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チャッチャラッチャララッチャララパッパ

キャッチーなイントロで当時のお茶の間では
件のテーマが氾濫していた記憶もありますが、
ダニー・トレホが同名のキャラを演じている
ということで「マチェーテ」公開に先立ち
一通り観ておこうと思った「スパイキッズ」
三部作のレビューを行いたいと思います!

冷戦時代、無敵のスパイとして恐れられた
グレゴリオとイングリッドは敵同士で
ありながら禁断の恋に落ちてしまう。
最も危険なミッション「結婚」に踏み切った
二人は身を隠し、二人の子供を儲けた後も
冴えない夫婦を演じつつ諜報活動を続けていた。
だがある時、夫婦は悪の組織の罠にかかり
囚われの身となってしまう。
組織の狙う「秘密」のために同じく標的にされた
長女カルメンと弟ジュニは、この時はじめて
自分たちの親がスパイだったと知らされる。
かくして世界の存亡をも懸けた姉弟の
救出ミッションは幕を開けたのであった!
というのが第一作目の大まかなあらすじです。

007をはじめとしたスパイ映画のパロを下地に、
トンデモ珍兵器や家族のドタバタをスパイスに
お子様向けにヌル~くマイルドな味付けで
仕上げたのが「スパイキッズ」という作品
なのです…が、キャスティングがとにかく
頭がおかしくて、そもそも主演の
アントニオ・バンデラスを筆頭に
ダニー・トレホやチーチ・マリンとか
ロドリゲス作品お馴染みの面子を出して
出オチで殺しに来るのはやめろよ!というね。
オマケに何故かジョージ・クルーニーも
カメオで顔出してくるし、子供の
わからないネタで遊ぶのはよせー!

でまあ、本作の一番の見所はやっぱり、
そんなに出番が多いわけでもないんですが
美味しいとこたくさん持ってくトレホこと
「マチェーテさん」の活躍じゃないでしょうか。
人形を抱えてむにゃむにゃ眠るトレホ、
号泣トレホ、爽やかスマイルトレホ、
こんな萌えトレホ観たことない!という
意味から言えば、「マチェーテ」の
予習としてはかなり収穫のある作品でした。

その他、お姉ちゃんのカルメンも可愛くてよし。
夜尿症でオムツが手放せないとか、
後の作品では足が臭いことが判明するとか
ちょっとマニヤック過ぎませんかね。

第二作「失われた夢の島」では
あらゆる電子機器を無効にする装置
「トランスムッカー」を巡り、
新たに現れたエリートスパイキッズ兄妹・
ゲイリーとガーティを相手どり、
カルメンとジュニは地図にない、
レーダーにも映らない島へと乗り出す…
というのが大まかなあらすじです。

前作の「大人も変なところで吹かされる」
という遊びで釣る路線から、本作は普通の
キッズ・ムービーへと大幅にシフトして
しまったため、子役の露出が多くなり
大人は皆顔見せ程度の隅へ追いやられる
こととなってしまいました。
これが正しいと言えば正しいんですけどね。

そんな中、マッドサイエンティストとして
登場するのがどっかで見たツラと聞いた声だなと
思ったらスティーブ・ブシェミで!
おかしい!やっぱり配役おかしい!
本作で一番面白かったのはこの配役及び
キャラのマッドぶりじゃないでしょうか。

第三作目「ゲームオーバー」は、前作で
戦略事務局のスパイを引退したジュニが主人公。
全米大ヒットオンラインゲーム「ゲームオーバー」は
電脳空間へ逃げ込んだ犯罪者「トイメイカー」の
仕掛けた罠であり、天才的ハッカーの素質を持つ
カルメンはこのゲームに挑むが、彼女は
ミッションに失敗し逆に捕らえられてしまう。
精神をゲーム世界に置いたまま、昏睡状態に
陥った姉を救うため、ジュニが再び「スパイ・キッズ」
として立ち上がる!というのが大まかなあらすじ。

んー。えーと。
自身初めての悪役として、そして一人四役に臨んだ
シルベスター・スタローンの顎のしゃくれっぷりが
面白いねとかしか言いようがないくらい
本作は一言で切り捨ててしまうと駄作です…

ヴァーチャル・リアリティの最先端を駆使した
オンラインゲームに子供たちが熱狂している、
ってな設定なわけですが、これがまた
映画制作者の浅はかさが見え隠れしてしまう
リサーチ不足というか、子供でも憤慨するわ
と思ういささか子供騙しなチープ加減で。
ダサいんですよ!背景にしろ衣装にしろ演出にしろ!
既に「ヘイロー」で全米のガキどもが
熱狂の渦に巻き込まれている時代で、
なおかつそれらオンラインゲー熱狂時代を
モチーフにした作品ってんならもう少し
手心加えてクールにできたんじゃないの
クソがぁ!とか思うんですよねはぁはぁ。

あらすじや設定も説明不足かつ支離滅裂で。
今回の悪の親玉「トイメイカー」が
何で電脳空間に居を構えていて、
それがゲーム「ゲームオーバー」をリリース
するに至ったかの理由がよくわからなければ、
どうやら戦略事務局とは30年来の浅からぬ
因縁があるらしいけどそれも説明不足で。
これに「ゲームオーバー」のわけのわからない
トンチキゲームルールが加わるもんだから
観客は終始頭に「???」がつくこと請け合い。

で、このわけのわからなさ具合は
同じくロバート・ロドリゲス作品の
「レジェンドオブメキシコ」を思い出した
わけですが、なんと本作「ゲームオーバー」と
同年に公開の作品だったんですね!
やっぱ二足のわらじ履いたら
いい物は作れないってことですかねー。

結論としては、やっぱり一作目が色んな意味で、
そして大人でも楽しめる作品だと思います。
これだけ観れば萌えトレホ分も十分摂取できるし。
二~三作目も一作約90分でサクッと観れるので、
お手軽に流して観れるには観れるんですが。
やっぱりあんまりオススメはしない。
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ワーオ!こいつはきちがいだぜ!

