ですが、そんな彼らが絆を深めていく様を
見守るうちにどんどん魅力的な光を放つようになるし、
周囲が結婚をして足元を固めていくと、男だけで
バカ騒ぎできる機会ってのはビックリするほど
減っていくってのは誰にも実感させられる部分であり、
そういったシンパシーが観客に訴えられるところも
多いんじゃないかなと思います。
殆ど無名の役者で顔を揃えているのも、この場合は
変に役者の色が出ず、観客が素直に感情移入できる
プラス要因として働いていると言えましょう。

アカデミーとか獲れるわけがない、獲っちゃいけない
きわどい内容のお下品成分が含まれている分
表立って話題になってない作品だと思うんですが、
それだけにそれこそ男同士で酒でも傾けながら
バカ笑いして、最後にちょっとしんみりしたら
いいんじゃないかという愛すべきバカ映画でした。
しかし何だ、綺麗にオチがついたのにヒット受けてご多分に
漏れずこれもまた続編作っちゃうのはどうかと思うよ。
ドン引きだよ。
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自分自身のための戦い

やっと地元の映画館で「スコット・ピルグリム」が
上映された!ってんで、本日はこの作品の
レビューをしたいと思いまーす。

カナダ・トロント在住、高校時代の友人とつるんで
バンドをやっているスコット・ピルグリム(22歳)は
ルームメイトに食わせてもらっているガチ無職、
17歳の女子高生と付き合っている正真正銘のクズ。
そんな彼はある夜見た夢に出てきた女性・ラモーナが
現実に存在すると知るや否や、心を奪われてしまう。
しかし彼女曰く、二人がお付き合いするためには
「七人の邪悪な元カレ」を倒さなければならないとか
なんとか…というのがおおまかなあらすじです。

日本かぶれというカナダのオタク、ブライアン・リー・
オマリーが描いて全世界でヒットした漫画を原作に、
「ショーン・オブ・ザ・デッド」「ホット・ファズ」で
知られるエドガー・ライトが映画化したのが本作品。

そもそも「七人の邪悪な元カレを物理的にしばき
倒さないといけない」って設定は突飛な上に
原作でもそこまで明確な理由はなく「そういう設定
だから」で済まされてるような内容の作品を
映画にまでしちゃうっていうのは、漫画文化も
世間に幅広く容認されるようになってきたのかなーとか
それともやっぱりハリウッドは慢性的なネタ不足
なのかなーとかそんな話はさておき。

とにかくダメダメなダメ男・スコットピルグリムの
ダメダメな日常と相反する超常バトルを描いた本作は、
「閑静な田舎街が一転突如バトルフィールドに」という
超展開を得意とするエドガー・ライトが最も得意とする
ホームグラウンドで、小粋なジョークとハイスピードな
カット割、原作の「ファミコンリスペクト」をよく汲み取った
「わかってる演出」等々、視覚・聴覚あらゆる角度からの
アプローチで我々を楽しませてくれます。

原稿にして1000ページ以上にも及ぶ長編の原作を
噛み砕いて、2時間という尺の映画脚本に落とし込む
作業も素晴らしく、原作で消化不良だったり、モヤモヤ
する部分を上手く改変して綺麗にオチをつけているのは
やはりエドガー・ライトの方が「作品を作る」という現場に
長くいたという一日の長、キャリアを実感させられました。

キャストは日本ではあまり知られていないヒット作
「スーパーバッド」にも出演している、主演のマイケル・セラ
以外は自分には全く馴染みのない面子ばかりで、有り体に
言ってしまうと美男美女からは遠い地味な面子なのですが、この
「敢えて冴えない二十代に仕上げた」感溢れるチョイスが絶妙。
原作の根底に流れている、ドロドロした人間関係にものすごく
リアリティーを与えていて、実写向きの作品だったんだなーと
映像に向き合うことであらためて思わせられることしきり。
レギュラー陣に輪をかけて「邪悪な元カレ軍団」の
再現度がすさまじく、あまりにそっくりなハマリ役ばっかりで
一体どっからこんなに連れてきたんだ!?と吹かされます。

