ゆる☆ぶり

メキシコの辺境の農村。
そこでは役人の手が届かないことと
村人が無抵抗なことを良いことに、
山賊のカルヴェラ一味が好きな時に
好きなように略奪を繰り返していた。
「このままでは我々は飢え死にする!」
一念発起した村人は長老の教えと
なけなしの貴金属を受け、
数人で町へ銃を買いに繰り出す。
そこで出会った銃の達人クリスに彼らが
助言を求めると、彼は「銃を買うより
人を雇った方が安上がりだ」と言う。
かくして村に雇われたクリスは、
銃の腕に長けた人物を掻き集め、
山賊と一戦交えることとなるのだが…

ここまで読んでピンと来る方も多いかと
思いますが、このあらすじは黒澤の「七人の侍」を
ハリウッドリメイクした「荒野の七人」のものです。
適当に予約リストにぶっこんどいたら送られてきた
この作品のレビューを今日は行いたいと思います。

まず主演には往年の名優ユル・ブリンナー。
脇を固めるのが実はユルよりも後年ヒットを
飛ばすことになるスター、スティーブ・マックイーンと
チャールズ・ブロンソンという豪華な布陣。
賊のカルヴェラを演ずるのは髭面の小汚い悪党を
演じさせたら右に出る者はいないイーライ・ウォラック。

脚本は「七人の侍」を下地にしているので
大筋は同じなのですが、キャラクターが
まぜこぜにされたりオリジナルが出てきたり、
後半の展開に変更が加えられたりしています。

ただ何というか、本作品の主人公の一人とも
言えるチコが「七人の侍」で言うところの
最年少で血気と手柄に走る「勝四郎」と、
侍と村人の橋渡し役となる男「菊千代」の
両方のポジを与えられてしまっているため、
消化不良や重荷を負わされているという
イメージが払拭できません。

リメイク元は三時間の尺を二時間に端折っている
ということで濃度が薄れるのは目を瞑るとして、
後半のオリジナル展開も正直どうなんだろう…
なんかすっげえ村人が身勝手でガンマンと
全然連携取れてないし余計なことばっかするし!
チャールズ・ブロンソン演ずる、寡黙な男オライリーに
なつくガキどもなんかは本当ウザくて仕方ねえ!

しかし何というか、チャールズ・ブロンソンといい
スティーブ・マックイーンといい、クリント・イーストウッドが
そうだったように往年の西部劇俳優はただ
「そこにいるだけ」で独特の存在感を
かもし出すのが本当にカッコイイですね。
無言で苦虫を噛み潰したような表情がスクリーンに
映し出される、ただそれだけでニヤけてしまいます。

黒澤作品は「七人の侍」しか観てないし信者という
わけでもないのですが、矢張りリメイクはオリジナルに
勝てなかったかという印象の強い本作品。
それでも元が元な大作にスターが集結したという
だけあって、見るべき点は多くあります。

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