てなわけで先日観てきたもう一本、
「ゾンビランド」のレビューをば。

正体不明のゾンビ・ウィルスが蔓延した
ことによって荒廃したアメリカ。
世界崩壊前はネトゲー三昧、引き篭もり童貞だった
青年は、自らに課した「31のルール」によって
今まで数多くの危機を回避し、生き延びていた。
彼は疎遠だった両親と再び顔を合わせたいと思い立ち、
一路故郷コロンバスを目指すが、その道中で
タラハシーまで行くと言う、なんだかとにかく
危険な雰囲気の男が運転する車をヒッチハイクする。
そして知に長けた、言い換えるならば
狐のようにずる賢い姉妹も加わり、
かくして奇妙な一行の過酷なサバイバル
珍道中が幕を開けるのだった…
ディティールはともかく大体こんな感じのあらすじ。

「ランド・オブ・ザ・デッド」や
「ショーン・オブ・ザ・デッド」に代表されるような、
「世界はゾンビで埋め尽くされちゃったけどまあ
なんとかなるんじゃないか」みたいな、近年における
ゾンビに慣れ親しんでしまった感すらある
牧歌的要素に、ロード・ムービーテイストを
乗っけたゾンビ映画が本作です。

本作で一番注目するべきは、やはりパニック・アクション
というジャンルにおいては最早絶対に外して
語ることができない「フラグ」の扱いでしょう。
例えば名作「スネーク・フライト」においては
立てたフラグや貼った複線を一つずつ丁寧に処理し、
これもある意味で名作の「ザ・フィースト」なんかは
「フラグ」を逆に利用することで、観客の予想を
悉く覆すという試みを行いました。
それに対して「ゾンビランド」では、主人公が
生存のために定めた「ルール」という形で、
「デブは真っ先に喰われる」「ゾンビには必ず
トドメを刺せ」「車に乗ったらシートベルトを
忘れずに」等々、掟破りとでも言うべきか
キャラクターの口から逆に「フラグ」の存在を
明確に提示させているのが斬新…と思いきや、
そう言えばこれは「スクリーム」で既に通った
道だったと記事書いてる今気づいた。まあいいや。

………でもでも!でもね!主人公の提示する
「ルール」こそ強調されるものの、
次々にパーティに加わるヘビ柄ジャケット男や、
クールで狡猾な姉妹それぞれにも皆独自の
サバイバル哲学のようなもの、即ち「ルール」を
持っていて、それを守ってきたからこそ今まで
生き延びてきたという雰囲気の演出は、
本作を最高に面白い物に仕上げている要素の
一つであることに間違いはありません。

そんでまあ、本作での一番の目玉、
一番の面白要素、こいつが観たくてウズウズ
しながら劇場に足を運んだんだよ俺は!という
ガチキチ役者、ウディ・ハレルソンは
想像を遥かに上回るガチキチ演技で僕らの
目の前のスクリーンに帰ってきてくれました!

ヘビ柄のジャケットを着込み、終始なんでか
わかんないけどヤバそうな雰囲気を発し、
なんか知らないけどゾンビを異様なまでに憎み、
なおかつ「ナチュラル・ボーン・ゾンビキラー」
とでも言える八面六臂の大活躍をするが、
とにかくキレやすく破壊衝動が強いのが欠点で、
何より行動原理は昔を懐かしむという理由で
アメリカを代表するジャンクフード
「ホステス・トゥインキー・ケーキ」を
探し出して貪り食うことという、尋常じゃない
キチガイさんをウディは嬉々として演じてくれます。

70年代のアメコミでバカみたいに宣伝されたという
「ホステス・フルーツ・パイ」で「ホステス」なる
菓子メーカーの存在は知っていたのですが、
こと「トゥインキー」ともなると本国アメリカでは
やや悪名も混じって実にメジャーな存在らしいですね。
なんでも、コンビニやガソリンスタンド等のどこにでも
置いてある、脂と砂糖と、それに消費期限2年!を誇る
謎の薬品の塊のようなケーキで、それこそ
本作のウディの起こす「ホステス中毒」のような
ジョークも巷で囁かれてたりするんだとか。すげぇ。

もう一個目玉というか、これ絶対監督の趣味
入ってるよね?という演出が、一行がL.A.は
ハリウッドに赴いた際に立ち寄った豪邸での出来事。
本人という設定で、ある俳優がカメオ的に顔を
出すわけですが、これが例えば本作でも名前だけ
出されるトム・クルーズだとか、あとは個人的には
こういうのに好き好んで出てきそうだと思う
ジョージ・クルーニーとかベン・アフレックとか
他にも候補はいくらでもいるであろうに、
そんな中からチョイスしたのがビル・マーレイってのは
何か絶対おかしいと同時に絶妙過ぎる!
ビル・マーレイ邸でのドンチャン騒ぎは
「これ別に本編に必要ないよね?」ってのと
「それでいいのかビル・マーレイ!」という
監督の深すぎる愛とビルの悪ノリが面白すぎる…!

上で述べた作品、「ショーン・オブ・ザ・デッド」や
「スネーク・フライト」にも共通して言えることですが、
散々頭のおかしいコメディをやらかしておきながら、
根底ではしっかりとしたテーマ性を持たせておいて
最後の方はドラマドラマさせることでなんかいい話で
終わらせようっていうのも本当に卑怯で。
人間自身における暴力と破壊により地球は原始時代に
戻ったが、それでも最後には絆と愛が残る…
という展開にはうっかり騙されそうになります。
いやいいよ。わかったよ。俺の負けだよ。

「フラグ」の扱いからもわかる通り、
これまでのゾンビをはじめとしたパニック映画を
前提にしないと成り立たない作品では
あるのかもしれませんが、それにしたっても
切なくなるほど映画愛に溢れた愛すべきバカ映画です。

そして余談ですが「過去の映画を観て今の
映画を作ってる世代」なんだなあって実感するのは
「僕らのミライへ逆回転」と同様なんですが、
君らゴーストバスターズ好き過ぎるでしょ!
でもしょうがないよね。なかのひともそうだけど、
今の三十路前後の奴って直撃世代だもんね…

ついでにおまけ。

続きを読む

ストンコー!スタナー見せてくれー!!

地元映画館の公開作の都合で
「エクスペンダブルズ」と「ゾンビランド」
という頭のおかしい二本立てを観ることに。
そんなわけで本日は「エクスペンダブルズ」の
レビューをしようと思いますよ!

金のためならどんな危険な任務にもつく!
それが奴ら、「消耗品」を意味する
ならず者傭兵部隊「エクスペンダブルズ」だ!!
あらすじは大体こんな感じ。

シルベスター・スタローン監督兼主演の下、
ジェイソン・ステイサムとジェットリー助演、
ミッキー・ロークやドルフ・ラングレン、
加えてカメオにブルース・ウィリスや
まさかのアーノルド・シュワルツェネッガーまで
登場という、中学生がとりあえず
何とか洋画劇場だの何とかロードショーで
よく見るような面子を挙げてみましたみたいな
顔ぶれが目白押しのドリーム映画。

話自体も「無敵のランボー『ズ』が大暴れ!」
ってなもんで、絶対に殺せそうにない奴らが
モブ相手にひたすらドンパチかますだけの
何ひとつ目新しい物がない頭カラッポの内容。

