いないいないバーバー!

今日はコーエン兄弟2001年の作品
「バーバー」のレビューを行いたいと思いまーす。

時は1949年のカリフォルニア。
妻の実家の稼業である理髪師を継いだ婿、
エドは寡黙で目立たない、有り体に言って
しまえば地味な男だった。
彼はある日閉店時間直後に現れた
自称ベンチャー起業家が、「これからは
ドライクリーニングが来る」と漏らすのを聞き、
彼に1万ドルの出資を行うことを決意する。
エドは妻であるドリスが、彼女の勤める
ショッピングセンターの上司であるデイヴと
不倫関係にあることを知っており、
それをネタにデイヴへ脅迫状を送ることで
1万ドルを捻出しようと画策するのだが、
デイヴと起業家が顔見知りの関係だったことから、
事件は思わぬ方向へ転がりだすのだった…
というのがおおまかなあらすじです。

テーマや内容的にはコーエン兄弟が96年に
発表した「ファーゴ」と類似したものがあり、
「小市民がちょっとした金のために犯罪を
起こしたばかりに坂を転がり落ちていく」という
サスペンス色の強いコメディ、はたまた
コメディ色の強いサスペンスです。

エドの妻・ドリス役には「ファーゴ」にてヒロインを
演じたフランシス・マクドーマンドが出演しており、
これは恐らくマーゴのイメージも狙っての
配役なのでしょう、同じ小市民的な位置に
ありながらも対照的な役柄を与えられています。
主人公のエドにはビリー・ボブ・ソーントン。
地味で幸薄い小倅という、こう言っては何ですが
イメージにピッタリな役で登場します。

とにかく救いのないストーリー、かつ
明確な教訓やテーマが濁されているいつもの
コーエン兄弟節が炸裂しているのですが、
例えば「貧乏人がほんの少しの夢も見ては
いけないのか?」とか思ったりすると同時に、
犯罪を起こすことによって彼の周囲や、そして
彼自身もまた確実に不幸になっていくわけで。
でも、エドが不幸にしようとした相手は皆
浮気者や嘘つき、他の件で既に犯罪者だったりも
するので、彼の手によって貶められてもそれは
また因果としか言いようのない所もあって…
と、最高にむにゃむにゃさせてくれます。
大体がコーエン兄弟は作品にあまり「因果応報」を
持ち込むタイプではないので、今回に限っては
悪意と皮肉を込めて狙ってやってる感はありますね!

皆一生懸命生きていて、どうにか幸せになろうと
もがいているのにどうしても上手く行かなくて…
という群像劇的な一面も持ち合わせており、
この辺は「ハピネス」という作品を想起させます。

で、まあ、「ビッグ・リボウスキ」同様に、
ちょっとやりすぎというか自分たちの趣味に
走り過ぎてわけわからん的な部分も多いのですが、
これまで視聴していて気づいたことが一つ。
発表作品を時系列に並べてみると
「ファーゴ」→「ビッグ・リボウスキ」→「オー!ブラザー」
→「バーバー」→「ディボース・ショウ」と、
あからさまにエンタメ向きと趣味全開の
作品を交互に発表しています。
いい具合にストレス解消してんだなぁ。

そんなわけで次は「ディボース・ショウ」の
次に作った「レディ・キラーズ」でも
観てみようかと思った次第です。

Powered by FC2 Blog

FC2Ad

FC2ブログ
Copyright © はきだめの犬のはきだめ。 All Rights Reserved.