たたかえ!スピリット!

それこそ「レスラー」のついでに観に行った
という印象の強い「スピリット」のレビューを
本日は行いたいと思いまーす。

クローン技術をも操る有能なヤクザ、「オクトパス」の
手によってセントラル・シティは犯罪で汚れていた。
彼の野望を阻止するべく暗躍するのは、
子供から人気があり、女にだらしなく、そして
猫をこよなく愛する不死身のヒーロー「スピリット」。
ある時彼は警察からの依頼でオクトパス絡みの
犯罪を追っていると、スピリットの過去とも関係がある
女性「サレン・サンド」がこの件に関わっていることを知る。
オクトパスとサレン、二人は一体何を求めているのか…
そしてスピリットの過去が明らかにされる!
というのがおおまかなあらすじです。

ウィル・アイズナー原作のアメコミを
「シン・シティ」「300」の原作者フランク・ミラーが
監督して実写化に挑む!というのが本作品。
しかし、例えば「300」「ウォッチメン」を映像化した
ザック・スナイダーが独自の解釈で見事な
オリジナリティを発揮したのに対し、
本作品はロバート・ロドリゲスが監督した
「シン・シティ」の手法を下地にしたというより
丸パクリしたものであり、真新しい物が一切
見当たらないためこの落差は大きいです。

主人公の「スピリット」は基本的に刺されようが
高所から落とされようが死なない不死身仕様かつ
無駄に女にモテるジェームズ・ボンド野郎というか
カンフー野郎なので見ていて危機感がないのも何とも。
反面、有能なんだけどボンクラなヤクザをノリノリで演ずる
サミュエル・L・ジャクソンの「オクトパス」を筆頭に、
コスプレ大好きの女助手「フロス」、それにおつむの弱い
ハゲデブクローン軍団のボヤッキー一味っぷりが
キャラ立ち過ぎ・濃過ぎでこっちの方が面白い。
あれ、もしかしてタツノコアニメ調のノリで観るのが
正解だった?というのが振り返った感想。

アメコミ特有の、雷神ソーの「トールハンマー」みたいな
「神器」がごく普通に存在する世界観なのも問題でして、
それらが唐突に登場する上に何でそんなのが
セントラル・シティみたいなゴミ溜めの街に存在するのか
一切の説明がないため、知識のない一般人は
「?」となること請け合いなのも不味い不味い。

有り体に言ってしまえば下馬評通りのしんどい作品でした。
アートワークやキャラ造形自体はフランク・ミラーに
多大な影響を与えたことが伺え、例えばスピリットの
純粋で一途な性格はマーヴに、
女垂らしで気障なヒロイックさはドワイトに、
不屈の正義漢であることはハーティガンに、
それぞれ「シン・シティ」の肉付けに培われ、
或いはそれらがこの作品にフィードバックされたのではと。

完全に原作やフランク・ミラーのファン向け、一般人度外視
ということで万人にオススメできる作品ではござーません。

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