最もこいつは天高く積み上げられた
メガトン盛りの牛丼みたいなもんで、
いちいち味付けにケチをつけずに
ひたすらカッ込むのが正しいと言えましょう。

そして映画の目玉の一つとして取り上げられ、
また注目するべき点でもあるのが
映画史上初、スタローン・ウィリス・シュワが
レジェンド級超人として同じスクリーンに
登場する場面なわけですが、面白いのは
ハリウッドで未だ一線クラスで活躍する
ウィリスの発する俳優オーラは、やはり今の
スタローンやシュワとは桁違いなんですよね。

現在人気絶頂のステイサムや、下降気味とは言え
現役のジェットさんのキレのあるアクションは
爽快感に溢れていますが、50m全力疾走するのも
息が切れてしんどそうなスタローンを見るのは
観客の方もちとしんどいところがあったり。
でも「デスレース2000」の頃の下積み時代から
根っこのところは何一つ変わってねえってのは
ある意味すげぇオッサンだな。

脇を固めるミッキー・ロークの、タフな外見とは
裏腹に繊細なガラスハートを持つ男を演じるという
ポストを手に入れた、彼の堂に入った演技は
思わず涙が出そうなほどの美しさを湛えており、
隊長から引退を言い渡されてキレる、若干
ヤンデレ風味の男を演じるドルフ・ラングレンの
体当たりの演技もいい感じ。

存在感と言えば外せないのがWWEレスラー、
”ストーンコールド”スチーブ・オースチン。
敵側の傭兵、女子供にも容赦しない冷酷な
殺人マシーンとして登場するわけですが、
俳優とは違った独特のオーラを発して
特にそれほど目立った活躍はしないのに
観客へ何故か妙に印象を植え付けます。
下手するとステイサムやジェットさんよりも。
ちなみにスタナーは流石に出さない。

8~90年代バブル期に生まれた「ランボー」や
「コマンドー」が2010年に蘇ったとでも
形容するに相応しい内容で、酒でも傾けながら
ネット実況と一緒に観るとかそんなのが
一番相応しい愛すべきバカ映画じゃないでしょうか。

こんだけオモチャ箱をそのままひっくり返した、
妄想を具現化したような映画を現実に見せられて
しまうと、今度は今回のオファーを蹴ったらしい
カート・ラッセルも是非出そうぜ(やっぱり
個人的にはラッセル分不足のおかげで物足りなさが
ありました)!とか、ジャン・クロードと
レスラーのロブ出してWヴァンダムとかやろうぜ!
とか更なる妄想が膨らんでしまいます。

なんかかなりベタ誉めしてる感じですが、
目茶苦茶半端なく面白かったというわけでもなし、
つつけば色々文句の出しようもあると思うんですよ。
でもね、こういうお祭り映画はやっぱり何は
ともあれ両手離しに喜ぶに限るとも思うんですよ。
イッピー!

クリスタルレイクへようこそ!

ってなわけで、一応今回こそが
ホラーマラソンのひとまずの終着駅になります!
「トランスフォーマー」等で知られる
マイケル・ベイ監督によるリメイク作、
新生「13日の金曜日」のレビューです。

1980年のクリスタルレイクで起こった
パメラ・ボーヒーズの殺人劇により、
未だジェイソンの都市伝説が囁かれる現代。
”クサ”が群生しているとの噂話を聞きつけ、
件のキャンプ場近辺までやってきたバカ五人組は、
ズタ袋を被った謎の大男に襲われてしまう。
襲われたバカのうちの一人、ウィットニーの
兄であるクレイは、彼女が失踪した話を受けて、
後を追うようにクリスタルレイクへ
足を踏み入れることとなるのだが…
というのが大まかなあらすじです。

アリスがパメラの首をナタでフッ飛ばすとこ
から始まって、ズタ袋被ったジェイソンが
殺戮の限りを尽くすってんで、話は大体
Part2~3のパラレル的な位置づけでしょうか。
そもそも13金みたいな作品において
時系列等を語るのもナンセンスですけど。

2009年作品になっても内容はいつも通り
ジェイソンがバカどもを殺して回るってなもんで、
現代らしくねちっこくなったゴア描写はさておき、
なんだか何もかもが教科書通りなんですよね。
基本設定に忠実なのはいいんですけども、
あくまでその囲いからハミ出ることがないので
全体を通して見た展開は結構退屈です…
なんかもうちょっと「一体何がしたいの!?」
っていうキャラや展開の天然エッセンスが欲しかった。

天然具合にも通じる話ですが、もっと何で
出てきたのかわからないようなモブを増やして
ジェイソンにブチ殺させなきゃダメですよね!
前回「ジェイソンX」は確か20人前後だったと
思いますが、今回は10人かそこら。
ガキ共が延々わちゃわちゃやってるとこ見せられて
イライラするっていうのは「Part7」あたりで
既に通過したミスだと思うんですが。

そんな中で一つ突出してるのが、主人公的ポジに
収まっているクレイが無駄に活躍してしまうところ。
「お前そんなんだから男根主義だって言われんだよ」
とでも突っ込み待ちしてんじゃないかという
マイケル・ベイの趣味が垣間見えます。
13金に出てきた以上、野郎キャラはもっとPart4の
山男さん並に「お前何しに来たの!?」ってぐらい
他のモブ同様に屠殺場の豚みたいな殺され方しなきゃ
嘘だよねーって気もしますがどうでしょう。
トミー?トミーはほら、そのPart4の時は
ガキだったしその積み重ねがあるから…

あと劇場版の時点でそうだったのか、それとも
ソフト化された時の処理でそうなったのか、
夜や暗闇の画面が異様に暗くて何やってんのか
かなりわかりにくいのも地味にマイナスポイント。

13金マニアからは「駄目出し」という意味で
つっこみが目立ってしまうような作品で、
結局マイケル・ベイ野郎がいかにボンクラかを
更に強調・証明する以外の何者でもなく。
わかりきっていた!わかりきってはいたことなんだよ…

もういいって!

