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Leave the past behind.

2010年のアカデミー外国映画賞に輝いた作品
「瞳の奥の秘密」を鑑賞しましたので
本日はこのレビューを行いたいと思います!

長年勤めた裁判所を定年退職したベンハミンは
趣味の一環として小説を書くことを思い立ち、
かつての上司であるイレーネの下を訪れ助言を求める。
ベンハミンは20年以上もの昔に担当した、未だ忘れられない
「モラレス事件」をテーマにしたいと話し、彼女と共に
当時の追憶を重ねるうちに、彼の中で一つの疑問が
25年という時を経て新たに浮かび上がってくる…
というのが大まかなあらすじです。

老人の劇中劇的な回想から始まり、一体ここから
どういう転がし方をするのか?という先の見えない
オープニングから観客の心をキャッチする本作の
テーマは「過去」と「情熱」の二つであり、それらの
エッセンスを複雑に絡み合う糸のような事件と
人物相関図に振りかけたサスペンス・スリラーです。

物語はある凄惨な暴行殺人事件を過去・現在
両方の視点から主人公が追っていくという形で
描いていくのですが、ともすれば煩雑になり、
観客に混乱をきたしかねない時系列の交差を
見事に整頓して描ききった監督・脚本の手腕に脱帽!

登場人物は実は多くなく、主人公とアル中の相棒、
主人公が密かに惚れている女性の上司という
裁判所チームと、被害者の夫、そして謎の殺人犯
程度に留められていることも物語がコンパクトに
まとめられている理由の一つだと思うのですが、
それにしても次々と判明する新事実から、果たして
真犯人は一体誰なのか?そして事件の真相とは?と
観客は話の着陸点や決着がわからないままに踊らされ、
そしてそのままラスト30分での怒涛の衝撃的展開に突入と、
グイグイ作品に惹き込まれていくこと必至です。

「目は口ほどに物を言う」とでも言うべきか、邦題の
示す通り「眼」も作品で効果的に使われており、
それぞれの男たちが瞳の奥に抱えた秘密こそが
本作品における最も重要なテーマと言えます。

過去に囚われた男たちが真実の愛を求める故に
傷つき、時として失った物のためにはかくも憎悪のみを
糧に人は生きられるのか…!と驚嘆させられることがあれば、
それらの一切のわだかまりから逃げ隠れることを止め、
遥かに困難な壁と向き合い新たな一歩を踏み出す姿に
涙することもある、まさに静けさの中に激しい情熱を灯した一本。
アカデミーに輝くに相応しい、素晴らしい名作でした。
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王族はつらいよ

アカデミー四部門受賞と話題の作品
「英国王のスピーチ」を昨日鑑賞してきましたので
本日はこのレビューをしたいと思います!

1925年、大英帝国博覧会閉会式において
父王・ジョージ5世の命により次男・ヨーク公は
スピーチを行うことになるが、そこで彼は幼少の頃から
抱えてきた吃音症を大勢の国民の前で晒してしまう。
エリザベス妃は自らの足で見つけた言語聴覚士、
ライオネル・ローグを彼に紹介し、かくしてライオネルの
「オーストラリア式治療法」にヨーク公は挑むことに。
だが完全な障害克服とならないまま、余命いくばくもない
父王と人妻に入れ込む放蕩な長男に板ばさみにされ、
彼は残酷な時の流れと共に次々と重責が課せられていく…
というのが大まかなあらすじです。

「あっれ!コリン・ファースって先日観たシングルマンの
男優じゃん!」って程度には前情報をほぼシャットダウン
した状態で観た本作は、第二次大戦を間近に控えた
危険な世界情勢とスキャンダラスな皇室の当時を背景に、
後に「善良王」とまで呼ばれるに至った英国王子
ヨーク公という人物像とその成長を描いたドラマです。

今最も注目すべき男優、コリン・ファースを主演に、
「シャイン」では自らが精神に病を抱えるに至った
哀しきピアニストを演じたジェフリー・ラッシュが
言語聴覚士として心の病から救う男を熱演、
ヨーク公を影から支え続けたエリザベス妃には
英国を代表する女優ヘレナ・ボナム・カーター、
世間と皇室を騒がせる色情狂の色男皇太子には
ガイ・ピアースと、まさに火花の散るような演技と
演技のせめぎ合いが行われる豪華俳優陣が集結!

