本当にそれでいいの!?

「ノーカントリー」「バーンアフターリーディング」と
コーエン兄弟の新作に魅せられて、
旧作をこまめに観てみようということで
とりあえず適当にまずチョイスした一本が
今日ご紹介する「ディボース・ショウ」でございます。

成功続きの人生に飽きがきていると同時に
倫理観が若干欠如している辣腕弁護士・マッシーは、
大富豪との離婚で莫大な財産をせしめようと
目論む結婚詐欺師の悪女・マリリンを相手取り
勝ち目のないと思われた訴訟で見事勝利をもぎ取る。
一攫千金の夢を諦めきれず、また復讐に燃える
マリリンはマッシーが自分に好意を抱いていることを
利用して新しいプランに着手するのだが…?
というのが大まかなあらすじです。

金の余った嫌味なセレブや成金どもが渦巻く
一般庶民とは縁遠い上流階級の人間たちが、
婚前協定及び離婚訴訟というスキャンダラスな内容を
テーマに法廷という舞台で争うのが本作品であり、
コーエン兄弟お得意のブラックユーモアが
申し分なく炸裂しています。

主演はジョージ・クルーニー。
「バーンアフター〜」と同じようにスケベな男を
演じてまして、コーエン兄弟はクルーニーに
「賢者モード」入らせるのが本当に好きなんだな!
と膝を叩いて大笑いしてしまうシーンがありました。

ちょっとネタバレ入ってしまいますが、
マリリンと一夜を共にしただけで盛大に「愛」を語る
あの場面は映画史上でも屈指の酷さだと思いました。
間合い、演出、BGMをこれでもかと計算して
悪意と皮肉を込めることに余念がありません。

もう一つ見所というか、面白かったのは
田舎の石油王演じるビリー・ボブ・ソーントン。
「スリング・ブレイド」の精神薄弱者や
「シンプル・プラン」の無職のろくでなしといった
病的な役柄を演じるイメージが多い中で、
無駄に明るくておしゃべりな中年を好演。
作中でのポジションも相まって、役者としての
スキルの幅広さを見せ付けてくれます。

そしてこれも史上屈指の「何だか納得のいかない
ハッピーエンド」を迎えて最高にモヤモヤさせられます。
コーエン兄弟の映画は「え、あ?う、うん…そうなの?」
ってなラストばっかりでびっくりさせられることばかりだね。
「コーエン兄弟はそのうち誰かに殴られても仕方ない」
なんていう声を耳にすることもありますがその通りだと思います。
反面、くさやの干物というか、珍味的な妙に
癖になる味を持っているので、古くから固定ファンがついて
今もこうして長く監督・脚本業を続けていられるのも
わかってしまうような気がするのです。

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