へーい、というわけでホラーマラソンも
今回の「ジェイソンX」のレビューでようやく
終わり…と言いたいところですが現実から
目を逸らしてはいけない。
まだマイケル・ベイ野郎のリメイクが
残ってたりするんですよね。
レンタルで出回るようになったら、
映画「ウォッチメン」でロールシャッハ演じた
ジャッキー・アール・ヘイリーの
新生フレディも観なきゃだし…
それはさておきレビューレビュー。

2010年、クリスタルレイク秘密研究所。
捕獲された不死身の生命体・ジェイソンは
研究の結果、冷凍保存の決定が下されるが、
それに反対する政府や軍関係者が乗り込んでくる。
その隙に乗じて縛めを解き放ったジェイソンは
虐殺の限りを尽くすが、所員のローワンに
おびき出され、彼女と共に冷凍装置に
閉じ込められることとなる。
それから約四世紀半後。
人類は荒廃した地球を捨て宇宙へと手を広げていた。
教育実習のため惑星調査に赴いた教授と生徒一向は
氷付けの女性とホッケーマスクの男を発見する。
宇宙船に持ち帰りされたローワンは再生され、
ジェイソンは研究のため解剖される。
ローワンの警告をよそに、覚醒したジェイソンは
宇宙船の中でも暴虐の限りを尽くすことに…
というのが大まかなあらすじです。

権利がニューラインシネマに移ってから作られた
前作「ジェイソンの命日」がコケたからか、
およそ8年の歳月を経てようやく製作された
記念すべき10作目にあたるのが本作品。

9作目に引き続き、どうやら軍や政府は
未だにジェイソンに固執している様子…
という設定から飛躍して舞台は突如宇宙へ。
狭い宇宙船内をジェイソンだけはマイペースで
いつも通り標的を殺して回るという内容は
おそらく二度とは使えない半分ヤケクソ
起こしたかのようなまさしく捨て身の作戦。

およそ10年ぶりに本作を見返したことに
なるんですが、冷静な目で見ると
「なんでジェイソンでエイリアンまんまな
ホラー観なきゃなんだよ!?」とか思わないことも。
流石にここまでくるとホラーともギャグとも
つかないおぞましい何かですが。

でも開き直った内容に対してこちらも
広い心で開き直って向かい合うと面白いのは確か。
テンポの良い展開や、各キャラの個性付けと
いった基本的な部分をクリアしていることと、
宇宙行っても結局やること何も変わってなかったり、
実はセットの端々から低予算臭が臭ってきたり、
観客よりも早く展開に突っ込みを入れるキャラ、
シリーズにおける「フラグ」の存在を駆使した
渾身のギャグ、それからここまで来ると
やりすぎ感漂う、ナノマシンの誤作動によって
誕生する「メタルジェイソン」等々の要素が絡まり、
なんかもうとりあえず笑っとけって感じに。

往年のファンに対するアピールやリスペクトが
殆ど感じられない作品でもあるので賛否両論は
当然あるかと思いますが、反面初心者でも
特に予備知識なしに安心して観れるので
そういう点ではオススメしたい。
最もこれだけ観て「13金」を知った気に
なられると大変困ってしまいますが!

余談ですが特典映像に「ジェイソン」を初めとした
ホラーの歴史を振り返るインタビュー映像が
収録されていて、大変興味深いのは良いとしても、
面子に前作「ジェイソンの命日」を監督した奴がいて!
無駄に偉そうな顔で得意気にジェイソンやホラーに
関する講釈垂れてるのにえらい腹が立ちました。
嫌いじゃないけどダメな作品の9作目を作った
アンタにあれこれ語る資格はないよ!

太陽と月

IMdbにもチャートインしている
黒澤明監督のカラー映画「乱」を
観賞しましたので本日はこのレビューを
行いたいと思います!

戦国の世を生き抜き、一国の城主となった
一文字秀虎は、齢七十を越した折、家督を
長男の太郎に譲ると臣や客人の前で告げる。
秀虎は三本の矢を引き合いに出し、
次男の次郎、三男の三郎に「兄弟で力を合わせ
家を盛り上げて欲しい」と申し出るが、
三郎は「未だ混乱の中にある世で兄弟が
力を合わせる等とは世迷い事だ」「父上は
すっかり気が弱くなり耄碌された」と一笑に伏す。
これに激昂した秀虎は、「三郎殿の言葉もまた
殿を案じてのこと、決して嘘偽りはありませぬ」と
進言した忠臣・平山ともども家を追放してしまう。
秀虎は隠居の身となったものの、未だに実権は
彼の下に強く根付いており、また臣の人望も厚い。
影で腰抜けと哂われることに業を煮やした太郎は、
居を構える一ノ丸から秀虎を追い出してしまう。
居場所を失った父、兄の足元に甘んじることを
よしとしない次男、複雑な身の上で今は太郎の
妻として落ち着いている楓の方、父の盟友・
藤巻に食客として招かれた三郎、各々が様々な
思惑を胸に秘め、一国の命運をかけて
血なまぐさい抗争が始まろうとしていた…
というのが大まかなあらすじです。

日本・フランス合同製作による、およそ
三時間にわたる戦国一大スペクタクル・ロマン。
崖に詰め寄る豆粒ほどの大軍も、今だったら
全部CGで済ませられるのに当時は実際に
衣装や人間揃えて大変な予算をつぎ込んで撮影
したのだろうと思うと感慨深いものがあります。

しかし血なまぐさい・生々しい合戦シーンは
ほどほどに、本作で見るべき部分と本質は
やはりリアル過ぎる各登場人物の造形と、
観客の予想を悉く裏切る、目まぐるしく
変わっていく展開でしょう。

無能で野心家に見える三男(この辺は
メタルマックス3のサブロミオ補正も入っちゃった
上での見方ですが)が一家を陥れていくのかと
思いきや、「え、そういう方向に行くの?じゃあ
次は…え、じゃあその次はどうするのさ!?」
といった具合に、通常ならば奇をてらったような
だけの意外な展開を次々と畳みかけ、そうして
物語全体は全く破綻していない、最後まで綺麗に
収めている脚本には驚嘆の他ありません。
大殿・秀虎と息子の三兄弟を筆頭として、
腹に一物ありげな盟友関係の二人、
意外な伏兵となる復讐の情念に凝り固まった
傾国の女、忠臣過ぎるまでの忠臣、それから
たまたま敗れた国の下に産まれてしまった
ばかりに運命に翻弄される姉弟等、余念のない
濃密に設定されたキャラクターの存在も手伝って
物語にはグイグイと引き込まれていきます。

黒澤自身が「人類への遺言」と位置づけた
作品の通り、物語の一番のテーマは、
神不在の地で親兄弟が喜んでお互いに
殺しあっているようでは、いずれ人類は
滅びるということだと思うのですが。

同時にレンタルした先日のレビュー作
「トゥモローワールド」が共通したテーマならば、
「フロム・ヘル」も加えて三作共通して
「太陽と月」がそれぞれ作品を表したシンボルや
隠喩としてはっきり登場するんですよ…
ただの偶然やこじつけだと笑って済ませるのは
簡単なんですが、「フロム・ヘル」が
オカルト要素の盛り込まれている作品なだけに
ちょっと思い込みや怖くなってくるとこもあります。
助けてアランムーア!