「ピンクのほっぺのピコピコ坊や」で知られるアメリカの
ロックスター、ベックが作中のスコットが組んでいるバンド
「セックス・ボブ=オム」名義でサントラに全面的に
協力しているというところも「わかっている」過ぎて、
あまりの余念のなさに狂気にも似た作り込みを感じます。

ただねー、すごく面白いって言っても、それは原作
ありきでそれを知っている上の話であって、例えば
「結局ラモナーって何者なの?」「サブスペースハイウェイって
何よ?」っていう話が原作自体詳しい説明がされて
ない以上、とっつきにくさはあるし原作未読の人は
「???」ってなることも少なくないんじゃないかなーと。
オタクの作ったオタクな作品が映画化されたとしても
それもまたオタク向けという範疇でしかなく、興業的には
コケてしまったのはそういうことなんじゃないでしょうか。
限られたファン同士でワイワイ大盛り上がりできる反面、
同時に間口の狭さも持ち合わせてしまっている惜しい作品です。

ゴッドレス・イングリッシュマン

本日は新作DVD「ロビン・フッド」を鑑賞
しましたのでこのレビューをしたいと思います!

12世紀イングランド。
フランス遠征十字軍を自ら率いたリチャード王は
帰国を目前にして一本の矢に斃れてしまう。
その知らせから早々に戦場を退いた一兵士の
ロビン・ロングストライドはその途中、王の暗殺を
目論む王の側近中の側近・ゴドフリーが王冠返上に
走る騎士を襲撃する場面に偶然遭遇する。
暗殺団を退けた彼らは、ロバート・ロクスリー卿の
「黙って持ち出した父の剣を家へ届けて欲しい」
という遺言を聞き、ロビンはロバート卿に成りすまし
彼の故郷ノッティングヒルを一路目指す。
しかしフランス王の姪を妃に娶り、それがフランスの
侵攻の口実にもなっている愚弟・ジョンに王位が
移ると、フランスと内通しているゴドフリーは国に更なる
混乱を生じさせるため、そして知りすぎた男・ロビンを
消すため、重税の取立てを口実にイングランド北部へ
自ら兵を率いて乗り出すのであった…とえらい長く
なりましたがこんなあらすじです。

多くの作品でタッグを組んでいるリドリー・スコットと
ラッセル・クロウが「グラディエーター」同様に
一大スペクタクル・ロマンに臨んだのが本作品。

伝説上の義賊「ロビン・フッド」の物語をベースに
12世紀イングランドの激動の時代を描いていく
わけですが、この「ロビン・フッド」という人物と
ラッセル・クロウの起用がなかなかに曲者で面白い。

というのも、これもまたリドリーとラッセルの作品
「アメリカン・ギャングスター」同様に、主人公は
確かに正義感強かったり義理堅かったりはするけども、
でも決してフォローできない性格カスなところあって、
そうしてなんとなく許されてしまうというのは
スキャンダラスな私生活で知られるラッセルの
イメージに実に馴染む部分があり、監督は多分
狙ってやってるよね?と思うことしきり。

で、上映時間二時間半というなかなかに長丁場の
作品なわけですが、物語の進行そのものはやはり
大御所リドリー、その手腕は老練と言うべきで
「細かいドラマ」を要所要所で組み立てていくのが
すごく上手く、中だるみをほとんど、いや全くと
言っても差し支えないほど感じさせません。
ただ反面、贅沢な悩みなのですが、テンポが良すぎて
食い入るようにはならず流してしまう感覚にも。