ストーリーは「演説」と「話し方」、ダブルミーニングである
「スピーチ」を吃音症であるヨーク公が如何に克服するか、
そしてそれが国民にとってどんな意味を成すか、を
描いた感動のヒューマンドラマなのですが、
まぁ…その…なんというか、監督も脚本も俳優も、
そりゃアカデミーも獲るわって非の打ち所のなさで
実はあんまり書くこともなかったりするんですよね…

とは言えやはり人格・肉体を無理矢理矯正され、
型に嵌め込まれることでその「歪み」が生まれてしまった
悲しき男を自然体で演じるコリン・ファースは凄い!
「シングル・マン」で「完璧を演じ続ける男」という
キャリアを経た彼が今回の役どころでユーモアも交え、
「皇室出身とて一人の人間なのだ」という悲哀と、
それでも友のため、国民のために戦うのだという力強さを
観客にその演技一つでもってして伝えてくれます。

皇室制度は日本においても決して他所の国の話
ではないし、そりゃ皇太子様だって屁一つこくのも
ためらわれるような身の振り方をいつも強要されてたら
罵詈雑言を撒き散らしたくなる時だってあるだろうなんて
思ったりすれば、昨今の東日本大震災における視察の
頻度はこっちが心配するぐらいだったりするけれどもそれが
確かに国民を元気づける一因になっているのは間違い
ないと振り返るに、少なからず「皇室」が「皇室」として
存在することは国民にとって意味があることで、
またそれに対して更なる親しみを覚えることができた
という観点では、なかなかに日本人向きの内容であるし
貴重な体験ができたように思えます。

文句なしに面白い満足のいく感動作なのですが、
前述の通り非のうちどころがない、そつがない
ある意味教科書通りすぎる気もして逆に不安・不満に
なるという贅沢な映画でもありました。

今日一日を生き抜け

なんとなく気になっていた映画
「シングル・マン」を鑑賞しましたので
本日はこのレビューをしようと思いまーす。

誰もが羨む男を日常で演じているジョージは
その実ゲイであり、八ヶ月前に恋人のジムを
亡くして以来彼の人生は退屈と苦痛でしかなかった。
平静を装い続ける彼の心は徐々にフラストレーションと
衝動に苛まされていき…というのが大まかなあらすじ。

「トム・フォード衝撃の監督デビュー!」という
触れ込みだったわけですが、トム・フォードって
誰じゃらほいったら実はファッション業界の大物らしくて。
こういうところでアンテナの低さや無知が露呈。

それはさておき、同名小説を原作に敷いて、
そのファッション業界の大御所がいったい映画という
新境地でどう腕前を披露するのかと言えば、それこそ
高級レストランのような細かな気配りとアプローチ、
「雰囲気」が他とは一線を隔しているのですね。

出演者の服装のセンスはもとより、画面の
隅に至るまで計算されたような細かなアイテムの配置、
主人公・ジョージの躁と鬱に合わせ、やり過ぎの
一歩手前まで操作される画面の彩度の上下、
たおやかな川を流れているかのような独特の浮遊感。
それはまさしくソムリエに振舞われた上質なワインを
舌の上で転がすが如きです。そんな経験したこともないけど。

ストーリー自体は「恋人の死とその過去に引きずられ
続ける男」と書くと実にありきたりに聞こえ、実際のところ
ゲイ要素を男女に置き換えても差し支えないような
自然さも持ち合わせているのですが、それこそ前述の通り
「雰囲気」作りが作品のテーマに直接作用していて、
自分自身がゲイであるということを受け入れながらも、
恋人の死と世間体から他人との交流に気後れしてしまう
主人公の苦悩に説得力が持たせられています。
ついでに作中出てくるのがどうにも中性的な美青年や
ウホッなイイ男揃いなので「雰囲気」に呑まれて
俺はホモじゃないがゴクリとさせられる場面も割とあった。