寝ても覚めても殺される

年代としては「ジェイソンX」の方が
発表が早いのですが、作品時系列的には
「フレディVSジェイソン」の方が適当かと
思いましてこちらを先にレビューします。
ていうか「X」は既に異色の別物だしね。

エルム街の大人たちは皆、フレディ・クルーガーの
過去に関する一切の情報を隠蔽し、
また彼に関わった者・彼の悪夢を見た若者たち
全てを精神病院へ押し込め隔離することで、
彼の驚異から街を保護していた。
これにより、「人間の恐怖」が原動力である
フレディは人々を殺す力を失い困窮していた。
そんな時、クリスタルレイクの殺人鬼、
ジェイソン・ボーヒーズが自分の封印されている
地獄の底へ降りてきたことにより、フレディは
彼を蘇らせ、エルム街へ差し向けることで
自分の記憶と恐怖をエルム街に再び
呼び起こすことができるのではと画策するが…
というのが大まかなあらすじです。

「エルム街」の製作元であるニューライン・シネマに
「13金」の権利が売却され、企画自体は可能となったものの、
実現に至るまでにおよそ10年ほどの歳月を要した本作品。

元々はニューライン・シネマの新生ジェイソンにして
九作目にあたる「13日の金曜日・Part9 ジェイソンの命日」の
ラストシーン、ファンの間では有名な、「ボーダーシャツに
鉤爪をつけた腕がホッケーマスクを地中に引きずりこんでいく」
という展開から本企画の話が立ち上がり、また本作品も
そのエピソードから端を発する形となっています。

作品の時代設定は「13金」は「9と10の間」、
「エルム街」はフレディの回想から察するに
「5と6の間」と見るのが妥当な線でしょう。
フレディは6で完全に死んじゃうからね。
凄い不本意な形で。

さて、本作品がレンタルとして出回った当時、
なかのひとは「13金」と「エルム街」に対して
ほぼ全く知識がない状態で鑑賞して
「全くてんで中身カラッポな内容だなガハハ」と
笑って流したものですが、今や両作品を
コンプリートした状態で観たとなると一変して、
いや、得られる物がこれっぽっちもないのは
今も昔も一緒なんですが、これまでのシリーズに
対して網羅されたオマージュの数が凄い!

なんというかこれでもかと隙あらば詰め込まれている
膨大な情報量は、ジェイソンとフレディに対する愛と
言うよりも、ファンに対して「おらどうだ?これで
満足かオラッ」と言わんばかりの執念すら感じます。

例えば「酒飲んでバカ騒ぎする若者の群れの中に
突如ジェイソンが現れて大パニック!」という光景は
「エルム街2」でフレディのやらかした事だったり、
「エルム街の精神病棟から男が友人を一人連れて脱走する」
という展開は「13金Part6」でトミーのやった事だったりと、
「お互いの作品でやったことを交換する」という展開が
ファンにとっては感涙物だったりするならば、
「力を失ったジェイソンは少年に戻ってしまう」という
設定は「13金Part8」の物だったり、
「夢の世界で捕まえたまま覚醒すればフレディを
現実に連れてこれる」という設定は「エルム街6」の
設定だったりと、ファンにとっては所謂「黒歴史」の
作品からも引っ張ってくるのは「そこまでやるか」
という驚嘆の他ありません。

そんな中、フレディの「火が苦手」という原作設定と
対照的にするためなのか、ジェイソンには「水が苦手」
というオリジナル設定が付け加えられています。
湖で溺れ死んだという設定があるんで意外と
勘違いされがちですが、実はジェイソンって
「13金」シリーズだと普通に水の中泳いで
人殺したりするし、そもそも何度も水の中に
沈められてたりするんで、水が怖くて触れないって
設定は従来のシリーズにはなかったりします。

それはさておき、本作目玉のオリジナル部分にして
個人的にもお気に入りなのが、実際にフレディと
ジェイソンが顔を突き合わせて超人プロレスを
繰り広げることになるクライマックス。
不死身の怪物二人が繰り広げる喧嘩は
見ていて超安心するので楽しいのですが、
それにしても「両者に華を持たせなければいけない」
という製作者側の心遣いが感じられて、
上記の狂気の作り込みのオマージュも踏まえ、
なんだかファンとしては申し訳ない気持ちにすら
なってきてしまうのも事実。

当然二人の決着はつくわけがなく、
霧が立ち込める「まるで夢のような情景の」
クリスタルレイクから浮上してくる
ジェイソンと、彼が抱えたフレディの生首が
「お前はスーパーマン気取りか」とでも
言いたくなるようなウィンクでエンド。

熱狂的かつひねくれたファンからは、例えば
色々と文句を出そうと思えばこれでもかと
それこそクソみたいにひねり出せると思うんですよ。
けれども、既に両作品ともにシリーズとして
トドメを刺されてしまった経緯があり、
「13金」に至っては宇宙に行ってしまったような
ボロボロ・グズグズにレイプされた
二つの作品とキャラクターを、ここまで見事に
クロスオーバーさせたことは素直に評価したい。
詰まるところ、殺人鬼が暴れまわるだけの
スプラッタ作品なんだし、グダグダ言わないで
素直に楽しんだ者勝ちよね。

シャンティ!シャンティ!シャンティ!

確かIMdbチャートの中にあった作品か何か
だったと思うのですが…とにかくレンタルした作品
「トゥモロー・ワールド」を観賞しましたので
本日はこのレビューを行いたいと思います!

2009年から全世界で原因不明の女性の
「不妊」が始まり、暴動と恐慌により人類は
まさしく滅亡の危機に瀕していた。
最後の砦とされるロンドンにおいて、
元活動家のセオはエネルギー省で
無気力な日々を送っていた。
そんなある日、元妻にして今もなお
レジスタンス”フィッシュ”のリーダーとして
活動するジュリアンから、とある一人の
女性の通行証の違法入手を依頼される。
これがきっかけとなり、セオは徐々に
レジスタンスの活動、そして陰謀に
巻き込まれていくことになる…
というのが大まかなあらすじです。

アルフォンソ・キュアロン監督及び脚本。
なかのひとにはあんまり耳慣れない名前ですが、
調べたところ「パンズ・ラビリンス」製作に
関わっているようですね。
本作品を観るとその質感が何処となく
似通っていることがわかります。
主演はクライヴ・オーウェン。
巻き込まれ型の冴えないオッサンを演じて
いるわけですが、個人的には「シン・シティ」や
「シューテム・アップ」における
スタイリッシュアクション野郎よりも
こういう役の方が似合っている気がします。

さて、本作品の舞台は近未来。
「女性が妊娠しなくなる」という事態による
事実上の世界の終末と、さながらパンドラの箱に
残されていたかのような、一縷の僅かな希望を
紡ぎ出していく様を描くストーリーです。
荒野にモヒカンが闊歩するのとは違う、
さながら「ブラインドネス」のような
現代における観点・観念の世紀末映画であり、
あちらは人種隔離政策による人口調整でしたが、
時代設定はもとより己の身勝手な行為によって
人類が勝手に自滅していく様を描いていること等、
漫画「狂四郎2030」にもどこか共通する物を覚えます。