登場人物のあっさり風味も、先日弟スコット君の
監督作品「アンストッパブル」を観てしまった故に
ひとしお想いが強くなることしきりで、なんというか
多少の話の整合性とか観客が「うううn!?」とか
なること無視してでも漢と漢のドラマの味付けが
欲しかったかなーとか尺を割いて欲しかったかなーと。
最も、そういうスタンスの違いがまた今の兄弟の
ポジションに明暗を与えているという気もしますが。

ドラマパートにちょっと尺割き過ぎて「グラディエーター」で
受けた衝撃や興奮を超えるだけの琴線には及ばず、
激動の中世イングランドというと名作「ブレイブハート」を
連想し、残念ながらこれらの完成度には届かないかな
という個人的な評価ではありますが、この時代から
「ブレイブハート」へそのまま繋がっていくのかと思うと
イングランド王族マジバカわはーって面白がれるってのと
(最も、ロビン・フッドやウィリアム・ウォレスの創作的
エピソードを全部真に受けてはいけないとして!)、
「グラディエーター」あたりからアホみたいに量産された
スペクタクルロマンとは比べ物にならない水準の高さ、
そして今だからこそ落ち着いて観れるというものはあります。

卒業 卒業ってなんだ

今更ながらまたアメリカンニューシネマを
ちょくちょく漁ってたりしまして、本日は「卒業」を
鑑賞しましたのでこの作品のレビューをば。

親類の誰もが褒め称えるベンジャミンは
様々な功績を残し大学を卒業した身だが、
彼自身は将来に対して漠然とした不安を抱えていた。
そんな折、帰省した実家での卒業パーティーの最中、
彼は父と深く親交のあるロビンソン家の夫人から
家まで車で送って欲しいとの願いを受け、そして
夫人はベンジャミンにふしだらな誘惑を行う。
間もなくして二人は禁断の関係を持つに至るが、
ロビンソン家の一人娘にしてベンジャミンの幼馴染
でもあるエレーンもまた彼と同じくして一時帰省してきた
ことで、事態はより一層歪んだものへと変貌していく…
というのがおおまかなあらすじです。

陰鬱な表情を浮かべるダスティン・ホフマンのショットに
乗せて「サウンド・オブ・サイレンス」が流れる印象的な
オープニングで幕を開ける本作品は、大人になりきれない
青年が様々な人々に翻弄される様を描いた内容です。

人妻が戯れに自分の娘とほぼ同じ年齢の青年を
つまみ喰いしてただれた関係を持ったけれども、
でもやっぱり青年の方は若い子、加えて幼馴染の方が
いいよね!ってそっちにも流れてしまうという「それなんて
エロゲ?」っていうストーリーだったりもするんですが。

多くの人々が無力感と無気力に苛まされた時代の
作品なだけあって、主人公・ベンジャミンの描き方が
生々しくかつ痛々しく、「学歴社会」を生きてきた
我々日本人にとっても痛烈に心に響くものがあるはず。

ベンジャミンは大人の言うことは何でも聞いて、それを
忠実にこなすことで今までの栄光を積み上げてきたが、
反面人の言うことには逆らえず、何でも「うん」と頷いて
しまい、自分から積極的に行動を起こすのは苦手。
そんなわけだから「自立して大人になる」ということに
苛立ちと不安を覚え、そこをつけこんだ悪い人妻の
誘惑にコロッといってあっという間に遊びの味を覚える。
彼は今で言えばまさしく「ちょっと勉強のできる子の方が
ニートや引き篭もりになりやすい」という典型に
すっぽり当てはまるタイプなわけですが、そんな
社会問題が表層化しておらず、「健全な魂は健全な
肉体に宿る」とでも言うような世間の空気に晒されていては、
彼らのような悩める内気の若者の抱えるやり場のない
苦悩と憤りは一層だったのではと伺えます。

ベンジャミン以外にも作中の登場人物は皆
心情の流れの描写が秀逸で、誰もが「健全」であろうと
虚勢を張り、それがまた新たな歪みを生み出したり、
そうして反動による爆発で何もかもをブチ壊してしまう。
それぞれが迷走する様に対して極力説明的な台詞を
省き、色々な解釈の余地を残すと同時に「何故そう
至ったのか」は観客になんとなくわかるってのは凄い。