ゲイ映画と言うと「ブロークバック・マウンテン」が
代表的にしてこの手のジャンルに一つの市民権と価値を
与えた先駆けだと思うのですが、とりあえず男二人で
ケツ掘りあってオッスオッスというシーンがあるでもなく、
むしろ直接的な描写がない分、本作の方がゲイの持つ
エロティックな色気が出せてるんじゃないかなーと。

というわけで本作のキーワードは「雰囲気」です。
これまでの映画とは一風違った新鮮さを噛み締める
という意味では観ておいてもいいかもしれません。

E.T. オウチ デンワ

実は今まで未見だった映画…
スピルバーグの金字塔的作品「E.T.」を
鑑賞しましたので本日はこのレビューを。
何で今更観るに踏み切ったかと言うと、
海外のクソゲーレビュアー「AVGN」が
アタリショックを引き起こした原因と言われる
伝説級のクソゲー中のクソゲーの同名ゲームを
近日レビュー予定とのことだからってんで
また大概な理由だったりもするんですが。

心優しき少年・エリオットは、地球の調査に訪れた
宇宙船とはぐれてしまった一体の宇宙人と出会う。
エリオットは彼に地球外生命体-Extra Terrestrial-を
意味する「E.T.」と名づけ、徐々に心を通わせていく。
やがて兄のマイク、妹のガーティとも秘密を共有するうちに、
E.T.は自分の星へと帰りたがっていることを知る。
ハロウィーンに乗じて、E.T.の作り上げた救難信号
発信装置をエリオットたちは彼が宇宙船からはぐれて
しまったという森へ仕掛けに赴くが、一方では長年密かに
宇宙人を追い続けてきたという政府の手がすぐそこまで
迫っていた…というのが大まかなあらすじです。

少年と宇宙人の心温まる友情を描いた感動の
SFファンタジー、という売り込みで内容自体もまた
まがいようがないわけですが、頻繁に地上波で
流れていた頃のなかのひとはそれこそ
劇中のエリオット少年と同じかそれ以下ぐらいで。
正直「シワシワの畸形の小人が納屋にいる」ってのは
そのぐらいのガキにはトラウマ級のホラーだったわけですよ。

そのトラウマと対峙するという意味もあって今回
鑑賞に臨んだわけですが、それにしてもやっぱり
序盤の、敢えて薄暗い照明を選んでE.T.のディティールを
見せないショットは子供は普通に怖がって然りと思いました。

そんな話はさて置いて、ストーリーの方はと言うと
王道中の王道なので大して話せることもないのですが、
エリオットを中心として少年たちの純粋で一途な心が
一つの奇跡を巻き起こす姿には心打たれるものがあります。

ただね、奇才・施川ユウキが世に放ったシュールギャグ漫画
「酢めし疑獄」で「僕があの中にいたらなんとなく友達に合わせる
けど僕にとってE.T.は最後まで気味の悪い怪物で~」云々
って話があったと思うんですが、自分自身もリアルタイムで
「E.T.」をホラーだとしか認識していなった以上、果たして
少年時代にあんな事件と遭遇していたとして、自分はあんな冒険に
乗り出せたのだろうか…と色々黒い考えにも悩ませられました。

大人になった今だからこそ笑って見れる、許容して見れる、
安心して観ることのできる作品ではありますが、
やっぱり公開当時に年齢二桁行ってなかった人たちに
とっては色んな想いが渦巻く作品じゃないかなーなんて。
幼いうちに抱えた得体の知れない恐怖を一つ断ち切ることは
できましたが、結果として変わりに同じだけの重さを持つ
わだかまりを残すことになってしまいましたとさ。

白だの!黒だの!

ダーレン・アロノフスキー監督、話題の最新作
「ブラック・スワン」を観て来ましたので
本日はこのレビューをしたいと思います!