ここまで書けば、当然「人類最後の希望」に
該当するものが一体何なのかは想像がつくと
思うのですが、ある種の神々しさを確かに感じ、
思わず涙が滲む思いこそすれど、そうして
結局人々は馬鹿みたいに争い合っていて、
阿呆のように駆けずり回って後から理由を
こじつける他なく、神不在の地で人類は滅んで
行くだけなのではないのかとも思ってしまうんですね。

1980~90年代には2000~10年の頃には
人類も地球もとっくに滅んでいると思われたし、
そして現在では2030年の頃には同じように
何らかの理由で世界が滅ぶという作品が作られる。
人類は決して滅びないかもしれないけれど、
そうしていつまでも薄氷を踏み続けなければ
ならないという象徴ではないでしょうか。

全然関係ないと言えばないのですが、
現在アラン・ムーア原作のグラフィックノベル
「フロム・ヘル」を読み進めていまして、
これも舞台がロンドンなんですよね。
そしてテーマの一つに組み込まれているのが
原始の時代から続いてきた女神信仰から
現代で取って変わった男神信仰を如何に
持続させていくかみたいな話や、
全ての事象は全く同一に発生しているという
「四次元の概念」みたいな話も含め、
なんだか薄ら寒いものを感じました。
恐るべしアラン・ムーア。

他人の撒き散らした糞の後片付けはいつも創始者なのか

「エルム街」シリーズはようやく
つい最近出たリメイクを除いて全七作の
レビューも終わりましたので、残るは
ジェイソンにまつわる「13金」の
レビューを消化していこうと思いますよ!

まずは「13日の金曜日・PART8 ジェイソンN.Y.へ」。

クリスタルレイク近辺の高校では卒業旅行として
N.Y.行きが決定され、それに浮かれた金持ちの
バカが湖上で女とクルージング。
セックスのため停泊に下ろした錨が見事に
湖底の送電線に命中、しかもたまたま近くに
ジェイソンが沈んでいたため彼を蘇生させてしまう!
卒業旅行当日、ジェイソンはクルーザーから
N.Y.へ出航する「ラザラス号」へと忍び込み、
かくして惨劇の幕が開けた!というのがあらすじです。

一番最初に表記してしまうと、パラマウントがあまりの
出来の酷さにシリーズに見切りをつけ、
ニューラインシネマに権利を売り渡してしまったという
エピソードも有名な名実共に悪名名高い八作目。

今回は英雄トミーや超能力少女ティナではなく、
過去に何かのトラウマが原因で水恐怖症となり、
少年時代のジェイソンの幻影に悩まされる
ガリ勉引き篭もり少女・レニーが主人公。

七作目に至るまでにずっとクリスタルレイク周辺の
キャンプ場でジェイソンが殺戮を繰り広げていた
ことに対する飛躍という意味で、活躍の場を
変えてみたっていうのがコンセプトだとは思うんですが、
だからってN.Y.に行く必要は全然なかったんじゃ
ないかとも思わされるんですよね!
例えば四作目でほんの少しの間だけ病院で
暴れるシーンなんかは「おおっ」と思ったりするもんで、
今回の船の中でバカガキ共を皆殺しにするだけでも
十分新鮮なんだから別に舞台変えるなら
キャンプ場の近所でも全然構わないわけです。
そしてこれも有名なエピソード、じゃあやっと
N.Y.に渡ったかと思えばジェイソンはひたすら
薄暗いスラムを闊歩するばかりで一向に
華やかな表通りデビューをしようとしない。
一体何のためにN.Y.に来たのこいつら!?

初期の「警告おじさん」とは血縁関係か何かか、
同じように不吉だ不吉だと連呼するオッサンや、
前作の精神科医に輪をかけてどうしようもなく
性格チンカスな教師とかは面白いですが、
やっぱりN.Y.に渡ってからの展開が不味すぎる。
ジェイソンに追い詰められて突然ボクシングを
挑み始める黒人青年やら、不良に絡まれたら
仮面の下を見せて追い払うジェイソンやら。
目に入る標的は全部殺すのがジェイソンだろ!?

「シリーズにトドメを刺してしまった作品」
ってんで、今更これ以上貶めることもない
わけですが、何にしてもこれまた体調を崩し
かけること請け合いな駄目な子でした。

そんで九作目が
「13日の金曜日・PART9 ジェイソンの命日」。

これまでジェイソンはクリスタルレイクを中心に、
およそ100人前後を惨殺してきたと目される中、
たった一人でそのキャンプ場へ泊まりに来た女性。
当然とばかりに縄張りを荒らす者の前へと姿を現す
ジェイソンだが、これこそは軍秘密部隊の仕掛けた
罠であり、砲弾に蜂の巣にされて彼はバラバラにされる。
遺体は秘密研究所に運ばれて検死にかけられるが、
本体である「悪霊」は検死官に乗り移り脱走してしまう。
これをジェイソンの仕業と見たTV局は、犯罪者検挙に
実績のある賞金稼ぎ・デュークに彼の捕獲を依頼。
デュークは地元のダイナーへ赴き、そこで働く
ウェイトレス・ダイアナに警告を発する。
彼女にまつわるとある因縁が原因で、彼女はおろか
娘や孫に至るまでが危険に晒されることとなり、
ダイアナの娘・ジェシカの元夫であるスティーブンが
ジェイソンから彼女らを護るための戦いに巻き込まれる
ことに…というのが大まかなあらすじです。

シリーズ九作目にして、権利がニューラインシネマに
移ってから初となる「13金」作品。
製作として迎え入れられたのが「ジェイソン」
生みの親であるショーン・S・カニンガム。

これまでとは一味違う「ジェイソン」の方向性を
打ち出そう!ってな感じで、これまでの設定が
破綻したような新要素を打ち出しちゃったもんだから
すこぶる評判の悪い駄作扱いみたいですが、
でも個人的にはそんなに糞って気もしないんですよね。
八作目があんまりにあんまりだったからかもしれないけど。

まず新設定というか本作のキモが、ジェイソンには
実は本体があって、なんだか出来損ないの胎児みたいな
姿をした悪霊が人間の肉体を器として操っていて。
けれども完全に自分に適合する肉体は「ボーヒーズ」の
血を引く者でなくてはならず、そのために肉体を転々として
最終的にはジェイソンとはとある関係にあるダイアナや
その娘たちを狙うことになる…ということで、
ホッケーマスクの殺人鬼じゃなくてその辺のオッサンが
凶器を振り回して凶行に走ることがメインとなります。
多分この辺が不満点の一つなんじゃないかと。
悪霊が人に乗り移って悪さをするって設定はなんだか
「ヒドゥン」そっくりだそうですね。
なかのひとは未見なんですが、これもよく不満点に出ます。