ズブズブと泥沼にはまっていくベンジャミンが、
多くの人を傷つけ、そして自分も傷だらけになって、
一番地の底に足がついた時、はじめて彼が自分で
物事を考え行動を移すに至ることで「おおっ!」と思わず
身を乗り出しうっすらと涙も滲む想いなのですが
そこはアメリカンニューシネマ、例によってカントリーや
フォークに合わせて報われないエンディングへ
向けて歩むのはよせー!と思いつつ、しかし更に
ドンデン返しの「ううううn!?」と唸る急展開で締め。
果たしてこの幕切れを観客はどう解釈するのか?
そして「卒業」とは一体何なのか…という余地を残す、
アメリカンニューシネマとして括られるには十分過ぎる
しんどいながらも面白い作品でした。

童話の消えた森

テリー・ギリアムの作品を観よう観ようと思って
観れてないなあ…というそんな動機で今回
借りてきたのが「ブラザーズ・グリム」!
本日はこの作品のレビューをしようと思います!

19世紀初頭・フランス占領下のドイツ。
ウィルとジェイコブのグリム兄弟は大道芸まがいの
インチキ悪魔退治で各地を練り歩き小銭を稼いでいた。
しかしその所業はフランス軍の耳にも届き、彼らは
死刑の免除を条件に「マルバデンの森」で起こっているという
不可解な子供の失踪事件解決を依頼されることに…
というのが大まかなあらすじ。

マット・デイモンとヒース・レッジャーがイケメンの
グリム兄弟という設定で臨む、ゴシックなダーク・ファンタジー…
というフリを全力でした、相変わらずのギリアム作品。

あくまでリアリストを貫く肉体派の兄とロマンを捨てない
知性派の弟という凸凹コンビが、インチキ興行の果てに
本当の超常現象に巻き込まれてしまうというお約束な
設定を下敷きに、「ヘンゼルとグレーテル」や「赤頭巾」等々
お馴染みの童話のエッセンスを盛り込み、アートワークは
お得意のポストモダンな様相とまさにギリアムの趣味が爆発。

ただ、中世を舞台とした不可解な事件にイケメンが挑む…!
という構図、これは既にティム・バートンが本作よりも
5年以上も前に「スリーピー・ホロウ」でやっちゃったことで、
現実と虚構、ドラマとコメディの危ういバランスを両立
ってのはバートンの方に軍配が上がるんじゃないかなーと。

グッチョグチョのグロなダーク・ファンタジー作品という点に
おいてはこれより1年後の「パンズ・ラビリンス」の方が
文句のつけようがない完成度の高さを見せているし…

モンティ時代を経て、「ブラジル」「12モンキーズ」を踏まえ、
「あのテリー・ギリアムがファンタジー作品に挑戦!」
というキャッチコピーに「血迷ったかギリアム!」と
往年のファンが視聴して「なんだいつも通りじゃん」と
安心して楽しむ分には全く問題のない作品ではあります。
実際、内容にはそつがないしキャラも皆立ってる。

ただ、やっぱり「ファンタジーのフリをする」という建前に
趣味を全開にするという折り合いがつけられず、
何だか無難な作品に仕上がっちゃったかなーという気が。
「ブラジル」や「12モンキーズ」のようなバッドエンドじゃ
ないからってことじゃないんだけど、あと一歩、あと一歩!
ギリアムならではの鑑賞後に残る救われない感や
モヤモヤが欲しかったかもしれない!
プロフィール

マイケル・チバ

Author:マイケル・チバ
シルバーレイン
マイケル・チバ(b30277)
薬師寺・米(b41960)
を経て、
現在はエンドブレイカー!
マーヴィン・ジェント(c06527)
にて稼動中。

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