バレエに一心に打ち込んできたニナは、
団長のルロワの歓心を買い主役に抜擢される。
しかし彼が新たに書き上げた新ヴァージョンの
「白鳥の湖」は、白鳥と黒鳥の一人二役を演じる
内容であり、繊細かつ正確な演技をする彼女は白鳥に
うってつけではあっても決して黒鳥向けではなかった。
役作り、ライバルとの競争、母親の期待…
あらゆるプレッシャーから、ニナはいつしか
様々な幻覚に悩まされるようになり…
というのが大まかなあらすじです。

「π」から「レスラー」に至るまで様々な方面から
アプローチをしてきたダーレン・アロノフスキー監督が
主演にナタリー・ポートマンを迎えた本作品は、
一芸にステータス全フリした人間を描くという意味では
「ザ・レスラー」的なものの、彼の新しい境地とも言える
エロ・グロ方面に特化した内容となっています。

ストーリー自体は、ライバルとの競争を経て自分自身と
戦わなければならない孤独なバレエダンサーの舞台裏と、
聞こえは古典的ですがそこはダーレン節が炸裂。
精神的・視覚的に人間が生理的に嫌悪するもの、
見たくないものを散りばめてちくちく刺してきます。

そして何よりも特筆すべきなのはやはり、アカデミー等
様々な賞を受賞したのも納得できるナタリーの演技。
1年に亘ったというバレエの特訓と肉体作りに加え、
ハードなR15的シーンにも真っ向から対峙し、監督の
要求に悉く応えたであろう彼女はまさしく女優の鬼。
特にクライマックス、ニナが文字通り「ブラック・スワン」へと
羽化するシーンでは有無を言わさぬ鬼気迫るオーラを
発し、作品に対する強烈な説得力を持たせています。
この瞬間に、この作品はこの作品という枠組みを飛び出し、
人間の持てる芸術の力と業を垣間見て、なかのひとは
一粒の涙を流してしまったのでした。ていうか今も思い出し泣き。

ナタリーの他にもキワモノ揃いで、好色な団長役には
ヴァンサン・カッセルというこの上なくハマリどころ、
「とう」の経ったかつての女王にはウィノナ・ライダー
(メイクの関係もあるんだろうけど老けたねこの人!)、
ライバル役であるリリーにはミラ・キュニス…って誰だろう
と思ったら「ザ・ウォーカー」にもいた娘なのね。
お目々パッチリ、キュートでエロティックなラテン系女子を
演ずる彼女は今後のハリウッドでの活躍に目が離せません。

監督自身が「レスラー」とは対になる作品だと語る通り、
それぞれのテーマには共通した物があり彼/彼女の
末路もまた決して幸せとは言い難いものが待ち受けています。
芸術の完成した、或いは極めた先には必ずそのような
結果が待ち受けているとは思いたくありませんが、
監督を含め自己実現を求める者が憧れる一つの
到達点でありロマンチシズムの表れであることも確かです。

なんとなく北野武監督「HANA-BI」の印象的な台詞
「俺にはあんな生き方はできないなあ」を思い出したり、
シェイクスピアの一節「きれいは汚い、汚いはきれい」を
連想したりと、ダーレンの誌的な芸術感覚が爆発した本作品。
個人的には「レスラー」の汗臭さとどうしようもない情けなさの
方が好きなのですが、彼の現時点での最高傑作には
間違いありませんので、ダーレン好きならば是非!
評価は二分されて当然な内容なので絶対観ろとは言わない。

あなたの死を悪魔が知る前に

シドニー・ルメット監督作品を今更ながら
ちょこちょこチェックしてたりするわけですが、
本日は遺作となった作品「その土曜日、7時58分」の
レビューを行いたいと思います!