ただ、今までただのヤク中だのセックス狂いのバカが
モブとして殺されていくという作品の中で、
本作はクリスタルレイクの住民をピックアップし、
地元を守るという意識の下で時には抗い、時には結束する
主人公たちの相関図を描いたことは評価したいのです。
まあ逆を言うと「いいからもっとヒッピーどもを出して
ガンガン殺せよ」って意見もあるんでしょうけど。
「エルム街」に比べるとキャラの描写の弱み、というのが
「13金」シリーズにはあったので、個人的には
この方向性には好意を抱きました。

なんだかわけのわからない濃さを持ったキャラ群にも
言えることなんですが、なんの説明もないまま
一部強キャラに変貌したり、反応に困るゴア描写
(今回は結構控え目なのが多くて、この辺も
不満要素の一つなのかも)なんかの
何処まで本気なのか、何処までギャグなのか
わかり辛い力の加減具合は、やり過ぎでもなく
かといって萎える肩透かし感でもない、ほどよい
「つっこみたくなる」空気を演出してくれます。

なんかあんまり誉めても変人扱いされそうですが、
でも言うほど悪い作品でもないと思うんですよ、うん。
そりゃまあ絶対に目茶苦茶面白い作品でもないですけどね!

I did it!I did it!!

「フレディVSジェイソン」に至るまでの
「13金」及び「エルム街」の全シリーズを
制覇したため、ウォッチメンのオジマンばりに
件名の台詞を連呼して喜びに浸っているなかのひと
ですが、まだ残されたレビューを消化するために
今ひとたび最後の力を振り絞らなければなりません。
それが例え誰一人得をしないとしても!!

まずは「13日の金曜日・PART7 新たなる恐怖」。
幼少の頃、クリスタルレイクに住んでいた
ティナはその秘められた超能力によって父親を
殺めてしまったというトラウマに悩まされていた。
精神科医の療養と称する勧めにより、彼女は
再びクリスタルレイクへと舞い戻るが、
湖の底に沈んでいたジェイソンを父親と
勘違いして蘇らせてしまうのだった。
かくして惨劇の幕は再び開けた!
というのが大まかなあらすじです。

あらすじの時点で十分トンチキ具合が
知れると思われる七作目。
4・5・6で活躍したトミーに代わって、
本作では強力な念動力と予知能力を持った
超能力少女・ティナが主人公となります。

しっかしこの「超能力少女」という設定が
今ひとつ作品として噛み合っておらず、勘違いで
うっかりジェイソンを蘇らせてしまったという
物語のきっかけとなる大ポカ以外には
あんまり役に立たないという体たらく。

全体の展開を見てもまだるっこしくて、
クリスタルレイクキャンプ場に集った
(ていうか前作で「フォレストグリーン」に
名前を変えてなかった?という初歩的なミスすら
犯してるし…)色狂いのアホ共が延々
わちゃわちゃ痴話喧嘩を繰り広げてばっかりで、
「いいから早く殺されろよ!」なんて
イライラすることがしきりならば、
わざわざ標的を怖がらせるために遺体を目の前に
投げ込むだの、凶器をチラつかせてねちっこく
時間をかけるだの、様々な演出をこらすジェイソン
なんかもいたりして、彼のキャラや今後の作品に
とって危ういほころびなんかも見て取れて。

最後の「ええーっ!?」ってなトンデモ展開が
一番面白いという困った引きで作品は幕を閉じます。

あ、本作ではジェイソンが恐らく初めての電動工具、
電ノコだか芝刈り機だかを凶器として用います。
それだけなんですが、ジェイソンが実は使ったことの
ない凶器「チェーンソー」と恐らく誤解され易く
なった要因として一つ明記しておこうと思って。

そして「エルム街の悪夢」の七作目、番外編にして
最後にあたる「ザ・リアルナイトメア」。

「エルム街の悪夢」第1・3作目でナンシー役を
務めたヘザー・ランゲンカンプは一児の母として
穏かに暮らしていたが、ここ数週の間に断続的に
起こる地震や、ストーカーじみたいたずら電話、
何より「鉤爪の男」の悪夢に悩まされていた。
そして夫が殺される夢が正夢となり、息子が
眠りたがらず、そして教えてもいない
「フレディの数え唄」を口にしだしたため、
彼女は現実にフレディが存在することを
確信していく…というのがあらすじです。

フレディの産みの親、ウェス・クレイヴンが
再び自らメガホンを取り、なおかつ「エルム街」の
全てのはじまりと言っても良い
ナンシー役、ヘザー・ランゲンカンプや
フレディ役、ロバートイングランドを
本人としてそのままクレジットし、
ウェス自身もまた同じように出演することで、
映画と現実を裏返した形で構成している本作品。

前作でフレディ自身は滅ぼされたため、
本作では「フレディ」という存在は
人類有史以前から存在した暗黒の、何か
得体の知れない邪悪な概念と設定されて
いるのですがそれはさておき。

遠回しに六作目を黒歴史とする表現に加え、
「息子のためならば何でもして身を挺して
護る母」という構図は、即ち五作目における
アリスとジェイコブの関係のようでもあり、
恐らくはウェスの「俺なら六作目はきっと
こう作った」という思惑が伺えると同時に、
そこへエルム街の元祖ヒロイン・ナンシーを
重ねることによって感動の相乗効果が生まれます。
これは例えば六作目が正しくアリスの後日談で
あったのであれば、或いはもっとマシな出来だった
ならば本作は生まれなかったであろうことの
アンビバレントを考えると、ちょっと複雑な気持ち。

他にもナンシーの父・ジョン役の人なんかも
そのまま演してたりするし、多分に端々に
「エルム街」に関わった人がカメオで
顔を出しているんだろうなってことも伺えて、
本作は原点回帰や総決算、それから何より
ファン・マニア向けの作品というのが
前面に押し出されていると思うんですが、
やっぱり2時間近い上映時間はしんどい!
ホラー映画はやっぱり90分前後にまとめるに限る…

とは言え産みの親ウェス・クレイヴン作品、
六作目で思いっきり躓いたことも踏まえ、
全七作という長い道のりを「これでやっと
全部終わった!終わらせてくれた!」という
清々しい、すっきりした気持ちで綺麗に締めて
くれた感謝すべき感動の大団円の作品でもあります。

むーざんむーざん

毎月1日は映画の日!ってことで、
リフレッシュも兼ねて観に行った映画が
「十三人の刺客」と「バイオハザード4」。
………本当にリフレッシュ目的で観に行くための
ラインナップなのかは甚だ疑問ですが、
本日は「十三人の刺客」のレビューをば。
ちなみに「バイオハザード4」はある意味
シリーズの延長として正しい内容かつ
語るほどの内容もない中身カラッポだったので
敢えて野暮な突っ込みはしません。
いや、そう割り切って見れば楽しかったですじょ?