離婚の慰謝料と養育費、家のローンその他諸々の
借金で全く首の回らない男・ハンクの元に、
似た境遇の兄・アンディが宝石店強盗の話を持ちかける。
ハンクは一人の男を引き連れて指定された店を叩くが、
数発の銃声と共に男は銃撃に倒れ、ハンクは
ほうほうの体でその場を車で後にする…
というのが大まかなあらすじです。

フィリップ・シーモア・ホフマンとイーサン・ホーク、
いぶし銀的な二大演技派俳優が兄弟役として
主演を努めている本作品は、真っ当に生きることも
できた、あるいはそう生きていたはずなのに
人生にケチがついた男たちがケチな犯罪に手を
染めようとして坂道を転げ落ちていくスリラーです。

「強盗が失敗した」という前提から始まるオープニングと、
前日譚を織り交ぜて登場人物の背景を浮き彫りに
していく手法はさながら「レザボア・ドッグス」なのですが、
「強盗失敗した!じゃあこれからどうなっちゃうの!?」と
登場人物的にも観客的にも身構えて、ここからどう
約2時間も話を転がしていくのかと思っているところに
中盤に来て次々と明るみになっていく事実がひたすら悲惨!

アンディ・ハンク兄弟にとってとある重要な人物が
強盗事件の根幹に深く関わっていることが判明すると
同時に、兄弟が強盗に携わった事実とその後の
身の振る舞い方でどんどんクズっぷりが露呈し
ドツボにはまっていくうちに、監督自身が意識してかしらずか
「ああ、これは性質の悪い冗談なのか」と観客は気づかされます。
さきほどは「レザボア・ドッグス」的だと書きましたが、
中盤以降においては「ほんの小銭のために小市民が
とんでもない馬鹿をしでかす」という構図はコーエン兄弟の
「ブラッド・シンプル」や「ファーゴ」のようでもあり、
監督の目指したかったもの・作りたかったものとして
少なからずともこの辺に焦点が定められている気もします。

ただ惜しむらくはシドニー・ルメットの持つ焦燥とした、
シリアスな空気に気圧されて、コーエン兄弟の持つ
「コメディなのかスリラーなのかわからない」という雰囲気とは
違い、鑑賞中はひたすら「死ねば助かるのに…」
「もうやめたげてよお!」と願わずにはいられない、しんどい
重圧感にじっと悩まされなければならないことでしょうか。

実に老練な完成度の高い作品であると同時に、
「惜しい!実に惜しい!次!次の作品に期待だ!」と
いう位置にありながら本人は鬼籍に入ってしまったということで、
惜しむべき才がまた一つ散ってしまったという意味を
噛みしめるという意味でも価値ある一本だと思いました。

変な靴のおじさん

レビューするほどでもないかなーと思ったけど
その日の夜にありえないほどデカいゴキブリや
正体不明の生物が家で大量発生する夢を
観たのでああじゃあってことで本日は
「ミミック」のレビューをしようと思いました!

ニューヨークを中心に未曾有の難病が発生し、
この感染源を元から絶つために昆虫学者の
スーザンは遺伝子操作による新種「ユダの血統」を
地下へ放し、菌の媒介だったゴキブリを駆逐する。
実験上では180日で死に絶える不完全な生命体と
されていた「ユダの血統」だったが、三年後のある日
幼体の存在が確認される…というのがあらすじ。

後に「ヘルボーイ」や「パンズ・ラビリンス」で
その名を知られることになるギレルモ・デル・トロが
監督・脚本を務めたSFホラー映画。
スティーブン・ソダーバーグも密かに脚本に参加してんのね。
あと凄い端役に「処刑人」のノーマン・リーダスがいたりもする。

「ストリックラー病」とかいう大仰な名前の感染症が
流行って子供がバタバタ死んでる!っていうオープニング
なのでここから話が進展していくのかと思いきや
「ゴキブリなんか目じゃねえ超進化した昆虫が
人類の前に立ち塞がるぜ!」っていう前フリでして。

この辺りのifストーリーがデルトロの拘りどころであり
興味深いところであって、例えばの話とりあえず虫が
ウジャーッて出てきて人間がおわーっ!ってその海に
飲み込まれていくとかそんな安直な話じゃないんですね
(というか、今更そんな話やってもかつてのB級アンソロ映画
「クリープショー」の「奴らは群がり寄ってくる」の
インパクトは恐らく越えることができないでしょうけど)。

後の作品でも顕著になっているデルトロの「虫好き」な
性癖がとにかく爆裂している映画で、遺伝子操作によって
生まれたありえない速度で進化した虫の生態を事細かに描き、
そして人間にとっていかな驚異となるかを描写していきます。
もうほんとこれだけなんですけど、監督本人は多分
ニッコニコしながら製作に携わってたんじゃないかという気が。

トータルで実に低予算な作りとはなっていますが、
昆虫の設定に対する狂気とも言える深い造詣に加えて、
いぶし銀的な魅力で知られるジャンカルロ・ジャンニーニや
今や映画業界ひっぱりダコな売れっ子ジョシュ・ブローリン
といった渋い面子がキャストに顔を揃えていたりして、
安っぽさを感じさせない上質な作りとなっています。

ただのパニック映画やホラー映画とは赴きが違うので、
これらのジャンルが好きな人は従来とは異なる
新鮮さがかえって感じられて良いかもしれません。

林先生!…い、いや教授!これは一体!?

気がついたら多忙を理由に更新が遠のいてたけど
まあいいよね。
さておき「反応に困る作品がある」ということで
今回ご紹介する作品は「フォーガットン」!

1年以上前に幼い一人息子のサムを飛行機事故で
失ったテリーは、未だその忌まわしい記憶に捕われていた。
精神科医とのカウンセラーを続けていく間に、
ある日突然彼女の身の回りにあったサムの写真が
綺麗に消え去り、夫や隣人はまるでサムという子供など
最初からいなかったかのように振る舞いはじめる。
テリーは同じく飛行機事故で愛娘を失った男、
アッシュの元を訪れ、彼がその事実を「忘れていたことを
思い出す」と、二人は国家や政府をも超えた超常的な
力が介在していることに気づきはじめる…
というのが大まかなあらすじです。

ポール・トーマス・アンダーソン監督作品等、
とにかく通好みな渋い作品にその名を連ねる
ジュリアン・ムーア主演の本作品は、
なるべく事前情報をシャットダウンした方が
面白いと思うのでネタバレとは行かないにしても
レビューを読むのはちょっと気をつけてね。

さて、冒頭では忌まわしい事故の記憶から逃れられない
母親が、精神科医に「あなたには最初からお子さんなんて
いなかったんですよ」と耳打ちされて半ば狂乱、
原因を探すために遁走するという姿は記憶の混濁や
錯綜を描いた「メメント」的かと思いきや、実は政府にも
手に負えない謎の力が働いていましたーっていう
「Xファイル」みたいなことになってええーっていうね。
この辺の「うn…うn………ううn!?」という展開のわけの
わからなさが作品の醍醐味の八割ぐらいだと思います。
わけのわからなさやネタ的にはジョニーデップ主演の
がっかり映画「ノイズ」もちょっと連想したり。

一歩間違えるとギャグだよね?というよりむしろ
これはもうギャグの領域だよね?という展開や、
割と低予算な作り故に「全人類を脅かす脅威が
小さな街で行われている」なんていう内容は
やや趣向は違いますが「ゴッドアーミー」「レギオン」的で
ビミョ~映画としてのツボをよく押さえていると思います。
役者や全体の雰囲気がクソ真面目なのもまたよし。

「最後までまだ何かあるんじゃないか」というドキドキ
(割とどうでもいいんだけど)とか「結局最後まで
何だかよくわからんかった」という意味では「反応に困る」
という言葉がこの上なくカッチリはまる作品でした。
個人的には視聴に臨んだ姿勢が正しかったから
それなりに楽しめたけど、クソ真面目に向き合った人は
キレても仕方ないんじゃないかなーとも思いました!
プロフィール

マイケル・チバ

Author:マイケル・チバ
シルバーレイン
マイケル・チバ(b30277)
薬師寺・米(b41960)
を経て、
現在はエンドブレイカー!
マーヴィン・ジェント(c06527)
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