時は弘化元年(1844年)。
徳川家将軍・家慶とは異母兄弟にあたる弟、
明石藩主・松平斉韶の暴虐ぶりに腹を据えかねた
老中・間宮図書が老中筆頭・土井大炊頭の屋敷前で
訴状と共に切腹したのが事の発端だった。
斉韶の素性を知らない家慶は一年後に斉韶に
老中の位を授けるという話になっており、
これ以上彼に実権を与えまいとする土井は
藩目付役・島田新左衛門へ斉韶暗殺を申し付ける。
かくして島田は腕の立つ少数精鋭を掻き集め、
参勤交代中に斉韶一行を襲撃する計画を実行に移す…
というのが大まかなあらすじです。

奇才・三池嵩史が1963年の同名映画を
リメイクした残酷時代劇!というのが本作品。
原作やリメイク元を知らないのであまり
突っ込んだことは言えないのですが、
通して観た感想はと言うと南條範夫先生の
描くような人の心の闇や戦争の無意味・
無常さを訴えた「残酷もの」で。
元が63年ということで、その「残酷もの」が
流行していた時代背景を省みても、
現代になってそこへ立ち返ってみたのでは
という推測はそう外れていないと思います。

無駄に豪華なキャストと膨大なセット、
そして迫り来る無数の敵との肉弾戦。
監督は「極力ヒット路線は狙わない」みたいな
ことを言っていたみたいですが、それにしても
今の三池はやっぱりエンターティナー。
そんな灰汁の抜けたような演出の中で
ほどほどに「お前これがやりたかっただけだろ」
的な面白シーンばかりが印象に残ってしまうのは
ある意味失敗だったんじゃないかと。
だってチャンバラより一徳がアレでナニされて
しまう場面の方が一番の見所なんだもの。

殺陣のシーンも無駄に長ったらしくて
メリ・ハリが効かず、クライマックスに
乱戦・混戦を用いた作品の中では印象深い
「七人の侍」(これを引き合いに出すのは
少々酷ってもんですが)や「少林寺三十六房」
なんかだと、料理のメニューに例えれば
ちゃんと食事をする人のペースを考えて
順番に皿を配してくれるのに対し、こちらはと
言うと味付けもへったくれもあるかいと
言わんばかりに上戸を口に突っ込まれ
ひたすらに餌を放り込まれているような状態で。
「一定時間毎に下っ端から死んでく」
というのがどうにも緊張感がなくて、
これが例えば「いきなり4・5人死ぬ」とか
「主人公の右腕がいきなり死ぬ」とか
そういう展開だったらまた違うと思います。
ていうか「敵は130人だ!行くぞー!」とか
言ってるけどこれどう見積もっても
130人で済まされる数じゃないよね。
っていうのは絶対に狙ってると思いました。
とにかく無駄に長すぎ!

あと主演の役所広司(しばらく観ないうちに
随分老けたねこの人)よりも件の右腕、
MATSUKATAがキャラ濃過ぎってのも問題。
殺陣から口上から堂に入りすぎです北町奉行。
一徳なんかもそうだし、カメオが豪華過ぎて
消化不良起こすのも邦画の悪い癖。

色々と文句タラタラですが、言うほど
悪い内容でもないと思うんですよ。
ただ「ヒットを意識しない作品」を
今の三池に撮らせた場合、必ずしも万人受けで
ないという内容と、しばし垣間見える
かつてのはっちゃけていた三池の影がチラつき、
往年のファンも近年のファンも素直に
楽しめないなんとも中途半端な映画に
仕上がってしまったように思えます。

ジュウチガウジュウチガウ

「Mr.インクレディブル」の鑑賞にあたり、
スタッフが以前手がけていたというアニメ
「アイアン・ジャイアント」もかれこれ
10年ぐらい観よう観ようと思って放置していた
ので、この際これも手をつけようってことで
本日はこの作品のレビューを行います!

1957年、アメリカ・メイン州の小さな街。
近隣の沖合いで時化に呑まれる漁師がその最中に
目撃した火の玉は、鋼鉄の巨大なロボットだった…
翌日のダイナーで仲間に哂われる漁師のその話を
聞いた少年・ホーガーズは晩に家を抜け出し、
森の奥の変電所で鉄を食べるロボットを発見する。
電線に絡まれていたロボを助けたことを発端に、
ホーガーズはロボと交流を深めていく。
しかし鋼鉄の巨人の噂は田舎街の間で徐々に
広がり、やがて政府特別捜査官・ケントが調査に
乗り出してきた頃から事情は複雑になっていく…
というのがおおまかなあらすじです。

宇宙から落下してきた正体不明のロボットと
純真な少年の心の交流と、それを無残に引き裂く
人間の造り出した兵器の恐怖を描くという
オーソドックスなテーマの本作品。

未だ予断を許さない冷戦真っ只中の時代、
人々の心からは核戦争の恐怖が常にまとわりつき、
敵対国の一挙手一投足に陰謀を感じ怯える。
銃が人を殺し、核は地球を殺す。
肥大化した軍拡はやがて人類の全てを滅ぼすだろう。
あまりに手軽で短絡的な、ボタン一つを押すだけで…

「Mr.インクレディブル」同様に、これらの内容は
アメコミから色濃く影響を受けていることが伺え、
特に「スーパーマン」に対しては本作品において
重要な意味合いも持っています。
「ウォッチメン」や「バットマン」における
冷戦や核の恐怖を描いたアメコミが如何に氾濫し、
それが当時の少年たちにどれだけ刷り込まれたかを
象徴しているようでもあります。

果たしてアイアン・ジャイアントとは
異星人のよこした侵略用ロボットなのか?
それとも天の遣わした試練なのか?
その答えは作品の中で提示されず、それは
つまり彼をどう見るかの全ては観客に
委ねられたということでもあります。

「ウォッチメン」で言うDr.マンハッタンを得た
アメリカのように、本作の締めもまた
ハッピーエンドと言っていいのだろうか、
と疑念を拭いきれないのは製作者の意図が
正しく伝わっているのか、それともこちらが
単純にひねくれているだけなのか…
同じくDr.マンハッタンの言うところの
「物事に終わりなどない」という台詞に被せ、
ロボの行き過ぎた力がやがて国を傾ける
未来をどうしても想像してしまうのです。
世の中は複雑になり過ぎた…
プロフィール

マイケル・チバ

Author:マイケル・チバ
シルバーレイン
マイケル・チバ(b30277)
薬師寺・米(b41960)
を経て、
現在はエンドブレイカー!
マーヴィン・ジェント(c06527)
にて稼動中。

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